人気の乙女ゲームの主題歌や新曲を収録した、love solfegeの2年半ぶりのアルバム『Imperial Arc』4月24日(水)発売!!

By, 2013年4月24日




女性向けゲームレーベル・オトメイトの人気の最新ゲーム「Princess Arthur」の主題歌をはじめ、新曲を収録した2年半ぶりの渾身のアルバムが完成!。

綾野えいり、真理絵、片霧烈火、marina、Ritaら、楽曲ごとに魅力を引き出す女性ボーカリストを起用。

クラシック、ロック、ジャズ、ポップスなどジャンルにとらわれないlove solfegeならではの世界観が詰まった渾身のアルバムです。

【CD概要】
Imperial Arc
発売日:2013年4月24日(水)

品番 : KDSD-00628
税込価格:¥3,150

発売元:株式会社ティームエンタテインメント
販売元:株式会社ソニー・ミュージック ディストリビューション

<各曲解説>
01.Imperial Arc(歌:綾野えいり)

聖書に記されているようなエピソードをイタリア歌曲に乗せて現代のポップスのようにした実験作である。
聖書にはキリスト教の教えが記されているが、エピソードにはそれがなく、「誰がこうしてこうなった」とだけのケースが多い。
そうした物語としては起承転結に欠け、メッセージ性も薄いこうしたエピソードが昨今では軽んじられているような気がした。
刺激や意外性だけを求めるのではなく、隠れている「美しさ」を見出すということを音符に託したと言えるのかもしれない。

02.終わらないチェス・クロック(歌:綾野えいり・真理絵)【「CLOCK ZERO ~終焉の一秒~ 」政府イメージソング】

進行的に見ればシンプルな曲ではあるが、デュエットとしては「ダブルプリマ」としてメロディーを置いたため、
めまぐるしくプリマが入れ替わる。
例えば、最初の8小節に5回のプリマが交代するわけであるが、これは歌唱的にも技術が必要であるし、
鑑賞的にも大変な集中力を要する。さらに同時にコーラスが別の英語詞を歌っており、複雑さに追い打ちをかける。
複雑にしたのには訳があり、タイアップさせていただいた「CLOCK ZERO」の世界観にある。
ひとつに焦点を当ててはこのゲームの世界観を表現できないと考え、複数の焦点として、表現をしようと試行錯誤した。
それはデュエットにしても上手くいかず、ダブルプリマとしての形式でようやっとシンクロできたと思っている。

03.dusk cage(歌:片霧烈火)

歌劇的な内容を含む楽曲で、大変ドラマティックである。技法的には減七和音を多用し、
機能的に破綻寸前になるまで減七和音を使い続け、終始不気味で仄暗い中に起承転結があるように起伏をつけた。
このような技法は歌劇では珍しくなく、しかしポップスには見当たらない。したがって、この2つを融合させることができれば新しいものが出来るのではと期待をして作った楽曲である。最近の歌劇は劇的な音楽の進化を遂げ、また表現の幅も広がり、
我々が融合させて表現するスピードよりも速く、歌劇が進化し、表現しているように思える。今後の歌劇にも注目したいところである。

04.along the smart(歌:真理絵)

「smart」とは、この場合「痛みを伴う苦悩」と解釈するのが適当である。静-動-静の形式をとり、「動」の間に展開が動く。「解答」はいたってシンプルで、出だしの「静」が提起であるならば、アウトロ(終奏)こそ「解答」になっているという仕組みである。その根拠が「動」の部分であり、同部分に歌詞を置いている。2つの「静」を聴き比べて心境の変化を感じとっていただければ最も上等である。
曲想は80年代Jポップスを彷彿とさせながらも、ロックなピアノ演奏や、イージーリスニングな和音構成など、同年代前後の要素もいくつか組み込むようにした。

