来たる2011年12月28日(水)、声優にしてシンガーのRitaさんが、ベストアルバム『Mjuka(ミューカ)』をリリースする。
Ritaさんといえば、これまでもPCゲームの楽曲を数多く歌い、明るいテンション&ロックテイストのボーカルが魅力。そして今回は、温かくもどこか切ない楽曲を集めたアルバムを制作してくれた。しかも、ペさま氏、Meis Clauson氏の作曲による、新曲3曲に貴重な「ココロの扉」ライブバージョンを加えた全14曲だ。
新たなRitaさんの魅力が詰まったそのアルバムとは?今回は、突撃インタビューを行ったのでここに紹介しよう!
──アルバムタイトルの「Mjuka(ミューカ)」にはどんな想いが込められているのでしょうか?
Ritaさん(以下、敬称略):たぶんどこか雑誌か、TVか何かで聞いた単語だったと思うんですけども、スウェーデン語で「やわらかい」という意味なんです。その単語も使いたいということも踏まえて、今回のアルバムは、いつものアップテンポなイメージとは一線を画した、少し穏やかな、落ち着いたものにしていこうと思っていたんです。
──なんでも7曲目に収録している「桜の咲く頃」が大好きで、それを軸にして収録曲を選んだとか?
Rita:そうなんです。「桜の咲く頃」は、歌詞にしても本当に切ないし、歌いながら泣けてくるような感じの曲なんです。これを核にして、そこから派生させていったっていうか、収録曲もアッパーな曲から、だんだん穏やかになるイメージで並べていったので、面白いバランスのアルバムになりました。
ちょうどこの「桜の咲く頃」から、ゆったりしていく、穏やかな温かい、優しいイメージの曲が続いていきますので、その変化を聴いて頂ければいいなと思います。
──今回新曲が3曲収録されていますが、それぞれどんな曲なんでしょうか?
Rita:まず1曲目の「UNDERGROUND WANDERER」ですが、私が元々、作曲のぺさまさんのファンで、ぺさまさんが作曲されたとある好きな曲があったんです。そのイメージで“4つ打ち(※1小節に4分音符が4回続くリズムのこと)の疾走感のある曲をお願いします”って発注させて頂いたんです。ぺさまさんの曲って、ものすごく切なさを感じることが多くって、ただ元気なだけじゃない、何かこう心のひだみたいなものを感じることが多いんです。今回もそういうラフ曲があがってきて、「あっ、これは素敵な曲を頂けたな」と。
その曲に私が歌詞をつけたんですが、“都会の中でぼーっと独りで、すごく孤独感を背負っている人がいて、その人が如何に前を向くか”っていうことをテーマにしたんです。なんとなく曲からきたイメージでしたが、割と私が、地下鉄の乗換えで孤独を感じることが多くて(笑)。乗り換えの時とかに、誰も私のことを知らないなって。その気持ちをそのまんま書いたんですけど、それを曲に合わせてイジったりすることがほとんど無くて、曲に言葉を乗せさせて頂いたって感じですね。不思議な合致みたいなものを感じました。でもレコーディングは、すごく難しかったです(笑)。
ぺさまさんの曲は、完成度が非常に高いので、自分がそれに合うボーカルをしなければ!と思う部分が沢山あるんです。そこは苦労しましたけど、曲の完成度がとにかく高いので、是非、聴いて頂きたいです。
──続いて新曲2曲目の「プリズムの夢」ですが、こちらは?
