今回で20回目の公演を迎える『劇団フルタ丸』が「劇団フルタ丸 第20回公演 チャレンジング興行 第1弾『匿名家族』」が2013年5月11日(土)~19日(日)、新宿サンモールスタジオで行われる。
今回は『家族』という普遍的なテーマにあえて挑戦。フルタ丸流の豊富なギミックで皆さんを笑わせ、そして泣かせます。
4月下旬、稽古場にお邪魔し、キャスト陣にインタビューしてきました!
―これまでの稽古は順調ですか?
大勝かおりさん(以下、大勝):合流するのが遅く、まだ集中的にやれていないところはありますが、ラストスパート一歩手前という感じで頑張っています。
宮内優輝さん(以下、宮内):今まで、演劇としてやってこなかったようなお芝居ですので、若干不安に感じるところはありますが、ワクワクしながらやっています。
工藤優太さん(以下、工藤):通し稽古をやってみて、ある程度固まってきた感じです。宮内さんもおっしゃっていましたが、今までにあまり経験したことのないような芝居ですので、気合を入れて頑張りたいと思います!
岡見文克さん(以下、岡見):色々な演劇に出させていただいているのですが、全体的にペースが早いな、と感じますね。
また、本編の解釈が少し難しいので、ちゃんとできているのか? 演出家に依存するところは多いのですが、キャスト陣は慌てているでもなく、悩んでいるわけでもなくという、そんな雰囲気です。
本公演は、生でないと良さが味わえない作品となっていると思いますので、是非劇場に足を運んでいただきたいですね。
浦川拓海さん(以下、浦川):僕に限ったことではないと思いますが、お客さんの笑い声があると、それがパワーになるということがあって。稽古場での笑いがないと、ちょっとテンションが下がってしまうところがあります(苦笑)。
すごく難しいことに敢えて挑戦している部分がありますので、興味本位で観に来ていただければ、と思います。濃いキャラクターがうまく混ざれば素晴らしい舞台になるのではないでしょうか?
清水洋介さん(以下、清水):『劇団フルタ丸』は言わずと知れた稽古大好き集団なのですが、目下「どんどん稽古をして、叩いて叩いて強度を増していき、切れ味を高めていく」作業をしています。
僕は『フルタ丸』を日本刀に例えて表現しているのですが、切れ味もそうですし、稽古で叩いた分が本番で強い芯になればいいかな、と思っています。
篠原友紀さん(以下、篠原):稽古を始めた段階では何が正しいのか全く分からない状況で、手探り状態だったのですが、今はだんだん分かってきましたので、稽古中も楽しい気持ちになってきました。
私がお客さんの立場なら、絶対に衝撃を受けて「面白い!」と思えるので、是非お越し下さい。
數間優一さん(以下、數間):今回の公演は「チャレンジング興行」と銘打っているのですが、最初は「何がチャレンジなんだろう?」と思っていました。
そして台本を見ると「なるほどな」と思いました。皆さんがおっしゃる通り、何が正解か、どこに向かっているのか、というのが手探り状態なところはありますね。
なんとなくのゴールは見えているのですが、まだあと一押し、二押しなければ厳しいかな、とは思います。ただ、そこを越えれば絶対に面白い作品になると思います。
前原駿哉さん(以下、前原):自分は稽古全体のことを理解する余裕がなく、自分のことで精いっぱいなのですが、通し稽古を何回かやっていく中で、なんとなく掴めてきたような気がします。先輩の力を借りつつ精進していきたいです。
真帆さん(以下、真帆):最初に台本を頂いた時、面白い、面白くないということではなく、単純に不安と楽しみがいっぱいでした。稽古を一か月終えて、何となく見えてきたところはありますね。まだまだ面白くなってくると思いますので、これから楽しみです。
加藤玲子さん(以下、加藤):『匿名家族』というタイトルを見て「誰と家族になれるんだろう?」と楽しみになりました。早く皆さんに観てもらって「こうだったよね、こういうことだったんだ」ということを共有したいです。
―本作の見どころを教えてください。
大勝:私は「この言葉がここにかかってくるんだ」など、色々と考えながら演じているのですが、本作には「この言葉」という明確なものがないんですね。お客さんに色々と想像していただきながらのところもありますので、これからの稽古でそこをうまく想像していただけるようにクオリティを上げていきたいと思います。