05.Judgment(歌:片霧烈火)【「CLOCK ZERO ~終焉の一秒~ 」有心会イメージソング】

コードプログレッションの作法を無視した反抗的な音符に、揃ったコーラスを融合させ、「格好よさ」より「美しさ」を見つけ出せるよう配慮して作曲した。作法に沿うことが分別としての「良いこと」ではなく、
あくまで「選択すべきかどうか」であること、また、そういった価値観で理解されず苦境に立たされているであろう人は何を見て何を考えるのだろうか。まずは音符を置く上で、「自分ならこうだ」と思っても
それを一回保留して、「彼らなら?」という考えで最後まで作ったらこのようになった。むしろ、この曲の作曲者は私ではなく、「彼ら」なのかも知れない。

06.青空の確率(歌:真理絵)【「CLOCK ZERO ~終焉の一秒~ ドラマCD 『それから』の記憶 ~ぼくらの中学生日記~」テーマソング】

青空とはここでは「春」と定義したいと考えている。確率とは「確からしさ」であると教わるわけであるが、私は確からしさとはそれが100%であっても「確実に」という表現ではなく、 「確率は100%である」と考えるようにしている。
この表現は同じことを言っているようで違うものだと主張したい。春になれば≪確実に≫桜が咲くわけだが、そうではなく、春になると≪桜が咲く確率は100%≫になるということである。
前者のほうが情緒的であり、後者が無機的、機械的である。そこで、私は後者の表現をとった。それは単純にゲームの世界観から受けた感覚だったので、やはり「階差の螺旋」の「階差」という数学用語に続いて、「確率」という言葉を用いるに至った。

07.??誓契(歌:Rita)【スマートフォンアプリ スマホカレシ「新撰組アメイジング~火照る躰と恋炎~」テーマソング】

「ショウエンセイキツ」と読む。和風な陰音階と陽音階を組み合わせ、雰囲気づくりを担ってもらい、しかしながら、スマートフォン上で聴かれることが多いであろうことを考慮に入れて、
目立つ部分、キャッチーな部分を多く取り入れることに注意を払った。陰音階は特に音取りが難しく、Ritaさんには御苦労を掛けてしまったが、快く対応して戴いた。歌詞に於いても、キャッチーさを前面に出すようお願いをし、大変ポップな仕上がりになった。曲の2番の部分は本来なら「笙」が出てくるべき音符にしてあるのだが、そこを敢えてシンセサイザーで表現したために、同じ音が最後まで鳴り響くようになっている。
こういうことができるのも陰音階の賜物である。

08.line of derivation(歌:真理絵)【PSP用ソフト「Princess Arthur」OP】

音楽主題が大変ハッキリしている。刺繍的に音が徐々に高くなっていく大変シンプルなモティーフではあるが、効果的な役割を果たしてくれて、この曲の最も大きな特徴となった。これは嬉しい誤算だった。
モティーフがシンプルであるということは、その他では複雑なことをやってもバランスは崩れないということである。
おかげで、盛り上がる部分は、ありったけの難しいメロディーラインにすることができた。
「身体ごと囚われても」と歌っているのに、歌唱が困難でないならば、囚われている感じがしないと感じてしまう。
しかしながら真理絵さんには難なく歌っていただき、感謝申し上げる次第である。

09.”Land art”(歌:綾野えいり)

性の香りのしない最大限の女性らしさをテーマに音符を置いた曲である。女性対象のCMなどで色々と共通性を探ってみたところ、女性らしさの要素は6度跳躍、逆に男性らしさの要素は5度跳躍であるとの結論に至った。
そこで、「美しさ」や「はかなさ」を顕著に引き出し、目をつぶるだけで情景が浮かぶような、そのような女性らしい曲を作ってみたいと思ったわけである。実際にはレギュレーションの壁が高く、困難ではあったものの目的としては達成できたと自負しているところである。いつもベルカント唱法で歌って頂いている綾野えいりちゃんの別の美しさを認知していただけたら大変満足である。

