本CDはオムニバスストーリー仕立てとなっており、登場鳥類たちの通う学校・聖ピジョネイション学園の夏休みを切り取った「朔夜の視察」や「HolidayStar」からの初登場となる錦小路斗織に焦点を当てたエピソード「アーティスティック鳥質作戦!」、埋音陽鳥と藤代嘆のエピソード「心配性の陽鳥」などが収録されている。どれもコメディタッチの話となっており、「鳥」たちがくり広げている姿を想像すると思わず「くすり」と笑ってしまうこと間違いなしだ。
華原涼太役の浅沼晋太郎さん、岩峰舟役の子安武人さん、坂咲優夜役の遊佐浩二さん、緋紅アンヘル役の櫻井孝宏さん銀朔夜役の石田彰さん、七姫一明役の野島裕史さん、藤代嘆役の斎賀みつきさん、尾呼散役の若本規夫さん、錦小路斗織役の三木眞一郎さんのインタビューをお届けしよう。
――最初にドラマCDの収録を終えてのご感想をお願いします。
浅沼晋太郎さん(華原涼太役/以下、浅沼):今回は、僕が前作の収録時にうっかり「こんなお話が見てみたい」と言ったことを実現して頂いてます。うっすら聴いてはいたのですが、実際にどう描かれるかは台本を見るまでは知らなかったので、ドキドキしつつも楽しみながら収録させて頂きました。涼太は意外と疲れるんですが(笑)、それ以上に楽しめましたね。
遊佐浩二さん(坂咲優夜役/以下、遊佐):今までは茶化すというか、誰かをからかっている、遊んでいる立場の方が多かったのですが、今回はばたばたしているのを取り押さえる側だったので、お話として成立させつつ微妙なニュアンスを残すというのが大変なところでした。また岩峰先生とはそんなに会話したことがなかったので、どう接していいのか迷いながらの収録でした。
櫻井孝宏さん(緋紅アンヘル役/以下、櫻井):今作も病んだり転がり落ちたりと、見せ場たっぷりでした。皆さんには是非、生バトを見ながら聴いていただきたいです。そうすると、「すごい作品」だということがより分かっていただけると思います(笑)。
子安武人さん(岩峰舟役/以下、子安):僕も通常運転でした(笑)。新キャラクターが登場しましたが、とくにからむこともなく、今後もこういう立ち位置で進んでいくのかなと思いました。あと今回は岩峰の若い頃を演じました。
石田彰さん(銀朔夜役/以下、石田):今回は言いあいをする相手の鳩が側にいなかったので、収録は大変でした(笑)。
野島裕史さん(七姫一明役/以下、野島):僕は鳩ではなくヒメウズラのキャラクターを演じているので、収録中もずっと頭にヒメウズラを思い浮かべながらやりました。ですが、それが非常に難しくて途中からウズラの姿が消えて、普通の人間として演じました(笑)。
斎賀みつきさん(藤代嘆役/以下、斎賀):今回は珍しいことに、朔夜くんともお話することができてうれしかったです。緋紅くんが横にいたためだと思いますが、いつもなら「本が宙に浮いているぞ!」と、ぶーぶー言っている朔夜くんと話せるなど新しい展開があったので、いつも1人でさみしく図書室にいる嘆くんがみんなと一緒に行動していくようになったのはうれしかったですし、楽しかったです。
また、今回はある人のまねをやりました。このトラックがどういう風な展開になるのか、私も楽しみですしみなさんにも楽しんでいただけたらいいなと思います。
若本規夫さん(尾呼散役/以下、若本):とにかくセリフが難しかったです。これはどう言おうか、と考え込むと言いにくいのでテンポよく、尾呼散らしくセリフを運んでいきました。ほかのキャラクターのセリフは起承転結のあるきちんとしたセリフなのですが、尾呼散はユニークで突拍子もないセリフばかりで、リズムに乗りにくくて難しかったです。僕はCDの通りに演じましたが、ほかの人がやったらどんな感じになるのか聴いてみたいですね。
三木眞一郎さん(錦小路斗織役/以下、三木):「こんなふう」になるとは思ってもいませんでした。こんなふうがどんなふうかは、聞いていただいたらわかると思います。大マジメに、やっているんですけどね。
――ご自身が演じたキャラクターのご紹介をお願いします。
浅沼:すごくいい子ですが、ときどき悪意なく辛辣な発言をするツッコミキャラであり、ボケをスルーするなど高度なテクニックを持ってます。今まで堅物や熱血など、いろいろなツッコミキャラを演じてきましたが、いい子でありながら、ズバッとぶったぎることができるツッコミキャラは初めてだったので、演じていて楽しいです。翼を動かしながらツッコむ姿を想像しながら演じています(笑)。
子安:僕は鳩じゃなくてキジです。秘密兵器、奥の手といったポジションです。何か困っているときに登場するおいしいキャラクターで、不遜で、無敵で、傲慢で、嫌なやつで……。今のところ、いいところが見つかっていないですが、彼はそういうところが逆にいいのかなと思います。こんな態度とってるけどじつは……、とか2人きりになったら……とか想像させるところが彼の魅力なんだろうなと思います。
遊佐:優夜は毎回、役割が違うところが見せどころかなと思います。また、弟である朔夜に今回も階段から落とされました。鳩なんだから飛べばいいのにと思うのですが、あえて飛ばないところが律儀でいいやつです。あと、じつはエージェントだというのを今回知りました。
櫻井:自分の世界に生きる魔界の住人ですね。
一同:(笑)。
遊佐:もうちょっとわかりやすく説明してよ。魔界の住人って?