Rita:これも同じく、ぺさまさんの曲ですが、こちらには“ゆっくりしたミディアムテンポのバラード”と作曲をお願いしたんです。やっぱり、ぺさまさんの曲の中にある哀愁とか、切なさとかが、より一層深く出た感じがしました。
それとこの曲では、シナリオライターの嵩夜あやさんに作詞をお願いしています。今回、新曲のテーマにしている「孤独な人間が、如何に前に向くか」を、他の人のフィルターで表現したらどうなるんだろうって思ったんですね。そうしたら、私が思いつかないような、新しい言葉使いや言い回しとかが沢山並んでいるんです。勿論、テーマからは外れていないですし、見事に応えて下さいました。嵩夜さんとはこれを機会に、また何かを作りたいと思います。
それで、レコーディングでは、かなり声をウィスパーにした歌ったんですね。多分、聴き方によっては、どんな風にでも聴こえる様な、あまり大きな主張のない歌い方をしています。すごい悲しみを感じる人もいると思うし、柔らかさや穏やかさを感じる人がいるかもしれない。その時に聴いた人の心持ちによって変わる、まさにプリズムな感じです。
──そして新曲3曲目の「acquired a past」はどんな曲なんですか?
Rita:これは、作曲をMeis Clausonさんにお願いして、ミディアムな……すごく明るくもなくバラードでもなく、ほんとにミディアムな感じの曲があがってきました。Meisさん曰く、「Ritaさんのスィートスポットがあるんだ。だからこの曲を書いてみた」って仰るんです。それと仮タイトルに「過去を清算する」ってついてたんです。
それでMeisさんと色々やりとりをしていたんですが、どうやら私の中のテーマと、彼が持っていた曲へのテーマは、一致していたんです。最終的には、過去を捨てるのではなく、過去を持ちながら、積み重ねて次へ進むイメージってお話をして、今のタイトルになりました。
仮歌の時、MeisさんがまだDパートや大サビを作っていたんですが、1番、2番は出来ていたし、全体の構成は伺っていたので、私も歌詞を書き始めていたんです。それでDパート用に書いた歌詞をMeisさんが見て、それがご自身の心境に合致したそうで、また曲を練り直してくれたんです。普通はなかなかできない、贅沢な並行作業でした(笑)。
それと、レコーディングでは普通、楽曲と歌をすり合わせる作業というものがあるんですが、これはスルーっと歌えましたね。すり合わせを、曲を作っている段階でしていたのかもしれません。
──では、他の収録曲について、思い出を幾つかあげるとすると?
Rita:「笑顔の君をみせて」と「おかえり」は、作詞をシンガーソングライターの薬師るりさんの作られた楽曲なのですが、非常にメッセージ性が高い詞なんですね。それを受け止めて、私が再生させて頂いてるようなイメージです。それに、同じ女性なので、歌詞も共感できることが多いんです。例えば「おかえり」では、“一言 キミの声で「おかえり」と言ってほしい 「ただいま」と言わせてね”とか、こういうあったかい人間関係に私も憧れるし、薬師さんの温かさみたいなものが胸に染み入るなと思いました。それでなんかちょっともう、泣きそうになりながらレコーディングしていました(笑)。
そして「恋をしよーよ(Rita ver.)」は、原曲をDucaさん、茶太さんと3人で歌っているんです。作詞は、最近書いて頂くことの多い、澄田まおさんが担当してくださっています。詞の言葉選びがとても上手な方で、メロディにキッチリハマっていくので、歌い難いと感じたことがないんです。一度、澄田さんとお話をしたら、私も澄田さんも、類語辞典を読んでることが分かったんです。作詞のために色んな言葉を知っておきたい、同じ表現を違う形でいくつも表現できるようにしたいって。それを聞いて私、作詞のやり方として合ってたんだーって嬉しくて。それからより一層、辞典を読むようになりました(笑)。
「bonds ~絆~」は、先月11月に発売されたPCゲーム『LEGEND SEVEN ~白雪姫と7人の英雄~』のED曲なんです。この曲は、作編曲がうっとり商会さんなんですが、ギタリストさんなので、巧みにギターソロが入ってくるんです。でも単なるロックテイストではなく、少し気持ちが落ち着いたロックっていうか、歌詞も非常に前向きなんです。落ち着いたテンポから、だんだんテンションが上がる曲なので、アルバムの最後のほうに入れるのが相応しいと思い、収録させて頂きました。
この曲、実は曲中の足踏みとか手拍子を、その場にいた私以外の音楽スタッフさん、うっとり商会さん、収録に立ち会ってくださったメーカーさんも一緒に参加しているんです。最後の“繋げよう 繋がろう 声を合わせ”っていうフレーズが繰り返されるんですがここの歌も全員で歌っているので、沢山の人と繋がっていこう、独りじゃないんだよみたいな感じが、言葉だけでなく演奏にも入れ込まれているんです。これはうっとり商会さんの発案で、すごくウマいなって感激しました(笑)。
ラストの「ココロの扉」ですが、これはTEAM Entertainmentさんから、「ライブバージョンを入れてみない?」ってご提案を頂いたんです。実は13曲で完結させようと考えていたんですが、入れてみたら、より構想が生きた感じがしたんですね。疾走感のある曲から始まって、だんだんゆっくりになって、またテンションが上がっていき、このライブ曲で、より一層テンションが上がって、1曲目に戻るみたいなループが完成しました。因みにライブの時は、お客さんをあおりながらステージの左端へ行って、右へ戻ろうとしたら、すごく遠くてヒイヒイしていました。それがモロにでてます(笑)。それに楽しくライブをさせて頂いたので、声がニヤニヤしてますね(笑)。
──今回のアルバムは、2009~2011年の曲が収録されていますが、この数年の歌手活動を総括すると、どんな活動でしたか?