10.交差するtalon(歌:綾野えいり)【「AMNESIA」イメージソング】

まず、「AMNESIA」という世界観を理解するところから作曲がスタートしたわけである。世界観を理解するには時間がかからなかったが、それを表現する手法がなかなか見当たらず、締切ギリギリまで考えていた記憶がある。
そこで、並行世界を音楽で示すことは可能かどうかを検証した。
「並行世界のうち、ひとつしか表現できない」と思っていたからだ。そこで破天荒な手段として、出だしのリフを3等分し、まったく同じオーケストレーションにし、さらに等間隔でどんどん上へと3回転調を繰り返すことにした。
音域の広さがデメリットになるが、綾野えいりちゃんの限界まで駆使してもらってやっと為し得る芸当である。そうしたら見事パラレル感が醸し出された。
わたしはまだこのような感覚のような曲を聴いたこともない。そして、その並行世界をつなぐのがピアノであり、4回目の転調で元の調に戻ってくるカラクリである。大変個性的な曲である。このような曲を商業ベースでさせて頂けることに感謝したい。

11.永遠への誓い(歌:真理絵)【PSP用ソフト「Princess Arthur」ED】

love solfegeの傾向として、「一聴して明るい部分には暗い歌詞、一聴して暗い部分には明るい歌詞」というものがある。深く傾聴いただければ、明るい響きの中にもどこか陰があり、暗い響きにも光が差し込んでいることがよくお分かりになるでしょう。
反して、この曲は珍しく、明るい部分に明るい歌詞、暗い部分に暗い歌詞が充てられていて、素直な表現となっている。私は、だからこそ、この曲は続きがあり、反対のことがこれから起こってしまわないか不安になる。
いや、必ず起こるのであろうと考える。すべてが上手く行く事など無いのだから、これから高い壁に当たり、苦しむ少年たちにひと時の安堵を願ってやまない。

12.欠け月の夜に(歌:marina)【PCゲーム「九十九の奏 ~欠け月の夜想曲~」OP】

和風アレンジとの仕様があったものの、風味程度に抑え、かなりポップな曲となった。marinaさんの声質から、大変美しさを感じる伸びる音符を意識的に置き、かといってリズミカルさを失わないよう工夫した。コーラスをどう効果的に表現しようかは
最後まで悩み、結局指示ができなかった。しかしながら、ミクシングの坂さんが大変表現豊かなコーラスワークなミクシングにしていただき、よりmarinaさんの魅力が引き立ったと感じる。このように、私以外の関わった方が皆一流の方々で、至極恐縮なのだが、
出来あがった作品は想像をはるかに越えた良いものになった。そういえば、ティームエンタテインメント社長より電話があり、この曲を大変お気に召していただいたとの電話があった。電話の用件はその1件のみ、他の用件はなく、あぁ社長らしいと思った。

13.alba(歌:綾野えいり)【PCゲーム「ヴァニタスの羊」ED】

PCゲームの主題歌である。しかしながら私はこのゲームに、いや、ユーザー様に挑戦をしたかったのである。それは、ひとりのPCゲームユーザーである私の知人が、ゲーム内でオペラ調で歌うことに対して笑ったのである。私は小さな憤りを持った。
どのような場面でもオペラは素晴らしいものであり、理解の土壌がまだ足りないと感じた。であるなら、誰もが納得する感動的な曲を敢えてPCゲームで展開することにより理解の速度が速まることを期待して、メーカーを説得し、理解を得、作品完成に至ったわけである。感動とは技術の高さでもビジュアルの綺麗さでも質の良さでもなく、まさに何かを感じることである。何を感じるのかが説明できてはいけないものだと思う。子供の絵や文が感動を呼ぶように。
そして、その感動が素直なものであり、自然と湧き出てくるような、評判やバイアスに左右されない、そんな日が来るとすれば何も望むものはないが、来ないとしても、私はこの曲を自信をもって発表したいと思った次第である。

●公式サイト
http://lovege.noki.tv/