10周年記念プロジェクト!『スクライド オルタレイション QUAN』初日舞台挨拶レポート!

By, 2012年3月23日



2001年7月のTVシリーズ全26話の放送から10年。HDリマスター化、オリジナルキャストによる全編新規アフレコ、新作パートを追加しての全二部作で再構成された『スクライド オルタレイション』。
スクライド10周年記念プロジェクトの中枢として2011年11月に全国9館にて前編『TAO』がイベント上映され、後編となる『QUAN』が、2012年3月10日よりイベント上映がスタートした。
その初日には、東京・シネマサンシャイン池袋にて、谷口悟朗監督、脚本の黒田洋介さん、カズマ役の保志総一朗さん、劉鳳役の緑川光さん、そしてTVシリーズと今作の主題歌を担当した酒井ミキオさんが登壇した舞台挨拶が行われた。

――最初にご挨拶をお願いします!

保志総一朗(カズマ役):いよいよ『QUAN』をご覧頂けます。是非楽しんで行って下さい!

緑川 光(劉鳳役):もの凄くネタバレしたいんですけど抑えまして(笑)。TVシリーズから見てくれていた方、『スクライド オルタレイション』から初めて見る方、どちらにも楽しんで頂けたら嬉しいです。

谷口悟朗監督:スクライド10周年企画ではありますけど、今回のオルタレイションから入った人も歓迎したいなと思っていますので、是非楽しんで下さい。

黒田洋介氏:前編『TAO』の舞台挨拶の時も雨が降っていましたが(笑)、そんな足下の悪い中、劇場にお越しいただきありがとうございます!

酒井ミキオ:2001年にTVで放送されてから11年経ちますが、本当に色褪せない作品に関われて幸せに思っています。僕は楽曲という形でこの作品に関わって、新しいドアが開いたような気がしています。これから先10年、20年と愛していってほしい作品ですので、よろしくお願いします。

――谷口監督、黒田さんにお聞きしますが、後編にあたる本作を構成する上で心がけたところはありますか?

谷口監督:大きな課題は「TVシリーズを見てくれていたファンへのサービス」と「新しく知ってもらう方への優しさ」のふたつです。それを踏まえ、カズマを軸に切り取っていこうと黒田さんと話をしたのがスタートですね。

黒田氏:TVシリーズの後半は物語をぎゅうぎゅうに詰め込んで書いていたので、後編はどこを切ってよいのやらと悩みました。最初は130分程のものが出来て、そこから削っていく作業を行いました。皆様の楽しみなシーンが無い場合もあるかもしれませんが、新しい『スクライド』として鑑賞していただければと思います。

――主題歌の「SPIRITS」に込められた酒井さんへの想いはどんなものでしょうか?

酒井:「Reckless Fire」とも共通する、「揺るがない意志や信念」、「荒々しい気持ち」、「突き抜ける」というシンプルなテーマですね。この作品には人生の中の一つの答えが込められているかと思いますので、それをロック・ポップスの形に簡潔に乗せてみた感じとなります。曲も短くて、本当にぎゅうぎゅうに詰まった曲になっています。

谷口監督:実は最初に酒井さんから出して頂いた曲は全リテイク出させていただいたというくだりがありました。それは、今回の作品はTVとは違う演出意図をもって曲を作る必要があったからです。これから観ていただいて、咀嚼して頂ければと思います。

酒井:その時の曲がどういったものだったかは3月28日発売の「my souls」に収録されるので、是非聞いて確かめて下さい(笑)。

――保志さん、緑川さんへご質問です。10年を経てカズマと劉鳳を演じきった感想をお聞かせ下さい。

保志:演じ切れてよかったです。僕はオルタレイションの話がきた時に、「もう一回やりたい!」と思ったんですよ。今だから出来る、熟成されたカズマをやれると思ったので。前回の『TAO』の時の反省を活かして収録を2回に分けたんですが、3回欲しかったな、と…(笑)。何度もやり直した、魂を込めた叫びを聞いてもらいたいと思います!

緑川:僕は作戦が上手くいきましたね(笑)。僕は当時のテンションで演じるのは辛いなと思っていて、気をつけて演じていったので、何とか乗り切れました。音響監督の浦上さんが厳しくて、2日目はクライマックスから入る形の収録だったので、保志くんがどんどん弱っていくのが心配でした…(笑)。

――TVシリーズでも後半はバトルシーンが盛りだくさんでしたよね。

保志:後半はですね、大雑把にいうと……戦ってます(笑)。「戦ってばかりじゃないかよ!」という感じに思われるかもしれませんが、実際はどうなのかは自身の目で確かめてくださいね!

