渋谷でユニコーンがオーケストラと共に!「GUNDAM LIVE ENTERTAINMENT 機動戦士ガンダムUC FILM&LIVE 2012 Reader’s Theater “hand in hand”」レポート!

By, 2012年5月22日



2012年5月13日(日)、東京・渋谷のBunkamuraオーチャードホールにて、OVA『機動戦士ガンダムUC』のライブ&上映イベントが行われた。

本作は、福井晴敏氏の同名小説をアニメ化したもので、劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』から3年後の世界を描いている。2010年に1作目「episode 1」のイベント上映やWeb配信、BD&DVD販売がスタートした人気シリーズだ。

今回のイベントでは、藤村歩さん(ミネバ役)、内山昂輝さん(バナージ役)、浪川大輔さん(リディ役)、池田秀一さん(フロンタル役)による朗読劇と、なんと最新作『機動戦士ガンダムUC』「episode 5」の先行イベント上映も行われた。
しかも朗読劇は、キャラ別のパートに分かれ、アニメでは描かれなかった、「episode 5」に至るまでの各キャラの心情を展開。BGMには、音楽家・澤野弘之氏が率いるオーケストラの生演奏が加わり、各パートの終わりには、本作の挿入歌を歌うCyuaさん、小林未郁さんのライブもあるという豪華版。構成は、福井氏自らが手がけている。

会場いっぱいの観客達は、重厚で大迫力な演奏、キャスト達の熱演を一身に浴び、時には固唾を飲んで見守り、時には大歓声を上げて喜んでいたぞ。

●ミネバとバナージの想いがここに!

最初の「ミネバ」パートでは、スクリーンに『ガンダム』シリーズ劇中の、1年戦争、ネオ・ジオン戦争のダイジェストが映し出され、ステージには、藤村さん、池田さんが登場。
ミネバは、「最後に手を繋いだのはいつのことだったろう」と幼少の頃を思い出し、「episode 1」で単独行動する中や、バナージと出会った頃を語っていく。

藤村さんの熱い演技に、オーケストラによる「0-G:EP1」「0001」といったBGMも加わり、劇中では明かされなかった、ミネバの想いが形になっていった。そして、このパートのEDともいえる、Cyuaさんが歌う「A LETTER」も心地良く響いていた。

続く、「バナージ」パートでは、スクリーンに、バナージがユニコーンガンダムに乗り込み、父と別れるシーン(「episode 1」)が映し出される。
ステージには、内田さんが現れ、「最後に握ったあの人(父)の手は、ひんやりとするほど冷たかった」とつぶやいていった。
ここではバナージの、父のことを話してれなかった亡き母への想い、オードリー(ミネバ)と出会ったこと、ユニコーンガンダムに乗り込む決意を語っていく。ここでも、BGMの「DESERT」や、小林未郁さんが歌う「EGO」が、ドラマを盛り上げていた。

●リディとフロンタルの想いはドコへ?

3つ目の「リディ」パートでは、浪川さんが登場。「リディはミネバと手を繋ぐ機会がなかった」という。ミネバの存在は大きく、そんな彼女への想いをつづっていく。そして同時に、バナージの存在も大きかった。彼の能力を認めつつも、彼さえいなければという、嫉妬心がうずまいているのだ。そんなリディを浪川さんは熱く熱く演じていった。
 そしてスクリーンには、ミディがミネバにすがりつくシーン(「episode 4」)が映し出された。会場に響くBGM「MOBILE ARMOR」、Cyuaさんが歌う新曲「Sternengesang」も、リディの心を表しているようであった。

更に「フロンタル」パートでは、『逆襲のシャア』の映像が映し出された。νガンダムが、地球へ落下するアクシズを押し戻そうとし、サイコフレームの光が溢れるシーンだ。
その時のことを、ステージに立った池田さん=フロンタルは、「手のひらに、全ての人のぬくもりが流れ込んでくるようだった」と、自身がまるでその場にいたかのように話していく。またフロンタルは、自分を「人々の想いが注がれる器」と称し、それに対する彼の想いも話していった。

