PCゲーム『RE:LOADED CARMINE』のOP&ED主題歌CDが2012年12月31日に発売された。
歌うのは橋本みゆき(「Crimson rêve」)と佐咲紗花(「追憶のスカーレット」)。事務所の先輩・後輩ということで息もピッタリなふたりに、本作についてじっくりと語っていただきました!
――今回はジョイントシングルということで、個々でリリースする楽曲とは感覚も違うかと思います。
佐咲紗花さん(以下、佐咲):単純にうれしいです。PCゲームの曲を、橋本みゆきさんと一緒に出せるようになった私(笑)。みゆきさんは尊敬するこの業界での大先輩、いつも近くにいてくださるけれども、こうして1枚のCDにふたりの名前が並んでいるんですよ。私にとってはメモリアルです。
橋本みゆきさん(以下、橋本):そんなすごいことではありませんから(笑)。私も、アニソングランプリ受賞のささささん(佐咲さん)とご一緒させていただけるとは! 面白いのはアーティスト名が“橋本みゆき&佐咲紗花”と“&”で結ばれているんです。同じ曲を歌っているわけではないのに、こうしたクレジットになっているのは珍しいですよね。
佐咲:私のファンで、みゆきさんのことが大好きな方って多いんです。「よかったですよね」っていう声もありました。みなさん、すごくよろこんでいて「橋本さん、佐咲をよろしくお願いします!」っていう気持ちなんでしょうね(笑)。
――ちなみにお互いのことをどんな人だと?
橋本:どんな人!? (佐咲さんをじっと見る橋本さん)
佐咲:あっ、笑った!
橋本:いや、歌やステージングを見るとアーティストとしては、すごく安定しているのに、普段のささささんは危なっかしい(笑)。
佐咲:残念ですか(笑)。
橋本:そうは思ってないけど。
――心配でほっとけない感じ?
橋本:そうなのかな?
佐咲:でも、私が不安げにオロオロしてたりしてると、大丈夫だよって安心させてくれるようなところはありますね。例えるなら「そっちに行ったら川に落ちるよ」みたいなことも、ほんとにさりげなく教えてくれます。姉御です!
――そんな姉御の「Crimson rêve」は、ハードでかっこいいナンバーですね。
佐咲:その通りです。「かっこいいサイドのみゆきさんの曲がきたぞ」と思いました。歌詞だけをじっくり読んで、みゆきさんのメッセージをどんどん追っていってから、改めて楽曲を聴くと、みゆきさんが歌いながら込めた想いをすごく感じることができました。
橋本:『RE:LOADED CARMINE』を制作している方々の気持ちが、ほんと熱くて。かっこいいOP曲というイメージを持っていて、キーワードをいっぱいいただいたんですよ。
ゲームの世界観としては、キャラクターたちがすごく辛い状況にはあるなかで、最終的には未来を作っていく力を出したいということで、歌詞を書くうえでも、歌ううえでも希望的なものは絶対に込めたかったんです。
佐咲:力強さがあるんですよね。ガツガツくるというわけではなく、裡に秘めた闘志というか強い芯を感じました。
――ヴォーカルで意識したことは?
橋本:Bメロでは歌うというよりは語りかけるように歌ってます。そもそも私の声ってそんなに強いわけではないんですよ。聴いたときの印象が。ともすれば細い、弱い感じになりやすい声だと自分では思っていて。
ささささんがさっき芯が強いと言ってくれたんですけど、気は強いんです、私。それは声に出したいなっていうのはありましたね。なのでBメロは弱々しく感じるような、切なさは含んでいるんだけれども、ちゃんと伝えたいっていう気持は強くありますね。
――作・編曲を手掛けた藤澤健至さんのサウンド・デザインも、その<気の強さ>を引き出しているかと。
橋本:最初に曲をいただいたときにまず思ったのは「V系できましたね」って。ギターもギシギシですよ(笑)。かっこいいなって思って。私の曲のなかではなかなかないタイプですね。
――改めてこの曲について佐咲さんから、橋本さんに聞いてみたいところとかありますか?
佐咲:「橋本みゆきさんが、この曲をどーんって届けてくださいました!」ということで、私は完成されたものとして受け取っているので、大丈夫です(笑)。
橋本:歌詞のところどころに英語入れてんじゃねえよみたいなのはないの?
佐咲:ないです(笑)。
橋本:ここは私のなかではV(ヴィジュアル)系を意識して作詞したところなんですけど。
佐咲:でも、好きなところは、<Cry…現実と本質の曖昧な境界線 さあ…運命に逆らって打ち破れ!>というところです。ここからさらにもう盛り上がっていく。すごく心にくる言葉だなと思って。
橋本:全体的に物語のある歌詞が好きなんですね。曲の最後のところでテーマを言葉にすることは多いですね。
――佐咲さんの歌う「追憶のスカーレット」は、このゲームのED曲になりますね。
佐咲:最初に聴いたときに「EDですよね?」ってくらいOPっぽいなと思ったんですね。それはきっとゲームのタイトルにある“RE:LOADED” も通じているのかなと。終わって、そしてまた始まるという……、それがイントロの“始まり感”にも出ているのかなと思いました。
――レコーディングはどういった雰囲気で?
