―今回、『フルール・ラフィネ』という企画を立ち上げた意図を改めて教えていただけますでしょうか?
ドン・マッコウ:私は元々女性向け作品を制作して「コミックマーケット」などで売る、ということもしていたのですが、ボランティアとして働いてくれていた男性スタッフから「俺たちにもご褒美をくれ」と言われまして(笑)。同年代の声優さんとやりとりすると楽しいんじゃないか? ということもありまして、仕事を頑張る皆さんの応援歌的な意味も含めたいと思い、制作することにしました。
―今作ではパン屋が舞台ですね。
ドン:自分が「素敵な女性と会えるような気がするので、パン屋で働いてみたい!」と思ったからです。言わば「男はいつも女子校の担任に憧れる」、ということです(笑)。
―主人公の若者が言葉を話さない設定にしたのはどのような意図が?
ドン:主人公をなるべくそばにいるような感覚にしたい、と思ったからです。
見えない主人公が、女性に勇気づけられる、という物語にしたかったんです。
―ではキャストの皆さんに質問です。今回の収録の感想をお聞かせ下さい。
上条妙子役・井上喜久子さん(以下、井上):妙子はおっとりしている天然さんです。おっとりしてはいるのですが、時折「そんなこと言っちゃっていいの!?」という発言があります(笑)。自分としましては、とても演じやすい役でした。
君島紗江役・日髙のり子さん(以下、日高):妙子の役は井上さんだろうな、というのは、キャラクターの設定を見て、すぐに分かりました(笑)。
井上:日髙さんと佐久間さん、二人の演技を聞いていると、まるで自分が主人公の男の子になったかのような気持ちになれるのが面白かったです。
皆さんも、主人公の気持ちになってもらえる作品だと思います。
星川里佳子役・佐久間レイさん(以下、佐久間):里佳子は元ミスコンの美人店長、ということですが、私自身の実像とは違います(笑)。
年齢を重ねていき、大人の女性をそのまま演じる、ということがあまりない
ので新鮮でした。
街にあるパン屋一つでも様々なドラマや人間関係があるんだ、というのを感じて欲しいと思います。
日髙:紗江はサバサバした性格なのですが、今作は当て書き(あらかじめキャストを決めておいて、それに合わせてキャラクターの設定を作る、という手法)が用いられた作品だと聞きましたので「私は周りからこんな性格だと思われているんだな」と思いました(笑)。以前、現場で声優さんに「あなたほどサバサバしている人はいない」と言われたこともありますので、心当たりがないわけではないですが(笑)。
なので、実際に演じる際に「ここは独り言をつぶやいてみよう」など自由な発想ができました。
佐久間:舞台となっているパン屋ですが、私は別作品でもパン屋に関連するキャラクターを演じることが結構ありますので「パン屋づいているのかな?」と(笑)。
ドン:日髙さんには僕の気持ちを特に乗せてしまったかも知れません(笑)。「人生はいつからでもやり直しがきく」というメッセージを込めて制作しました。
日髙:ラジオ番組でもよく悩みに関するおたよりをもらうので、このCDを聴いていただくと、そんな方々にも元気になってもらえるのではないかと思います。
佐久間:私は洋画の吹き替えから声優のキャリアが始まったのですが、男性声優の先輩に「色気ってのは、ないものはないんだよ」と言われたのを覚えています。
別の作品で、その手のセクシーな役をいただいた時に「無理なのに……」と思いました(苦笑)。
日髙:今となっては一番セクシーなのはレイちゃんだもんね!
ドン:一番女子力があるのは井上さんかな。現場のみなさんにお菓子を振る舞ったりしてくださいますし。
井上:いえ、何も考えていないだけです(笑)。
佐久間:でも、こういうメンツで収録できるのは楽しいですね。
―三人で一緒に仕事をする、ということは普段はあまりないのですか?
井上:この中の二人が現場で一緒になったり、ということは結構あるのですが、三人揃ったことは、もしかしたら
今までにあまりなかったかも知れません。
日髙:これを機会に三人で色々な現場に営業に行ってみたいですね。大人向けユニットとしていかがですか(笑)?
―今回の収録ではダミーヘッドを使用していますが、使用した感想をお聞かせ下さい。
井上:使い慣れない部分があり、指示を色々と受けながら、近づいたり離れたり、まるで舞台劇のように収録しました。是非ヘッドホンで聴いて欲しいですね。
日髙:以前使ったダミーヘッドは形や色がちょっとおかしくて思わず笑って
しまいましたが、今回のヘッドはカッコよくて、思わずあだ名もつけてしまいました(笑)。
佐久間:感情をマイクに向かってつくるのは大変ですが、ダミーヘッドを使うと、かなりやりやすいですね。
―ところで、パン屋さんの名前が「アネモネ」ですが(井上さんの事務所と同じ名前)、深い意味は……?
ドン:実は偶然なんです。スタッフのみんなでお店の名前を決めよう、ということになり「アネモネっていいね!」となった後、そう言えば喜久子さんに役をお願いしていたな、となって(笑)。
井上:「アネモネ」という花からは、どことなく昭和の時代を想像できるような、ちょうど作品に合ったお花なのかも。
日髙:とてもいい響きの花だと思います。
佐久間:「どくだみ」とかだったら嫌ですもんね(笑)。
―最後に、ファンの方にメッセージをお願いします。
ドン:今回お願いしたキャストさんはみなさん存在感があって、キャラクターのイメージがとてもつかみやすかったんです。
お姉さんたちが元気づけてくれたり励ましてくれたり、そして恋に落ちたりしますので、是非楽しんで聴いていただきたいです!
井上:三人のお姉さんたちを中心に、笑いがあったり、キュンとするところがあったりする物語が展開します。
深い要素も散りばめられていて、疲れている人、寂しい人に聞いてもらうと、温かい気持ちになってもらえると思います。応援よろしくお願いします!
佐久間:その時の気分に合わせて三人からチョイスしてもらい、是非ヘッドホンを使って聴いてもらって作品の世界にハマって下さい!
日髙:「まだ自分には早い」と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、そんなことはありません(笑)!
20年前のヤングヒロインに慣れ親しんでもらった方には、成長した私たちの姿を感じていただきたいと思います!
<Text/ダンディ佐伯>
【CD概要】
Fleur raffinee パン屋さんで働こう~Welcome to the baker anemone~』
発売日:2012年11月発売予定
品番:TRCD-10131
価格:2500円(税込2625円)
原作/脚本:ドン・マッコウ
発売元:TWOFIVE RECORDS
販売元:有限会社ツーファイブ
星川里佳子(CV:佐久間レイ)
パン屋”アネモネ”を切り盛りする、優しい性格で大人の色気が漂う女性オーナー。
上条妙子(CV:井上喜久子)
おっとりした雰囲気の天然タイプ。レジ打ちのパートとして働いている。
君島紗江(CV:日高のり子)
里佳子の良きパートナーであり、お店の配達係を仕切る勝ち気な女性。
●『フルール・ラフィネ』公式サイト
http://www.fleur-raffinee.jp/
☆『ファミ通.com』にもインタビューが掲載!
●ファミ通.com
http://www.famitsu.com/news/201209/27021963.html