BGMには、「F2」~「RED COMET」のメドレーが流れていき、彼の内なる熱さを感じさせる。それを象徴するように、小林さんも「REMIND YOU」を熱唱してくれた。

そして最後は、キャスト達が全員集合! BGM「PSYCHO-FIELD」が演奏されていく中、ミネバ、バジーナ、リディが、混沌とした現状を嘆くも、希望を見出していく。「繋ぐべき人の手がある」とミネバ。「あの手の平のぬくもりが、進むべき道を教えてくれる」とバナージ。「守るに値するものがあれば、また歩ける!まだ進める!」とリディ。

フロンタルは、そんな若者達の言葉を受け、「宇宙(そら)で待つ!」と告げるのだった。盛大な拍手が響き渡り、ステージは「episode 5」上映へと繋がっていった。

●トークショーでは、舞台裏を紹介!

そして上映後は、福井氏や、キャスト達が集合してのトークショーに突入!福井氏によれば、今回の朗読劇は、「ミネバは何故一人でいたのか?」「サイコフレームってそもそもなんだろう?」をポイントに構成したという。また、イベントタイトルにある、“hand in hand(※手に手をとっての意)”は、本作が、バナージとオードリーが手を繋ぐところから始まり、「episode 5」で2人が再会して、またそこへ戻り、他のキャラクター達とも……、という発想から生まれたそうだ。

キャスト陣からも、今回の朗読劇の感想が話され、内山さんは「バナージの母親への想いに触れて、今後にも生かせそう」とコメント。他にも「緊張もしましたが、生のオーケストラや歌を聴いて、凄い高揚感があり、助けてもらいました(藤村さん)」、「朗読劇は“hand in hand”を目指して頑張ったんんですが、episode 5で、リディは見事に散ってくれました(笑)(浪川さん)」、「久しぶりの生(朗読)なので、アムロ以来のプレッシャー感じました(笑)。生は、やっぱりビールに限ります(池田さん)」といったコメントが飛び出していた。

●福井氏&古橋監督から重大発表!

そしてここで、福井氏と古橋一浩監督から重大発表があるという。スクリーンには、「episode 7 THE FINAL in The Near Future」の文字が浮かび、製作話数の延長が発表されたのだ。本作は当初、「episode 6」で完結予定だっただけに、観客達も大歓声を挙げて大喜び! キャスト陣からも喜びの声があがり、以下のようなコメントが飛び出していた。

「長丁場ですね。1巻は僕まだ10代でした。最終巻は、20代で終わりますよね?あっフレッシュなまま終われそうです(笑)」
(内田さん)

「終わっちゃうのが寂しいなって思っていたので、流石、ユニコーンは可能性の獣ですね(笑)」
(藤村さん)

「今日のままだと、リディはMSもなくなり、ハートもデストロイしてしまったので、この先どうなるかと思っていたところです。前向きに頑張って、盛り上げていきたと思います」
(浪川さん)

「思えば、ファーストガンダムが、52本の予定が、43話で打ち切りになりました。月日を経て、ユニコーンがその恨みを晴らしてくれたと、感無量です!」
(池田さん)

最終巻についての詳細はまだ分かっていないが、今後の公式サイト等での動きに注目したい。

そしてラストは、澤野氏が率いるオーケストラにより、「MOBILE SUIT」~「GUNDAM」がメドレーで演奏され、この日の演目は、大盛況のうちに終了した。

なお、5月19日(土)からは、新宿ピカデリー他で、『機動戦士ガンダムUC』「episode 5」のイベント上映(※詳細は公式サイト参照)が本格的にスタート! 未見の人は、是非ともチェックしてみてほしい!

<セットリスト>
01.0-G:EP1
02.0001
03.A LETTER<feat.Cyua>
04.DESERT
05.EGO<feat.MIKA KOBAYASHI>
06.MOBILE ARMOR
07.Sternengesang<feat.Cyua>
08.F2~RED COMET(メドレー)
09.REMIND YOU<feat.MIKA KOBAYASHI>
10.PSYCHO-FIELD
11.MOBILE SUIT~GUNDAM(メドレー)

<Text/小俣 猛>

●機動戦士ガンダムUC[ユニコーン] 公式サイト
http://www.gundam-unicorn.net/