大地丙太郎監督、脚本・今井雅子が語る! 3月20日(火・祝)放送『おじゃる丸スペシャル』試写会

By, 2012年3月7日



鉄道ファンにも観て欲しい!? 
3月20日(火・祝)放送『おじゃる丸スペシャル 銀河がマロを呼んでいる~ふたりのねがい星』試写会レポート

今年で放送開始から15年目を迎える、Eテレで大好評放送中のTVアニメ『おじゃる丸』。
きたる2012年3月20日(火・祝)に60分のスペシャル番組として放送される。今回は約5年ぶりとなる長編スペシャルの放送となる。
物語は、岩手県花巻出身の作家・宮沢賢治が描いた『銀河鉄道の夜』をベースに繰り広げられるファンタジー。賢治が愛した東北のモチーフが散りばめられた架空の世界を、おじゃる丸とカズマが銀河鉄道に乗って旅をする、というストーリーだ。
また、アニメに続く実写ドキュメントでは、昨年、宮城・福島で行ったNHK被災地応援イベントキャラバン『おじゃる丸がやってくる』の様子も放送。おじゃる丸と東北の子どもたちの触れ合いを描いていく。

2012年3月7日(水)、オンエアに先駆けてマスコミ・関係者向けに試写会が開催され、大地丙太郎監督と脚本・今井雅子さんのお二人が登壇。今作の見どころや、作品にかけた想いなどを語った。

―今作に込めた想いを教えてください。

大地丙太郎監督(以下、大地監督):演出家なら、一度は『銀河鉄道の夜』をアレンジしたい、と思ったことがあるはずです。それが、僕のライフワークである『おじゃる丸』でできたことがとても嬉しいです。
宮城県白石市でチャリティー上映会を行った帰りに、宮沢賢治の故郷を訪れました。行き当たりばったりの道中になりましたが、今回の物語も、いい意味で「行き当たりばったり感」が出ていると思います(笑)。

脚本・今井雅子さん(以下、今井):いつもはドラマなどの脚本を中心に行わせていただいております。娘がちょうど5歳で、「娘が楽しめるような作品を意識すればいいんだ」という気持ちで臨みました。
今回脚本という形で携われたことは、いち『おじゃる丸』ファンとしてとても嬉しかったです。
2003年に岩手県花巻市の「賢治祭」というイベントに出席した際、「いつか宮沢賢治作品と何かしらの関わりで作品が作りたい」とスピーチさせていただきましたが、今回それが叶って良かったと思います。
私自身鉄道が大好きで、『銀河鉄道の夜』も昔からよく読んでおりましたので、小さいお子様だけでなく、鉄道ファンの方も是非観ていただきたいと思います。


―演出面で気を使ったことは?

大地監督:元々、ジャッキー・チェンが登場するようなアクション作品が好きなので、それらの名シーンを意識したものを取り入れようと思いました。
原作の、夢の中をフワフワしている雰囲気を意識して取り組みましたが、途中からいつもの『おじゃる丸』になってしまいました(笑)。最終的には観てどこかホッとする、元作の雰囲気が皆さんに伝われば、と思っています。

―アニメーション作品ならではの作業の楽しさを教えてください。

今井:今回、『おじゃる丸』という作品ならではの「不自由さ」「自由さ」を味わいました。
「不自由」な面としましては15年かけて作られた『おじゃる丸』という作品の色を理解するまでに時間がかかり、苦労したところです。ただ、アニメーションということで、宇宙ロケなど、ほぼ不可能なことをせずとも、宇宙空間の演出が可能だったり、「大きなプリン」といった、非現実的なシーンを「自由に」作り出せるのが面白いと思いました。

―大地監督へ。15年目を迎えたお気持ちと、今後の意気込みをお願いします。

大地監督:本来は90話で終了する予定で、90話目も「これで終わり」という気持ちで制作したのですが、番組の延長が決まり、あれよあれよという間に15年が経ちました。
その間に世の中の情勢も大きく変わり、「まったり」という作品のコンセプトを変えようかと悩んだりもしましたが、「おじゃる丸はおじゃる丸のままでいいんだ」というところに落ち着いて、今に至っています。
長編作品としては、次回はまだ未定ですが、次回はもっと面白い作品を作りたいと思いますので、機会があれば是非やりたいです!

<Text・Photo/ダンディ佐伯>

【放送情報】
『おじゃる丸スペシャル 銀河がマロを呼んでいる~ふたりのねがい星』
2012年3月20日(火・祝)よる6時~7時 Eテレにて放送

<あらすじ>
ある日、流れ星の かなえ から銀河鉄道の切符をもらったおじゃる丸とカズマ。終点には「ねがいかなう星」があるという。
星空が光り輝く夜、「プリンを1日10個食べたい」というねがいをかなえたいおじゃる丸は、カズマといっしょに銀河鉄道に乗り込んだ。ふたりにいったい何がまちうけているのか?そして、行きついた「ねがいかなう星」とは?!
銀河の星々を旅する冒険ファンタジー!

<スタッフ>
原案:犬丸りん
監督・絵コンテ:大地 丙太郎
脚本:今井 雅子
演出:宮下新平
キャラクターデザイン/作画監督:渡辺はじめ
美術監督:西川淳一郎
撮影監督:風村久生
音楽:山本はるきち
音響監督:たなかかずや
アニメーション制作:ぎゃろっぷ
アニメーションプロデューサー:若菜章夫

制作統括:福田 貴美子/伊藤 大輔

<キャスト>
おじゃる丸:西村ちなみ
カズマ:渕崎ゆり子
電ボ:佐藤なる美
アオベエ:一条和矢
キスケ/オコリン坊:うえだゆうじ
アカネ/ニコリン坊:南 央美
かなえ:名塚佳織
ほか

●作品紹介サイト
http://www3.nhk.or.jp/anime/ojaru/tokuban02/index.html
●『おじゃる丸』アニメ公式サイト
http://www9.nhk.or.jp/anime/ojaru/