宮内:今回は『フルタ丸』にとって20回目の節目の公演、ということで、豪華な客演
の方にも協力のもと、誰にでも楽しんでいただけるような公演を見せたいです。『家族』という普遍的なテーマをどのように料理したか、確かめてください。
工藤:観る人によって受け取り方が色々と変わる作品だと思いますので、その答えを劇場に見つけに来てほしいと思います。
岡見:舞台はそもそも架空の世界の物語であり、「想像」と「創造」という、二つの「そうぞう」があると思うのですが、今回は是非何人かで観に来ていただいて「あのシーンはどのように解釈した?」と色々はなしながら楽しんでいただきたいです。
浦川:『家族』については、誰もが一度は考えたことのあるテーマだと思いますので、その手助けになればいいな、と思います。
個人としては、僕の所属する劇団「ラッパ屋」譲りの「華麗なる力技」をお見せできれば、と思っています(笑)。
清水:『家族』ドラマは、これまで星の数ほど演じられてきたと思うのですが『フルタ丸』は全く新しい形の『家族』ドラマである、ということは断言できます。
個人としては、持ち味である「爆発力」を活かしていければ、と思っております!
篠原:みんなで一緒に作っている、という前向きな力を感じます。絶対にいいものになっているという確信ができています。こんなにたくさんのキャストが出ているのに、みんな個性があって。観ていただけるとその個性を存分に感じられると思います。どの人物の視点からも楽しめると思いますのでよろしくお願いします!
數間:今回の公演は、観ていただく皆さんの想像力も必要になっていると思うのですが、その想像力をかきたてられるような芝居をできるかどうか? そこが見どころだと思います。
前原:『家族』というテーマは、これまでも、そしてこれからもずっと続いていくものだと思うのですが、本作は観てくださった人にとって、とてもかけがえのない作品になるんじゃないかと思っています。
真帆:ただぼんやりと観ているだけでも、とてもカラフルな面々が揃っていると思います。「この人好き」とか「この人面白い」など、感じていただける部分があると思います。
加藤:12人誰かしらに共感できる部分があると思います。絶対に満足いただける作品になっていると思いますので、是非ご覧になってください!
主宰・フルタジュン:今回は私もキャストとして登場しますが、ちょうどつい先日、稽古への参加が始まりました。稽古が始まる前に「これくらいできていれば」と思えるくらいのレベルには到達していると思いますので、これからどこまで伸ばせるかが、面白い舞台になるかの境目になると思います。
今回「チャレンジング興行」と銘打っているのですが、まずはその冠から決めたんです。その後に「何をやればチャレンジになるんだろう?」と考えた時、普遍的なテーマである「家族もの」を演出面でチャレンジしてみようと思いました。この「チャレンジング」が失敗するかどうか? どうなるか分からないものを役者どうしで共犯関係になって作品作りに臨んだ時、三振してしまうかもしれませんが、打った時にはホームランになる作品になると思いますので、劇場に是非足を運んでいただいて確かめて欲しいと思います。
―今回のテーマが『家族』ということですが、皆さんの家族にまつわるエピソードはありますか?
岡見:演じていて感じたのですが、大なり小なり『家族』のことで悩んでいる方は多いと思いますので、本公演を観ていただいて、色々と共感していただける方も多いのではないかと思います。
前原:うちは両親と弟との4人家族なのですが、母親が中心ですね。それぞれが母親を通してコミュニケーションをとっているというか。父や弟と直接話すとピリピリするようなことも、母親を通じて話すとスムースにいく、という関係が成り立っています。
大勝:自分が悲しんだり怒ったりすると、家族にはストレートに言えて、また一番救われるのも家族だと思うんですね。
<Text・Photo/ダンディ佐伯>
●劇団フルタ丸 公式ブログ
http://blog.furutamaru.com/?eid=1060929
●『匿名家族』予告動画
http://www.youtube.com/watch?v=uki9cBTg9WA