『マクロス』シリーズの人気作品が最強コラボ! 『マクロス FB7 オレノウタヲキケ!』大ヒット御礼舞台挨拶レポート

By, 2012年11月16日



現在好評全国上映中のマクロス30周年記念作品『マクロス FB7 オレノウタヲキケ!』(以下、『マクロス FB7』)。その大ヒットを記念した舞台挨拶が2012年11月3日(土・祝)、東京・新宿ピカデリーにて行われた。
本編上映後にはアミノテツロ監督、シェリル・ノーム役・遠藤 綾さん、ランカ・リー役・中島 愛さん、歌バサラ担当・福山芳樹さんが登壇。
あまり舞台挨拶の経験のない福山さんのかたわらにはバサラ仕様の特製ギターも用意され、本作にまつわるトークに花を咲かせた。

アミノ監督「作品の中の時間軸はそんなにズレているわけではありませんが、18年前の作品と現在の作品を一緒にやるなんて、かなり無謀な企画だな、だから自分のところに来たのかな、と思いました(笑)」

遠藤さん「『いつのまにそんなのを作っていたのだろう?』というのが最初の印象でした。『マクロスF』ではFIRE BOMBER(以下、FB)の話は伝説として出てくるくらいなので、両作の関係性はあまりないのですが、改めて劇場版になるということでビックリしましたし、うれしかったです」

中島さん「30周年ということで『何かあるのかな?』とファン目線で期待していました。ランカも参加させていただける、ということで素直にうれしいのと、『時空を超えてどう交じり合うのか?』というワクワク感が沸きあがってきました」

福山さん「18年前の作品が劇場で上映される作品になるのはビックリでした。今回こっそりと映画館の隅で観ました(笑)。最初の1曲は、多少自意識過剰になりましたが、2曲目からは『18年前のバサラ頑張ってるな!』と思いながら観てしまいました」

―本作の構成はどのように決まりましたか?

アミノ監督「今回のテーマは『発掘』、ということで色々考えましたが、『マクロス』シリーズのメインテーマでもありますし『歌だけあればいい』という気持ちで考えました。結果、気持ちよくまとまったかな、と思います」

―『マクロス FB7』というタイトルの意味は?

アミノ監督「悩みましたが、FBとフロンティアをかけて『フロンティアボンバー』としました。『福山バンド』という説もありますが、皆さん自由に考えていただいて結構です(笑)」

―アフレコ時のエピソードをお聞かせください。

遠藤さん「どのように絡むのか、想像がつかなかったので、台本を見て「こういうことだったんだ」と思いました。『マクロス7』の世界の日常を感じることができて嬉しかったし、現場での座る位置もアニメの時と同じ位置に座って、懐かしがりながらアフレコしました。同じ役を演じられるのはうれしかったです」

中島さん「TVシリーズから5年、私の中でその間、シェリルとランカと会わない日はなかったと思うくらい思い出深い作品になりましたが、スタジオの扉を開けた瞬間にタイムスリップをしたような感じになりまして、とても緊張しました。
私が『マクロス7』を観たのは、ランカのオーディションに合格した頃でした。その時の流れも感じつつ、アフレコさせていただきました」

―今回劇中で使用された新曲についてお聞かせください。

福山さん「(ミレーヌ・ジーナスの歌担当の)チエ・カジウラさんと一緒にスタジオに入ることはあまりなかったですが、今回は3年前にFBでレコーディングしたのと同じようにデュエットソングとして一緒に収録しましたので、作っている感覚があって楽しかったです」

―福山芳樹として歌うのとバサラとして歌うのは違いますか?

福山さん「18年前の当時は監督に1度くらいしか会わずに歌ったので、どのようなキャラで歌う、という意識はなかったです。ですので今回もその気持ちのままで歌いました」

アミノ監督「私の中でもこれまでの積もる想いがありまして、新曲を聴いた時に涙が出ましたね」

―中島さんも、FBの歌を新曲として歌われました。

中島さん「福山さん、チエさんと歌が重ねられるなんて、しかもCDになるなんて信じられないです。伝説を残し続けているFBのメドレーをカバーする、ということで、May’nと一緒に『私たちにしか出せないものをファンの皆さんに、そしてバサラとミレーヌに伝えよう!』という気持ちで歌いました」

アミノ監督「30周年なので、私だけの想いだけではなく、スタッフの意見も取り入れて、ラストのカウントダウンに至りました。
理性のある人にはここまで短く編集することはできないと思います(笑)。でもとても楽しんで作業させていただきました。『マクロス7』を知らない人にこういう作品だよ、と教えてあげようと思いますが、説明できない作品だよ、というのを説明した感じです(笑)」

―熱気バサラは、遠藤さんから見てどんなキャラクターですか?

遠藤さん「スクリーンで観ましたが、アフレコの時は思わなかったくらいバサラがカッコよく、『頑張っているな』、というよりも『気持ちよく歌っているな』、というのが伝わってきました。
『マクロス7』をリアルタイムで観ていた世代なので改めて観てみると、昔はあまり惹かれなかったのに、今はそのまっすぐさがとてもいい、というように印象が違っていて面白いです。カッコイイと思いました!」

―本作の見どころをお願いします。

遠藤さん「最後のライブシーンです。『マクロスF』のメンバーがFBの歌を歌うまでのイントロ、という意識で本作を観ていただくとまた別の楽しみ方ができるかも知れません」

中島さん「色々なところにキャラのセリフや表情の変化に気持ちが高ぶっていくのがすごく見てとれると思います。
ランカも『FBってお兄ちゃんの好きなバンドなんだよね』というところから始まり、そこから魅力にとりつかれるように、バサラたちがいかに人の心をつかむ存在なのかというのが分かってもらえると思います」

福山さん「バサラが歌いながら殴られたり、スピリチュアルを吸われたりして、声が変わるんですが、その高い技術に注目して欲しいです」

アミノ監督「本作は1回観ただけでは不十分で、繰り返し観ていただくことで意義が出てくると思います。
本作は映画ではありません。ロック・ショーと呼んでいますが、『ここでこの曲が始まった』というのをリフレインすることで満足できないと、観たとは言えないと思うんです。
是非何度も見ていただいてその魅力を存分に味わっていただければ幸いです」

そして、登壇者一同よりファンに向けてメッセージが送られた。

福山さん「僕は『尊敬しているミュージシャンは誰ですか?』と聞かれたら『熱気バサラです!』と即答します。それくらい大好きな作品ですので、皆さんも愛してください」

中島さん「長い『マクロス』シリーズの歴史の中で、ランカとしても、中島愛としても『マクロスワールド』の中にいられること、そしてたくさんの方に出会えたことが本当にありがたいです。『マクロス FB7』、そして『マクロス』シリーズ全てをこれからも愛してください。よろしくお願いします!」

遠藤さん「私が子供の頃にFBの歌をお茶の間で聴いていたのと同じように、『マクロスF』のメンバーがそれを見ている、というシチュエーションがとてもうれしかったです。スタッフ、キャストのみんなも『マクロス』シリーズが大好きで、今後もつながっていくことを望んでいますので、皆さんも応援し続けてください!」

アミノ監督「作品作りには可能性がとても大事で、久々に『マクロス』という作品に関わり、その可能性を模索することができましたので、僕としては大満足でした。
皆さんも作品の可能性を愛してください!」

最後は「俺の、私の、歌を聴け!」と会場にいる全員で叫び、大きな拍手の中で舞台挨拶は終了した。

<Text/ダンディ佐伯>

●『マクロス FB7 オレノウタヲキケ!』作品サイト
http://www.macross30.com/fb7/