【リレーインタビュー】話題の「柏アニメ」の仕掛け人が語る! 『超普通都市カシワ伝説R』脚本・監督・村井真也 インタビュー

By, 2020年7月20日



2015年に設立され、千葉県柏市を中心に「やりたいこと」の実現を目的として活動を続ける市民団体「できる街プロジェクト」。

これまでフラッシュアニメで制作されてきたご当地アニメ企画の第3弾作品が、今夏千葉テレビ放送にて放送開始! 柏の街を舞台に、女子中学生と不思議な生き物たちが繰り広げる「普通の日常」を、シュールなギャグで彩ったショートアニメだ。
キャラクターデザインに柏市在住で『放課後さいころ倶楽部』、『ハルノクニ』、『月の蛇 ~水滸伝異聞~』などの作品でおなじみの漫画家・中道裕大先生を起用し、テレビドラマや舞台など数々の作品を手がけてきた村井真也氏が脚本・監督を務める。

作品の制作に向けて行なわれたクラウドファンディングでは、「アニメに参加できる権利」など市民制作ならではの返礼品で、225名の支援者から約200万円を集めることに成功した。

今回は本プロジェクトの立ち上げ人のひとりで脚本・監督を担当する村井真也さんを直撃! プロジェクトや作品のことはもちろん、今後の展開についてなど、たっぷりとお聞きしてきました!

―「できる街プロジェクト」を立ち上げたきっかけは?

村井真也さん(以下、村井):プロデューサーの楠本(慶彦)も話していたかもしれませんが、僕が柏で劇団をやっていたときに彼と知り合ったんです。
アニメに関して「聖地巡礼」という言葉は既にあったのですが、ある場所を舞台にし、フィーチャーすることを目的とした、いわゆる「ご当地アニメ」はまだ多くなかったんですね。「これはチャンス」と思いまして。

―個性的なキャラクターたちはどのようにして誕生したのでしょうか?

村井:キャラクターデザインを担当していただいた中道裕大先生に話を持っていく前に、イメージ設定はかなり細かく作りこんでおきました。ただ「テガちゃんとテッシーだけはどうしてもイメージがわかない」ということでしたので、イラストのラフから僕が描きました。

―中道先生にはどのようなオーダーをされたんですか?

村井:「柏が舞台で、女子中学生が主人公」という基本的なコンセプトのほかに、あまり「萌え要素」が強くならないようにしたい、というところを気をつけたいな、ということは最初から考えていました。

中道先生って、いい意味で「ほかの著名な先生のエキスが入っていないところがいいな」、と思っていて。
僕は漫画をたくさん読むタイプなのですが、大物漫画家のアシスタントをしていた人が独立して描いた絵って、どうしても絵に特徴が出てしまうと個人的に感じておりまして。

中道先生にはそれがないですし、いまだに進化されていると思っているんです。
比較していただければわかると思いますが、舎川あこと田野ながれなんて、大きく変わっていますよ(笑)。

―「ふるさと納税」の返礼品という形で制作費を捻出したことについては?

村井:第一期(YouTube)の話をしますと、最初は「3話だけ作ろう」、という話でスタートしまして、そのときは最悪資金が集まらなかったとしても、取りあえず自腹を切って作ればいいや、というスタンスで始まりました。
今回このような形で数百万円レベルでお金を集めることができたのは、我ながらすごいことだな、と。
返礼品というのは、僕らが考えているよりもすごい大きな魅力があるようで、柏に縁もゆかりもないようなアニメファンからも納税いただいたことがうれしかったです。

―今回地上波アニメという形での放送が決まりましたが、所感を教えてください。

村井:YouTubeの登録者数が1,000人に届いていないような作品がこうして地上波アニメになっていることが、すごく謎です(笑)。
『カシワ伝説』はあくまで「地域活性化」が目的なので、地上波放送が果たして地域活性化につながるのか? というのは正直あります。
本来は演者やスタッフに強くスポットが当たるような作品にしたいという目的もありましたし、クラウドファンディングで資金を集めて制作を実現するというのが悪いことではないとは思うのですが、ボランティア色の強い企画にも力を入れていこうと思っています。