櫻井:流行りの、「中二病」というやつです。基本、会話が成立しないキャラクターですが、周りが汲んでくれるおかげで成り立っています。不思議と放っておかれないので、それなりにいいところがあるのかもしれません……僕はまだ発見出来てませんが(笑)。
石田:銀朔夜は、エリート意識を丸出しにしている鳩です。外国出身の鳩という尊い鳩をやらせていただいていますが、彼は普段、僕が言わないであろう「自分は選ばれた民である」というような発言をするため、ドバトのような平民の僕としてはそういうセリフを言う体験ができてうれしいなと思っています。
野島:さきほども言いましたが、七姫は鳩ではなくヒメウズラです。ヒメウズラってどんなウズラなんだろうと思って調べてみたら、普通のウズラの半分くらいの大きさしかありません。おそらく卵もみなさんが召しあがっているウズラの卵よりも小さいのだと思います。そんな小柄なヒメウズラの七姫は非常にゆったりとして、ほわっとしていて癒し系な雰囲気の鳩です。
斎賀:嘆くんはナゲキバトという鳩の一種で、色もきれいでかわいらしい鳩だなと思いました。ですが、じつは生きている鳩ではなく、幽霊鳩なので図書室にしか出没しません。普段は華原くんにだけ見えているので、彼とだけ会話をしています。地味な鳩で、淡々として感情を表に出さないのですが、本当は心のなかでは笑っていたり怒っていたりという感情の動きみたいなものはあるんじゃないかなと思います。
若本:今回の「第二羽」のジャケットに起用されている鳩が尾呼散です。かわいい見た目なので、やらせていただけて光栄です。彼は語尾が「~し」で終わるのが特徴ですが、じつは結構言いにくいです(苦笑)。性格的には、自分のペースで「~ですし!」と決めつけて、人の言うことを一切きかずにわが道を行くタイプです。また、テンションが高いので絶好調男です(笑)。
三木:過去に、岩峰舟こと伊佐奏真に対して恨みを抱く出来事があり、それを抱えながら生きてきたキャラクターです。それから、常に上から目線の鳥です。一応「週刊ゴールデン」という雑誌の編集長なのですが、本編ではあまりクローズアップされていません(苦笑)。
――登場キャラクターは「鳥類」ですが、演じる際に心がけていることやこの作品ならではの苦労などがありましたら教えてください。
浅沼:鳥ということにあまり関係がないんですけど、涼太ってこんなに声のトーンが高かったっけ?と、久々にやってみて思いました。僕が演じるキャラクターのなかで、長いセリフを話すキャラクターとしては一番高い声なんですよね。あと、ツッコミキャラはうるさくなったり暴力的だったり、少し印象が悪く思われてしまうことがあるのですが、涼太はそう聞こえないように気を付けました。
子安:岩峰はちょっと偉そうな感じで、どことなく不気味な要素を少しだけ入れるように演じています。
遊佐:あまり深く考えすぎないことです。まともな会話をせずに軽く返すようにしていますし、今回のやりとりも真剣にやると普通になってしまうので、彼のスタンスを崩さずに演じることを心がけました。
櫻井:彼の言葉が、そのまま彼の生きている世界です。魔界を具現化させるべく、ノリと勢い、そしてテンションの高さを維持することを心がけてますね(笑)。そうすれば、あとは周りがなんとかしてくれます!