Rita:沢山の方に知り合わせて頂いて、お仕事させて頂いたんですが、自分が歌うことの意味みたいなものを、より一層、深く考えさせられました。特に2011年は、そういう年だったと思います。私の歌で何かを変えようとか、誰かの支えにとか、おこがましいことは決して言えないんですが、1曲でも私の歌を聞いて、それが少しでも拠り所なってくれれば、それはすごく幸せなことなんだって。歌ってて、ホントに良かったなって思います。
今回のアルバムの1曲1曲に物語があって、どれが皆さんにフィットするんだろうなって思いながら、マスタリング作業に立ち会っていました。オリジナルで作った3曲については、自分の2011年現在の気持ちがすごく出ているので、私自身が数年経った後に、あっこんなこと思ってたんだって思い出す、思い出の(写真の)アルバムみたいな感じになったと思います。
──2012年はどんな年にしたいでしょうか?
Rita:実はありがたいことに、来年はデビューして10年目を迎えさせて頂くんです。2002年の4月に、PCゲームの声優として出演させて頂いて、6月に初めて商業ベースで歌を歌わせて頂いたんです。すごい大役だなって思っていたのがホントに昨日のことのように思い出せますが、もう10年も経ちます。ちょうど節目の年なので、これまで私は何をやってこれただろうって見つめ直して、新しいアクションを起こせるような1年にしたいと思います。すごく大事な1年だと思っているので、これからも、皆さんに応援して頂けるよう、頑張ります。
<Text/小俣 猛>
<CD情報>
「Mjuka」/Rita
2011年12月28日(水)発売
価格:3150円(税込)
発売元:ティームエンタテインメント
販売元:ソニー・ミュージック ディストリビューション
<曲目>
01.UNDERGROUND WANDERER
02.笑顔の君をみせて(『お姫様は、ぱんてられお』より)
03.恋をしよーよ(Rita ver.)(『さくらビットマップ』より)
04.終わらない魔法(『スズノネセブン! ~Rebirth knot~』より)
05.千年の絆(『ヒメと魔神と恋するたましぃ』より)
06.二藍 ‐あいいろ‐(『恋神 -ラブカミ-』より)
07.桜の咲く頃(『さくらビットマップ』より)
08.プリズムの夢
09.いつかここで(『SuGirly Wish』より)
10.Just feel you(『恋文ロマンチカ』より)
11.bonds ~絆~(『LEGEND SEVEN ~白雪姫と7人の英雄~』より)
12.おかえり(『お姫様は、ぱんてられお』より)
13.acquired a past
14.ココロの扉(ライブバージョン)(『TEAM Entertainment Live Act 2011』より)
●「Mjuka」特設ページ
http://www.team-e.co.jp/sp/archive/mjuka.html
●Ritaさん公式ブログ「超りある。」
http://ritarita.jugem.jp/
【プレゼント】
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