「中期目標」……という言い方が正しいのかどうかわからないですが、こうしてわかりやすい目標を達成したということで、切り替えるタイミングでもあるのかな、と。
柏という街に対して何ができるのかを考えました。
今後はそちらの方向にも注力していきますので、引き続きご注目いただきたいです。

<Text/ダンディ佐伯>

【アニメ概要】

『超普通都市カシワ伝説』
2020年7月6日(月)21:55~千葉テレビ放送にて放送
(毎月第3月曜はお休みです)

<スタッフ>
【キャラクターデザイン:漫画家 中道裕大】
第50回小学館新人コミック大賞受賞。
代表作:小学館「月の蛇~水滸伝異聞~」「ハルノクニ」
小学館『ゲッサン』「放課後さいころ倶楽部」連載中。
柏市在住。

【主題歌プロデュース:作詞・作曲家 三浦誠司】
東京大学文学部国文学科 卒業 学生時代柏で過ごした。
「普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。」「アイドルマスター」などアニメ・特撮・アイドルなど幅広く楽曲を提供・

【脚本・監督:脚本家 村井真也】
第48回放送脚本新人賞 寺島アキ子記念奨励賞受賞。
第26回フジテレビヤングシナリオ大賞佳作受賞。
代表作:フジテレビ制作「ブスと野獣」。
柏市在住。

【音楽・音響:川嶋 弘治(元ままごとP)】
会社員の傍ら、音楽制作やWebデザインなどを行う。
アニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」二期ED曲に採用された過去を持つ。
プログレッシブロックバンド「Evraak」のベーシストとしても活動中。
柏市在住。

【音楽・音響:夏海ルイ】
日本テレビ番組BGM、テレビドラマ「明日、ママがいない」「Mother」タイ版劇伴など幅広く楽曲を提供している。柏市出身。

●Twitter
https://twitter.com/rui_natsumi

【音楽・音響:宇田川翔】

【キャラクターデザイン:藤咲】
お絵描きとチョコが好きな会社員

●pixiv
https://www.pixiv.net/users/25819539/artworks
●Twitter
http://twitter.com/fujisaki_v

【キャラクターデザイン:ラッコくみちょう】

●Twitter
https://twitter.com/rakko_kumicho

【キャラクターデザイン:声優 冷水優果】

●公式HP
https://www.hiyamin.com/
●公式Twitter
https://twitter.com/hiyamin914

【キャラクターデザイン(似顔絵):いちろ】
千葉県船橋在住。
関東、インターネット活動を中心に似顔絵、イラストを描きながらフリーランスで様々な企業とのワークショップなども活動している。 

●Twitter
https://twitter.com/nigaoeichiro

【キャラクターデザイン(似顔絵):みちよつ(よつもとみちよ)】
自宅から自転車で行ける距離を中心に手芸&似顔絵活動。
ご近所のイベントやデイサービス施設から、DJイベント、サーキット場etc…
信頼できる人とのご縁が繋がり呼ばれたところにのみ出張する。

巨大なあみぐるみ作りの実演等をする編み物パフォーマーでもある。
2017年春、似顔絵の全国大会・名古屋似顔絵楽座「竜王賞」出場。
主な出没イベントは、 『柏に「流⁽ながし⁾」現る』

【主題歌動画:山根美香】

●Instagram
https://www.instagram.com/yummy_pinkey/

【プロデューサー:楠本慶彦】

【企画:できる街プロジェクト】

【制作:超普通スタジオ】

ほか

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【キャスト】
舎川あこ:ペチ子
田野ながれ:高里桃子
テガちゃん:秋山結可莉
橋舟一花:新田ほのか
安浦千代:本田しをん
鎌谷しの:冷水優果
マヌー:岡田めい
ほか

☆そのほかスタッフ・キャスト情報は公式サイトをチェック!!

●アニメ公式サイト
https://kashiden.dekimachi.com/story/03r/
●公式ツイッター
@kashiwaanime