あらゆる声の職業で活躍する面々が集結!「『伏 鉄砲娘の捕物帳』舞台挨拶付き特別試写会」レポート

By, 2012年10月16日



2012年10月20日(土)より全国公開される『伏 鉄砲娘の捕物帳』の先行試写会が10月16日(火)東京・テアトル新宿で行われた。
上映前のトークショーには原作者の桜庭一樹先生、浜路役・寿 美菜子、信乃役・宮野信守、滝沢馬琴役・桂 歌丸師匠、世四郎役・劇団ひとり、主題歌「蝶々結び」を担当したChara、宮地昌幸監督が登壇。

完成した作品を観て、桜庭先生は「すごく気に入りました。ノワールかつバイオレンスな部分があり、後半に向かっていくに従って監督の地が出ていたように感じました。
自分の芸術と、映画の作り手の芸術が混ざってできた作品になっていて、すごく嬉しかったです」と喜びの声。
それに対し宮地監督は「先生の作品を意識して制作したので、お褒めの言葉がすごくうれしいです」と応えた。

 
寿は浜路について「ボーイッシュに見えますが、PVを録らせていただいた時に監督から『かわいい女の子でいいよ』とアドバイスをいただいて。その後本編収録に向けて役作りをしていきました」、


宮野は信乃について「人の世で自分の存在を伏せて生きているので感情を表に出さず、ヴェールがかかっている印象を持っています。
浜路によって心の底をくすぐられて、人間味がにじみ出てくるというところを魅力的に演じられれば、と思っております」
とそれぞれコメントした。


これが声優の仕事は初という歌丸師匠は「声優さんは本当にすごい技術を持っていると思っていました。ですから、『自信がありませんので……』と断ろうと思いましたが、監督さんから『付きっきりで指導します』と言われて、しぶしぶ承諾しました(笑)。
指導のおかげでようやく馬琴らしい馬琴になったのではないかと思います」と語り、


同じくゲスト出演、アフレコ経験が豊富な劇団ひとりは「アフレコが思いのほか早く終わったので、『出番が少ないのでは?』と思わず思ってしまいました(笑)。酒好きで女好きで、ということで、事前に役を作っていったら、監督から『もうちょっと普通で大丈夫ですよ』と言われてしまいました(笑)」と対照的に語った。


主題歌を担当したCharaは「最初にお話を聞いた時『何で私が?』と思いました。私は仕事をする上で、人と人との関係を大事にしているのですが、今回も上手くいくかどうか不安でした。
しかし、監督さんからラブコールをいただきまして。映画には滝沢馬琴の息子の妻である『お路』という役でも出演させていただきましたが、実際に演じてみて、とても新鮮でした」と語った。


歌丸師匠とCharaについて、宮地監督は「声を使う仕事をしている、という共通点があっていいな、と思いました」と語った。
また、アフレコ収録について「浜路と(宮本佳那子演じる)冥土、二人の男の子っぽさと女の子っぽさがうまくコントラストになれば、と思いました。夏場に一度、皆さんにスケジュールを合わせていただき、親交を深めていただく意味も込めて一緒にアフレコに臨んでいただいたのですが、学生時代の合宿をしているような気分になりました」と制作秘話を語った。

そしてアフレコ現場に足を運んだ桜庭先生は「例えば信乃の場合、宮野さんの明るくて前向きで純粋な演技に対し、ディスカッションをしながら少しずつ変えていくのを見まして。
脚本の大河内(一楼)さんの設定に監督の男っぽい意見が混ざって、複雑な1人のキャラクターが出来ていくのを目の当たりにしました。小説は一人で書いていくものなので、『きっと演劇や舞台も同じように出来上がっていくんだろうな』と思い、興奮してしまいました」と当時の心境を語った。

<Text・Photo/ダンディ佐伯>

上映館などの詳しい情報は公式サイトをチェック!
●『伏 鉄砲娘の捕物帳』公式サイト
http://fuse-anime.com/