石田:大前提として自分が演じているのは鳩というのはわかっていますが、あまり意識してはいません。人として演じています。
野島:今回のドラマCDのなかで苦労したことを言えば、歌を歌ったのでそこが苦労した点ですね。台本には「哀愁のある感じ」と指示が書いてあったので、歌いだす直前までは3拍子をイメージしていたのですが、本番では4拍子で出てしまったので動揺しながら歌いました。アドリブで歌うのは難しいですね。まぁ寝ぼけているキャラクターなので、なにをしても許されるかな(笑)。
斎賀:自分のなかで嘆くんというキャラクター、世界観が根付いてきますので、苦労というよりも楽しさのほうが多かったです。
若本:かわいい鳥という設定があるので、かわいさを出すことを忘れずに演じました。CDを聴いたみなさんにかわいいと思ってもらえるように心がけました。
三木:鳥だからどうこうというところはなく、いつも通り臨みました。
――ありがとうございました。最後に、ドラマCDの発売を楽しみにしている方へのメッセージをお願いいたします。
浅沼:各キャラクターをピックアップしたショートストーリーがいくつも収録されているので、個性豊かなキャラクターの一番見てほしい部分がより濃く表現された構成になっていると思います。今まで好きだった鳥に関してはより深く、あまり気になっていなかった鳥には新たに興味を持って頂ければ幸いです。
また、普段公の場ではあまりやらないことを全員がしています。めったに聴けないものが聴けるのですが、聴いたらすぐに記憶から消して頂きたいなと思います(笑)。たっぷり楽しんでください。
子安:擬人化された姿ではなく、リアルな鳩がしゃべっていると思って聴いてもらうと本当におもしろいと思います。みんなかっこよくしゃべってますけど、鳩ですから(笑)。階段からころげ落ちる姿をリアルな鳩で想像すると、「飛べばいいじゃん!」って思うんですけど、それを飛ばない鳩の姿で想像するだけでもおもしろいはずです。
みなさんのイマジネーションで、このドラマCDがとてつもなくおもしろくなると思いますのでぜひ想像しながら聴いてください。
遊佐:みなさんの応援があって、第二羽が発売されます。これから、どんどんカオスな世界になって行きそうで怖いですが、今後もぜひ応援してください。また、第二羽からお聞きになる方は少ないかと思いますが、もしそういう方がいらっしゃったらプロローグCDから聞いていただきたいなと思います。
なぜなら、前作までの説明を一切せずにドラマがはじまりますので! プロローグCD、第一羽、そして第二羽と聴いていくことで『はーとふる彼氏』のドラマCDを初めてフルに楽しめるのではないかと思います。ぜひ全巻聴いて下さい。内容的にはとんでもないことになっていますが(笑)。
櫻井:人生でこんなにハトについて考えたことはありません……嘘です(笑)。個人的には有明ラグナロクが気になっています。「有明ラグナロク編」を描いてほしい……?これからもハトハトしている「はーとふる彼氏」を楽しんで下さい。
石田:朔夜はこれまで通りです。とくに変化したところはありませんが、ドラマCDとしては新キャラクターが登場してますます世界が広がっていきますので、お楽しみに。
野島:世界うん億人の鳥ファンのみなさん、今回もみなさんの大好きな鳥が多数登場します。鳥たちの楽しいお話が満載なので、ぜひお買い求めいただいて、何度でも聴いて下さい。よろしくお願いします。
斎賀:今回は、かなり突拍子もないことが起きていますのでお楽しみに!そして、これからもファンのみなさんとともにこの作品を盛り上げていって、さらなる発展をとげることができたあかつきには、またかかわれたらいいなと思います。
若本:言いにくいセリフが多い尾呼散を一生懸命やりましたので、ぜひ聴いて欲しいです。にぎやかな鳥類たちの学園生活を楽しんでください。また、自分だったらどのキャラクターを攻略したいか、というのを考えながら楽しんでいただければと思います。
三木:個性の強い方たちが出演していますので、みなさんに楽しんで頂けると思います。こ今後もみなさんの期待を裏切らないような作品展開をしていくと思いますので、これからも応援してください。
【CD概要】
『はーとふる彼氏 ドラマCD 第二羽』
発売日:2012年8月10日(金)
※コミックマーケットにて先行発売。9月12日(水)から一般発売予定
価格:3,150円(税込)
発売元・販売元:フロンティアワークス
<キャスト>
華原涼太:浅沼晋太郎
銀朔夜:石田彰
尾呼散:若本規夫
七姫一明:野島裕史
岩峰舟:子安武人
坂咲優夜:遊佐浩二
藤代嘆:斎賀みつき
緋紅アンヘル:櫻井孝宏
錦小路斗織:三木眞一郎
★「はーとふる彼氏 公式ファンブック(仮)」発売決定!
一迅社より9月発売予定。詳細は公式サイトにて。
★『はーとふる彼氏』ドラマCD&コミックス コラボレーション決定!
2012年8月10日(金)にコミックマーケット82で先行発売される『はーとふる彼氏』ドラマCD第二羽と同日更新されるWEBコミック『はーとふる彼氏』(竹書房様連載)のコラボレーションが決定!
ドラマCDとコミカライズの内容は互いにリンクしています。CDを聞いてからコミックを読むか、それともコミックを読んでからCDを聞くか。もちろんどちらも玻都もあ先生の描きおろしコミック&書き下ろしシナリオです。ご期待下さい!
●「はーとふる彼氏 ドラマCD」公式サイト
http://www.fwinc.co.jp/hatoful/
●「はーとふる彼氏」作品公式サイト
http://clione.halfmoon.jp/hatoful-boyfriend/
(C)玻都もあ