原宿が騒然!新装直後のニコニコ本社でプロレス団体が大暴走!?

By, 2012年7月31日




7月5日(木)に原宿のニコニコ本社ビル内で、プロレス団体DDTがプロレス興行を行い、その模様をniconico生放送で配信した。

ももいろクローバーZのライブと放送時間が重なるなど、人気番組の裏という不利な状況ではあったが、来場者数は実に12,000人に上り、知名度の低いプロレス団体の放送とは思えぬ驚異的な結果を残した。

 

今回の会場となったニコニコ本社は「ユーザー達の遊び場」として開放されており、イベントスペース色の強い施設ではあるが、スポーツや格闘技イベントの開催は初の試みとなる。

今回のイベント開催のキッカケについてDDT担当者はこう語っている。
「ニコニコ本社が改装され、niconicoユーザーのどのようなイベント需要にも応えると豪語していた。ならばniconicoに公式チャンネルを持つ我々もniconicoユーザーなのだから、使わせて貰う資格があるのではないかと思い、担当者と交渉した」
その結果、あまりに予想外の問い合わせにniconico側の担当者が呆気に取られてOKしてしまい、そこから数日でトントン拍子に開催日を迎えてしまったようだ。

イベント前にニコニコ本社からの「これだけは絶対にNGだ」という注意が数点あったようだが、実際の試合ではレスラー達が臀部を露出した放送コードギリギリの姿で殴り合いをし、階を移動してグッズショップ店内で商品のniconicoグッズ(2,525円相当)を片っ端から凶器として投げ付けるなどして乱闘、また屋外部分では階段落ちや自動販売機からのダイブなど、とても約束事を全て守ったとは思えぬ破天荒な内容となった。

この点についてDDTとニコニコ本社の各担当者に問い合わせてみたところ、DDT側は「我々は商店街・本屋・廃墟・工場・キャンプ場と、リングを置けない場所で何度もプロレスの大会を成功させた実績があります。その際に器物破損やルール違反といった迷惑行為は起こしておりません。今回もニコニコ本社側からの諸注意を全て守った上で戦わせて頂きました。」とのこと。
しかしニコニコ本社の担当者は「一部、いや何箇所か非常にマズイ場面がありました。近くDDT様とお話させて頂こうと思っております」と少し意見が食い違っている。

どちらの言い分が正しいのか部外者には解らない事ではあるが、このニコニコ本社プロレスが突き抜けてバカバカしく、だからこそ感動を呼ぶ楽しい催しであった事は間違いない。イベントの立会人として参加した強面で知られるミリオン出版の久田将義氏は「見た人を明るい気持ちにさせてくれる見事な大衆演芸でした。ぜひ2回目を開催すべきです。」と強く肯定。niconicoユーザー達からも、次回を望む声が多く寄せられている。

●『リニューアルしたニコニコ本社はプロレスもできる!』
原宿の竹下通りからほど近い場所にあるニコニコ本社で、7月5日(木)にプロレスの大会が行われた。6月30日(土)に改装工事を行なってリニューアルオープンしたばかりのニコニコ本社は、これまで以上に「何にでも使える」をコンセプトにしており、それを聞きつけたプロレス団体DDTが「じゃあプロレスもやれるよな?」と挑発気味に交渉を持ちかけ、それを受けてニコニコ本社も「やれるもんならやってみろ!」と、売り言葉に買い言葉が現実となってしまった模様である。

今回プロレスを行ったDDTは、1997年に設立された意外と古い団体で、新団体が立ち上がっては潰れる昨今のプロレス業界においては(一般の知名度的はいまひとつなものの)歴史でも観客動員数でも日本有数のプロレス団体だ。その証拠に毎年両国国技館を満員にし、今年8月には武道館大会も開かれるそうで、現在このような大会場で定期的に興行を行えるプロレス団体は片手で数えるほどしかない。

そんなDDTのウリは、人形や脚立や透明人間がタイトルマッチを行うといった、他団体では絶対にやらない深夜番組的な試合内容で、演劇やお笑いの要素を多分に盛り込んだバラエティ豊かなエンターテイメント性は、TV制作者達からも注目されている。
団体いわく「プロレスとは何を指す言葉なのか?」をマジメに突き詰めた結果そうなってしまったとのことで、過去には商店街・キャンプ場・本屋・廃墟・マンションと、リングが置けない場所でも観客が納得するプロレスショーを開催し続けてきたそうだ。とはいえ学生サークルが身内ネタで騒いでいるようなノリではなく、レスリングやキックボクシングといった技術的背景のある選手が「あえてそれをやっている」という点が高い評価を集めているポイントである。

年配のプロレスファンには馴染みのない団体であろうが、力道山・馬場・猪木といった往年のスターと全く関係のない若者達が、独自解釈のプロレスを世間に発信し、力の衰えたプロレスというジャンルを今の時代に合った新しい形に蘇らせようとしているのだ。

対するniconicoも「面白ければ何でもいい」が基本コンセプトになっており、DDTファンとniconicoユーザーの感性の近さは以前から指摘されていたそうで、今回のニコニコ本社プロレスは「両者の立ち位置の確認作業」という意味合いも強かったのではないだろうか?

 

さて試合当日、原宿の裏通りにあるニコニコ本社では、事前告知として街頭ビジョンにDDTの過去の試合が流され、道行く若者達が物珍しそうに立ち止まって見物し、時折爆笑が起こるという場面が見られた。その後21時にニコニコ本社プロレス本編が開始されると、レスラー達が何故かお尻を出した状態で次々とニコニコ本社の屋外部分に飛び出し、3階建ての建物全てを使って乱闘を繰り広げた。特に破天荒だったのは、1階部分に長机を立て、対戦相手をその上に寝かし、目の前のジュースの自動販売機の上からダイブした場面。この騒ぎにニコニコ本社周辺のビルの窓には、何事かと様子を伺う人影が多数見られた。

 

当初は「ニコニコ本社の2階イベントスペースでのみ試合を行う」と告知されていたのだが、このような何が起こるかわからないスリリングさも、DDTが無名ながら15年も経営を続けてこられた理由と言えるだろう。プロレスに詳しい人物によると、最初はDDTの娯楽番組的なノリに批判的であっても、気付くと古いタイプのプロレスからDDT流のプロレスに乗り換えるファンも多いらしく、会場へのリピート率の高さは業界屈指の数字なのだそうだ。

 

試合後のトークイベントには、格闘技やアウトロー社会に詳しい事で知られる久田将義氏(ミリオン出版・実話ナックルズ発行人)が参加し、DDT代表の高木三四郎氏とDDTの歴史について語り合った。その中で久田氏が「世間に風穴を開けようという気持ちを感じる」とDDTを高く評価すると、高木氏は「風穴は開けていると思うんですけど、開けすぎてあちこちから怒られてばかりです」と返す。今回のイベントでも怒られそうな場面が多発したが、ぜひ2回目の開催に期待したい。

そんなDDTの過去の試合はニコニコ動画で公式チャンネル DDTプロレスアワー( http://ch.nicovideo.jp/channel/ddtpro )で視聴可能!

今回出場選手の試合や、路上でのプロレスの試合のみならず、脚立がチャンピオンの試合などバラエティ豊かな動画が見れます。
(※動画は無料/有料ございます)。
プロレス・格闘技にあまりなじみのない方々でも楽しめる動画なので、これを期に一度見てみるのもよいのでは?

●DDTプロレスリング 公式サイト
http://www.ddtpro.com/