――最後に本作の見どころとファンの皆さんへメッセージをお願いします。

酒井:この作品が持つメッセージを、ただ受け取るだけではなく、自分の日常と重ね合わせながら観て欲しいと思います。仕事や人間関係の中で、自分がひよっていないか弱くなっていないか、カズマや劉鳳に重ね合わせて観てもらうことで、作品により深みが増すのではないかと思います。

黒田氏:この作品は、まっすぐ突き進む強さ、身体的な強さではなく、心の強さを持っていただきたくて書いた作品です。こういう時代ですので、そういった気持ちも新たに感じていただければと思います。熱苦しい作品の中から、何かを胸に刻んでいただければ嬉しいです。

緑川:ありきたりかもしれませんが、全部が見どころです。新作の映像やアフレコを録り直したこともそうですが、「もう終わっちゃうの?」ってくらい怒涛の展開が続きますので、是非楽しんで観てください。

保志:個人的なオススメポイントは、「かなみ可愛いな~」というところです(笑)。この作品は、僕の生きて来た中でターニングポイントとなった作品です。終わった後に「もう何も怖いものなんてない」って錯覚に陥ったくらいで。でもそれって大事なことで、物事を恐れないパワーとして支えにもなりました。
ただ年を重ねればそれ相応の恐いものや、揺れたりすることがあったんですが、またこの作品で、前に突き進むエネルギーをもらえました。皆様もそんな、突き抜けるパワーを充填してもらえたらと思います。

谷口監督:10年経って一番成長したのは、保志さんのトークだと思いますね(笑)。10年という年月が経てば色々なものが変わっていくので、成長することもあれば、その反面失ったものもあるのかもしれません。今回の『スクライド オルタレイション』は、すべてのスタッフ・キャストが10年前の自分たちと向き合う作業でもありました。
こういった機会を与えていただけたのは、応援し続けて下さったファンの皆さんのおかげだと思います。ファンの皆さんにとっても10年前の自分と向き合い、自分を再発見出来るようないい機会になるんじゃないかと思います。また、これから『スクライド』を知る方にも、何かが引っ掛かり、それが心に残ったらこれからも応援していっていただけたら嬉しいです。今日はありがとうございました!

<Text/内田 希>

【作品概要】
『スクライド オルタレイション QUAN』

<イベント上映館>
東京:シネマサンシャイン池袋
大阪:梅田ブルク7
愛知:伏見ミリオン座
北海道:ユナイテッド・シネマ札幌
福岡:ユナイテッド・シネマキャナルシティ13
宮城:MOVIX 仙台
神奈川:川崎チネチッタ
千葉:京成ローザ(10)
広島:広島バルト11

<スタッフ>
監督:谷口悟朗/脚本:黒田洋介/キャラクターデザイン:平井久司/ビジュアルコンセプター:神宮司訓之/デザインワークス:森木靖泰・荒牧伸志・まさひろ山根/色彩設計・色指定:岩沢れい子 /美術監督・美術デザイン:鈴木 朗/撮影監督:葛山剛士・濱 雄紀/音響監督:浦上靖夫/音楽:中川幸太郎/制作:サンライズ/企画・製作:サンライズ・バンダイビジュアル/配給:クロックワークス

<キャスト>
カズマ:保志総一朗/劉鳳(りゅうほう):緑川 光/由詑かなみ:田村ゆかり/君島邦彦:山崎たくみ/桐生水守:永島由子/シェリス・アジャーニ:倉田雅世/ストレイト・クーガー:津久井教生/橘あすか:岩永哲哉/瓜核:島田 敏/イーリャン:井上隆之/来夏月爽:優希比呂/マーティン・ジグマール:高田裕司/寺田あやせ:西原久美子/無常矜侍:白鳥 哲/異納泰介:櫻井孝宏

—————————————
【関連Blu-ray & DVD】
スクライド オルタレイション TAO
価格:
【Blu-ray】初回限定版 \7,140 通常版 \6,090
【DVD】 \5,040
※各税込

■Blu-ray 初回限定版特典■
【初回特典】平井久司描き下ろし特製三方背ケース、特製ブックケースジャケット
【初回封入特典】劇場パンフレット(縮刷版)、ライナーノート、サンライズクルセイド特製プロモーションカード
【初回映像特典】『スクライド オルタレイションTAO』予告・PV、「魂の叫びナイト」トークショー、オーディオコメンタリー

発売元:バンダイビジュアル

●『スクライド オルタレイション』公式サイト
http://www.s-cry-ed.net/

(C)サンライズ