素子とバトーの関係のルーツがここに!?『攻殻機動隊ARISE border:2 Ghost Whispers』初日舞台挨拶

By, 2013年12月2日



劇場版『攻殻機動隊』の最新作が2013年11月30日(土)より全国公開! その舞台挨拶が都内で行われた。
当日は草薙素子役・坂本真綾さん、バトー役・松田健一郎さん、ロジコマ役・沢城みゆきさんらキャスト陣に加え、総監督・キャラクターデザインを手がけた黄瀬和哉氏、シリーズ構成・脚本を担当した冲方 丁氏、竹内敦志監督、そして制作総指揮の石川光久氏が登壇。
松田さんはバトーよろしく、目を「擬体化」して登場するなど、和気あいあいとした空気の中で舞台挨拶は開始。この回で4度目となった舞台挨拶で興味深いトークを繰り広げた。

―まずは黄瀬さんにお伺いします。制作にあたり、まずは竹内監督にオーダーすることになるんですよね?

黄瀬氏:オーダーするというより、竹内さんと冲方さんを含めて3人で話し合うことから始まります。
冲方さんの方でコンセプトは既にできているので、そこから詰めていく、ということがメインで話し合いが進行します。
話数があまりないので、その中で9課のメンバーを集めないことには話が進みませんので。

冲方氏:非常に情報量が多い作品ですので、やることがたくさんあります。「9課 VS ●●」という構図にすると、登場人物が多くなってしまうのですが、「9課 VS 9課」にすれば半分で済むぞ、と(笑)。
後はどのようにキャラを出すか。若さを出すことが命題なのですが、肩身の狭いイシカワ、空回りするボーマ、感じの悪いサイトー、そして素子とバトーを掛け合わせるということなど、色々と本当に大変でした。
今回はかわいそうなバトーを出せたかな、と思います。竹内さんもそこには相当力を入れられたと思います。

竹内監督:素子とバトーのはっきりした主従関係がここで生まれた、というわけです(笑)。

―作中でのメリハリは意識されました?

竹内監督:物語の展開が早いので、最後のシーンがリズム的にもよく、「あの」シーンが最後として相応しいと思いました。

―素子が、バトーを征服している時の気持ちは?

坂本:気持ちがいいです(笑)。

松田:自分も気持ちいいです(笑)。

―サイトーへの素子の扱いは、今回特にひどかったと思いますが(笑)。

冲方氏:サイトーの若さを出すというときに、利己的なキャラを強調しました。素子ならコントロールできるであろうと思わせておいて裏切られ、復習されるという、今までにないサイトーだったと思います。坂本さんがアフレコ後に「本当にむかつく」と言っていました(笑)。

坂本:感じが悪い、どころではないですからね(笑)。

冲方氏:登場キャラみんなが過去を見ている中、素子が、戦争が終わって、自由を得て未来を見ているんですね。
そんな素子の先に未来があるとみんな感じていますので、彼女についていく気持ちになるんじゃないかと。物理的にも電子的にも強いですし(笑)。

―坂本さんは、そんな素子を今回演じてみていかがでした?

坂本:『border:1』の時でも、今までよりは未熟な面があり、意外だと思っていましたが、『border:2』では、素子が初めての人生を歩み始めていて、生き生きとやるべきことを探して向かっていく姿が分かりやすく見えると思います。『border:1』と違った意味でかわいいと思いました。

―では沢城さんにお聞きします。ロジコマという、際立って違うキャラを演じる上で考えたことは?

沢城:素子にさえも飲み込まれないように意識しました。いかに伸びのびやるかが課題だな、と思いました。とりあえず真綾さんの声で命令されたときだけ、その通りにしようかな、と。
本当はもっといろんなことがやりたいと思っているので、自分がやりたいことをたくさん入れてみまして、結果1シーン、私の要望が実現しました(笑)。

竹内監督:ロジコマの「アイアイサー」という声を聴いた時に、のけぞって笑いました(笑)。

沢城:また、素子の命令に対して、その都度「了解!」とセリフを入れていたのですが、何度も言っていると「うるさい」と思われているようでして(苦笑)。

―では最後に、皆さんを代表して坂本さんからファンの方に一言お願いします。

坂本:『border:3』ではどんな展開がまっているのか? 私たちもまだ内容を聞いていませんので、皆さんと一緒に楽しみにしたいと思います。

<Text・Photo/ダンディ佐伯>

●『攻殻機動隊ARISE border:2 Ghost Whispers』作品公式サイト
http://kokaku-a.jp/