【作品レビュー】「⽇常」が「⾮⽇常」に変わる瞬間を克明に描いたアニメシリーズ 『⽇本沈没2020』レビュー

By saeki, 2020年7月17日


他作品の話から⼊ってしまい恐縮だが、6 ⽉まで放送されていた沙村広明⽒原作のテレビアニメ『波よ聞いてくれ』では、最終回で2018年9⽉に実際に起こった⼤規模地震「胆振東部地震」が描かれ、話題となった。
北海道全域が停電する様⼦は全国のニュースでも繰り返し報道され、私も⼤きな衝撃を受けたものだった。本作の主⼈公は、DJ としてラジオの⽣放送を任されていたのだが、その後の放送局員のリアルなやり取りは今でも胸に深く刻まれている。

⽇本⼈にとって、地震は⽇常茶飯事のように起こっている「⽇常」の⼀部だ。
ただ、ひとたび多くの死傷者や建物の倒壊、それに伴う⼤きな被害をこうむる⼤震災が起こると、⼈々はその瞬間「⾮⽇常」になることに気づく。

さて、本題は『⽇本沈没2020』である。
SF 界の重鎮・⼩松左京が原作の⼩説『⽇本沈没』はテレビドラマや実写映画、漫画など、それぞれの切り⼝で様々なメディアミックス展開を⾒せているが、詳細は各々で調べていただきたい。

陸上の⽇本代表候補として将来を嘱望された主⼈公の中学⽣・歩が突如発⽣した⼤地震に⾒舞われてしまう。安否不明の仲間たちを助け出すことができず、ひたすら逃げる様⼦が描かれているのが第1話。
⽗親の航⼀郎は、舞台制作会社で働いており、⺟親のマリはフィリピン⼈。つまり、歩(と8歳の弟・剛)は⽇本⼈とフィリピン⼈のハーフということになる。運動神経抜群の歩に対し、オンラインゲームが⼤好きな剛は、⼤きな地震が来たあとも「地震慣れ」をしている、⾔わば⽇本⼈気質の⼈間だ。

そんな姉弟とサバイバル能⼒に⻑けた航⼀郎と、胆⼒のあるマリ、そして武藤家の隣⼈・七海、陸上部の先輩で引きこもりの⻘年・春⽣とともに「⽣きる」ため、⾏動を始める。
思春期真っ只中の歩の⼼の移り変わりや、必死で前を向きながら困難を乗り越えていく⼀⾏の⼀挙⼿⼀投⾜に注⽬いただきたいところだが、物語が進むにつれ、観る⼈にとっては、ともすると「ファンタジーさ」を感じることがあるかもしれない。
しかし、前代未聞の⼤地震の前に広がる「⾮⽇常」では、何が起こっても不思議ではない、と納得できることだろう。

物語の⾏く末を語ることはできないが、タレントの伊集院光さんがラジオで語っていたコメントをお借りすると、「衝撃の第2話」はぜひともみてほしい。その衝撃は3話、4話……と続いていくことだろう。


SNSでは現在「『⽇本沈没2020』シズマヌキボウプロジェクト」と称し、⽇本の原⾵景を募集中。コロナ禍に置かれた現在だからこそ、古きよき⽇本の⾵景を切り取った写真を、⽇本全国の、いや世界中に伝えてほしい。

<Text/ダンディ佐伯>

【作品概要】
Netflixオリジナルアニメシリーズ『日本沈没2020』
配信日:Netflixにて、7月9日(木)全世界独占配信

作品ページ:netflix.com/日本沈没2020
エピソード:全10話

キャスト:武藤歩:上田麗奈/武藤剛:村中知/武藤マリ:佐々木優子/武藤航一郎:てらそま まさき/古賀春生:吉野裕行/三浦七海:森なな子/カイト:小野賢章/疋田国夫:佐々木梅治/室田 叶恵:塩田朋子/浅田 修:濱野大輝/ダニエル:ジョージ・カックル/大谷三郎:武田太一

原作:小松左京『日本沈没』 監督:湯浅政明
音楽:牛尾憲輔 脚本:吉高寿男
アニメーションプロデューサー: Eunyoung Choi シリーズディレクター:許平康 キャラクターデザイン:和田直也 
フラッシュアニメーションチーフ:Abel Gongora 美術監督:赤井文尚 伊東広道 
色彩設計:橋本賢 撮影監督:久野利和 編集:廣瀬清志 音響監督:木村絵理
アニメーション制作:サイエンスSARU ラップ監修:KEN THE 390
主題歌:「a life」大貫妙子 & 坂本龍一(作詞:大貫妙子/作曲:坂本龍一)

<STORY>
2020年、平和な日常が続く日本を襲った突然の大地震。
都内に住むごく普通の家族、武藤家の歩(あゆむ)と剛(ごう)の姉弟は、大混乱の中、家族4人で東京からの脱出を始めるが、刻々と沈みゆく日本列島は、容赦なく彼らを追い詰めていく。極限状態で突きつけられる、生と死、出会いと別れの選択。途方もない現実と向き合う中、歩と剛は、未来を信じ、懸命に生き抜く強さを身につけていく……。

【CD概要】

「日本沈没2020 ORIGINAL SOUNDTRACK」
8月26日(水)発売

品番:EYCA-13004~5
3,500円+税

【初回仕様】
特製スリーブケース

発売元:エイベックス・ピクチャーズ

●作品公式HP
http://japansinks2020.com/
●作品公式twitter
@japansinks2020

製作:“JAPAN SINKS : 2020”Project Partners

(C)“JAPAN SINKS : 2020”Project Partners