オーディエンスの熱量とステージの熱量がたしかに融合! GRANRODEOが15周年イヤーを再起動する初の世界同時生配信ライブを開催!!

By, 2020年8月1日



2020年7月31日、2005年11月のデビューから15年の長い歴史を紡いできたGRANRODEOにとって、初めての試みとなる全世界同時生配信のオンラインライブ「GRANRODEO 15th ANNIVERSARY Startup Live ~たかが15年~」が開催された。
このライブは15周年アニバーサリーイヤーの始動を祝うために、本来なら今年3月に東京・豊洲PITで開催予定だったが、やむなく中止がアナウンスされていたもので、改めてライブハウスを貸し切って実施。無観客ながらも“これぞGRANRODEO!”と実感させる、ダイナミックなパフォーマンスを繰り広げた。

セットリストも、ファンと歩んだ歴史を盛り込んだ、スペシャルなものが用意された。これまでGRANRODEOがリリースしてきた百数十曲におよぶレパートリーの中で、各発表年ごとのベストナンバーをファン投票で集計。1位になった楽曲を中心に構成されるというもの。国内外で様々なツアー、ライブを経験してきたGRANRODEOにとっては、これも初めての試みだ。
しかも、昨年夏~秋の全国ツアー「GRANRODEO LIVE TOUR 2019 FAB LOVE」以来、ワンマンライブが行われるのは約10ヵ月ぶり。ライブ配信開始前から、TwitterやYouTubeのコメント欄には、世界中から期待に満ちた熱いメッセージが寄せられていた。

そして開演の19時半。暗転したステージに、映画のオープニングを思わせるような壮大なBGMが流れ出す。赤い照明が満ち、KISHOW、e-ZUKA(Gt.)とサポートメンバーの瀧田イサム(Ba.)、SHiN(Dr.)が登場。シルエットとなって、いつものポジションにスタンバイする。高まる興奮のなかで始まった1曲目は、9月9日にCDリリースとなる最新シングル「情熱は覚えている」だ。シタールのエスニックで幻想的なイントロから、静かに熱情を煽り、爆発させる。タフで鋭いKISHOWのボーカルと、e-ZUKAが跳ねながらうねりをもたらす力強いグルーヴは、まさにGRANRODEOの最新進化形だ。

最初のMCでは、初めての無観客ライブに若干戸惑った表情で、e-ZUKAも「全世界に配信されてるってホントですかね?」などとコメントしていたが、セットリストが進んでいくにつれ、パフォーマンスもトークもどんどん滑らかになる。モニター越しのオーディエンスを骨太なサウンドで、ときに激しいカメラパフォーマンスを交え(8曲目「Y・W・F」では、KISHOWがステージに大の字に寝転がっていた!)、いつもどおりに煽っていくGRANRODEOスタイルは、どんなステージでも変わらないと実感する。その場にオーディエンスがいないことを、すっかり忘れてしまったほどだ。

そしてやはり印象的だったのは、ファン投票によるセットリストの意外性だ。今回の投票は年末年始に実施されていたため、15年間のファンの想いを集めた曲たちの登場は、2曲目から。2019年から2005年まで、1年ごとに時代を遡って構成された。

KISHOWもMCで「意外な曲もあったはず」と語っていたが、ヒットシングルの表題曲を抑えて、「フォルテ」や「日常ホライズン」「Y・W・F」「Beat it, Love!」「紫炎」などシングルのカップリングナンバーや、「ナミダバナ」「silence」「NO PLACE LIKE A STAGE」などのアルバム曲が、15曲中ほぼ半数を占めていたのは面白い。
どの楽曲もライブで非常に人気がある、ヘヴィなナンバー。GRANRODEOが生でこそ高いポテンシャルを発揮するリッチでタフなライブバンドであることを、この投票結果が何よりも証明している。2008年の「甘い痛みは幻想の果てに」のように、今ではめったに演奏されない曲が選ばれたことにも、懐かしさを感じた。

今回は無料配信ライブということで、初めてGRANRODEOのライブに触れた人も多かったに違いないが、アニメの主題歌以外にも迫力ある名曲が存在することを、しっかりと提示できたのではないだろうか。

 

久しぶりのワンマン、初めての無観客配信とは思えない高い熱量で、重たいサウンドをぶつけていくGRANRODEOのパフォーマンスは、後半になるとさらに充実。とくに終盤を飾った初期ナンバーの数々は、当時よりKISHOWの歌声も格段に迫力を増し、e-ZUKAの華麗なギタープレイもテクニックの切れ味だけでなく、音楽的な重みが加わっていることが実感できた。

最後のMCでKISHOWは「YouTube、ありがとう。正直、どうなるかな?と思ってたけど、勝手に楽しませていただいてます。皆さんと同じ気持ちになれて嬉しいね!」と語り、ラストナンバーとして披露されたのは、記念すべきデビュー曲「Go For It!」。ふだんのワンマンと変わらず、十数回に渡るコール&レスポンスを畳みかけ、最後はKISHOWが、高々とジャンプを決める。高まった熱をマグマのように噴火させたGRANRODEOの“たかが15年”はそのまま、彼らの高い実力が“されど15年”の歴史の中で紡がれ、ファンとしっかり共有されていたことを強烈に印象づけた。

同時視聴者数数1.8万人、「#たかが15年」がTwitterトレンド3位を記録したこのライブの模様は、8月12日(水) 00:00 までの期間限定で、「GRANRODEO OFFICIAL YouTube Channel」にてアーカイブ公開中。リアルタイムで観られなかった人もぜひ、“GRANRODEOの現在地”をチェックして欲しい。

そしてライブ終演後には、Twitterなどを通じて15周年イヤーを彩る豪華なスペシャルアイテム『GRANRODEO Singles Collection “RODEO BEAT SHAKE”』のリリースも発表された。GRANRODEOのアニバサリーはまだまだ続く。書き下ろしの新曲を含む歴代シングル曲を網羅した本作の発売も、とても楽しみだ。

<Text/阿部美香・Photo/キセキミチコ>

●GRANRODEO 公式サイト
http://www.granrodeo.net
●GRANRODEO ランティスレーベル
http://www.lantis.jp/artist/granrodeo/