佐咲:スルッとブースに入って、スルッと歌ったら、スルッと終わってしまって。歌い足りないくらいの短時間で終わってしまいました。今回、自分で詞を書いてないんですけど、情景を浮かべやすかったんですよ。
キャラクターデザインの雛祭桃子さんも来てくださって温かく見守ってくれました。「大丈夫ですか? 空気感、合ってますか?」と確認しながら。すごくアットホームな感じでした。終わった後は「感動しました。ありがとうございました」って言ってくださって。
橋本:高音もしなやかで、聴いていて気持がいい声なんです。きっといい感じでレコーディングできたんだろうなって。
――そういえば先日のライブのアンコールでこの曲を歌いましたよね。
佐咲:CDもリリースされたばかり、しかも、まだ発売されていない作品のED曲なのに(笑)、タイトルをコールしたときに会場がこの曲のモチーフの紅いサイリウムで真っ赤に染まったんですよ。
みんながこの曲について知ってくれていたことがうれしかったです。これからもライブで盛り上がる曲になりそうだなって。
――よく考えたら、曲のリリースが先で、ゲームの発売を待つというパターンは珍しいですよね。
橋本:不思議ですよね。
佐咲:フルサイズの歌詞を先に知ってしまっているという……。曲を聴いてくださったみなさんは、「ゲームはどんな感じになるんだろう?」ってすごく想像していると思うんですよ。
――期待感も含めて、この2曲の持つ意味合いって大きいですよね。
橋本:壮大な予告編ですよね。
――「追憶のスカーレット」の歌詞についてはいかがですか?
橋本:SugarLoverさんが書いてるんですよね。歌詞はよく読みますね。「あっ、こういう表現があるんだ」とか、たくさんの発見があるので面白いです。
最終的には強さがあって、自分たちで未来を切り開いていくという意思を感じる歌詞だよね。「Crimson rêve」と対になっているというか、同じ方向を向いてる曲だと感じない?
佐咲:感じますね。歯車が狂ってたり、足に重みが絡みついたり、罪と罰があったり……。それを乗り越えて、憂鬱な今を壊して、真実に向かって、土砂降りの雨の中を私は進んで行くんだと。
橋本:めっちゃ雨に打たれてるもんね。
佐咲:かなりな勢いで(笑)。
――2曲とも作品の世界観を踏まえて、核としている部分は共通している。聴けば聴くほど、深いものが見えてくるといったような感じですね。
佐咲:<橋本みゆき&佐咲紗花>という括りが化学反応を起こし、相乗効果が生まれるような、1+1が10になるくらいのパワーを感じてもらえるかなって。
橋本:あとはこれから発売されるゲームをやっていただいて。ユーザーさんそれぞれ感じるものがあると思うので擦り合わせをしてもらいたいですね(笑)。
佐咲:で、違うなと思うところがあったら、改めて両方の歌詞を読み、もう1回ゲームをやる。そして一縷の光を感じてほしいですね。
――そして、2月17日に行われる洋楽カバーライブ「おれびる」では佐咲さんもゲストで出演されるとか?
佐咲:どう考えても楽しみですよね。メンツ的にすごく見慣れた先輩方ばかりですよ。なんだけどやってることがいつもと全然違ってロックっていう。
橋本:完全に緒方(恵美)さんや私の趣味から始まったんだけど、どこに向かっていくんだろうって(笑)。
佐咲:始めたきっかけとか聞いて、なんか面白いことやるんだなと思って「私も参加してもいいですか?」って。
イメージ的にはロックバーで、緒方さんとみゆきさんがちびちび飲みつつ、そろそろ演ろうかっていうような、アットホームな感じ。そこに偶然遊びにいった私が飛び入りで一緒に歌うみたいなノリで参加しようかと(笑)。
橋本:なんか今回会場も大きいし、もはや趣味とは言ってはいられない……。
佐咲:これはツアーをしなけりゃいけないですね(笑)。
――今後ふたりでこんな絡みをしてみたいっていうのは?
佐咲:私がみゆきさんの曲しか歌わないライブとか?
橋本:こ・と・わ・る! それ、どこに需要があるの(笑)?
佐咲:私、デビュー前にも歌わせていただく機会があったら、勝手にアニソン・ステージとかやっていて、そのときにみゆきさんの曲も歌っていたんですよ。思い入れがある曲が多いんです。趣味から勝手に始めてもいいじゃないですか(笑)。
橋本:じゃあ私はお花だけ贈ります(笑)。
――橋本さんは、佐咲さんとやってみたいことは?
橋本:ない!
佐咲:え~~(笑)!?
橋本:しょうがないなあ、じゃあ、このあいだ「一緒にランチに行こう」と約束してたんですけど、私の都合でNGになったので、そのリベンジとか。
佐咲:おいしいもの食べたい! みゆきさん、すごい大食いなんです。食べるのが好きな人とご飯いくと幸せな気分になるじゃないですか(笑)。いろんな味を楽しみたいけど、ひとりじゃ残してしまいそうなとき、もしみゆきさんがいれば……。
橋本:私が片付けしろ的な感じ? どうなのこの後輩。まっ、食べますけど(笑)。
<Text/幡野 敬>
【CD概要】
橋本みゆき「Crimson rêve」/佐咲紗花「追憶のスカーレット」
発売中(2012年12月31日発売)
品番:LACM-14045
税込¥1,200
●橋本みゆき オフィシャルサイト
http://hashimotomiyuki.com/
●橋本みゆき 事務所オフィシャルサイト
http://solidvox.jp/cgi-bin/information/index.cgi?plugin=Tagging&tag=%E6%A9%8B%E6%9C%AC
●橋本みゆき 公式ツイッター
https://twitter.com/miyuki_hassy
●佐咲紗花 オフィシャルサイト
http://sasakisayaka.com/
●佐咲紗花 オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/anisaya-sasakisayaka/
●佐咲紗花 事務所オフィシャルサイト
http://solidvox.jp/cgi-bin/information/index.cgi?plugin=Tagging&tag=%E4%BD%90%E5%92%B2
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