“Kiramune”の朗読劇が再び開催!リーディングライブ『悪魔のリドル ~escape 6~』27日夜の部レポート

By, 2013年11月18日



男性声優アーティスト専門レーベル“Kiramune”主催の朗読イベント「Kiramune Presents リーディングライブ『悪魔のリドル ~escape 6~』」が、10月26日(土)、27日(日)の2日間、千葉・舞浜アンフィシアターにて開催された。
3公演、計14名のキャストが登場し展開されたリーディングライブは、昨年と同じ舞浜アンフィシアターでの開催ながら、今年はさらなる進化を見せたステージとなっていた。

キャストは上演回によって入れ替わり、26日の公演には島崎信長、岡本信彦、浪川大輔、野島健児、神谷浩史、置鮎龍太郎が出演。27日の昼公演には江口拓也、代永翼、諏訪部順一、吉野裕行、中村悠一、小西克幸が、夜公演には浪川、吉野、神谷、小西のほか、木村良平、柿原徹也が登場。配役の発表は公演時に明かされるということで、観客は誰がどんなキャラクターで楽しませてくれるのか、期待に胸を躍らせて会場へと足を運んだに違いない。
本記事では兎角役に木村、晴役に柿原、伊介役に浪川、鳰役に吉野、真昼 / 真夜役に神谷、椿役に小西が登場した27日夜の部の模様をお届けする。

 

本公演にて上演された『悪魔のリドル』は、アニメ化も決定している高河ゆん原作・南方純作画のコミックだが、本公演ではキャラクターの性別を男女逆転させたパラレルストーリーとして描かれた。
物語はミョウジョウ学園の生徒である東兎角(あずま とかく)、一ノ瀬晴(いちのせ はる)、犬飼伊介(いぬかい いすけ)、走り鳰(はしり にお)、番場真昼・真夜(ばんば まひる / しんや)、そして高河が名前を考案したというオリジナルキャラクター・設楽椿(しがらき つばき)の6名が密室の中で目を覚ますところから始まる。教師のカイバ(CV:進藤尚美)によって密室へと閉じ込められた6人が、出題される難題を解いて密室からの脱出を試みるという物語だ。

6人を密室へと閉じ込めたという教師・カイバの声が会場に響き、ステージには白い仮面をつけたキャストたちの姿が。誰がどのキャラクターを演じるのかはこの時点では分からない。
そんな期待の高まる登場シーンに続き、スクリーンにはキャラクターのイラストが映し出され、それに合わせてキャストが1人、また1人と紹介されていく。朗読劇ではあるのだが、各キャストが動きや座り方などの小さな所作にいたるまで役を演じている様子が伝わってくる。さらに、そんなキャストたちを囲むダンサーたちはいずれも白い仮面をつけたままで、先の展開の見えない本作のストーリーをひときわ印象的にしていた。

そんな物語を紡ぐミョウジョウ学園の6人。木村演じる兎角は成績優秀で何でもそつなくこなせるが、趣味のない男。浪川演じる伊介は派手好きでスマートな完璧主義者でありながら、カイバから“チャラい”を連呼されてしまう。
吉野が演じた鳰は人懐っこくお調子者で、喋るトイプードルのようなキャラクター。神谷の演じる真昼は、普段は気弱だが、とあるキーワードで性格が激変。小西の演じる椿は典型的メガネキャラだがそれを脱却しようと試行錯誤しており、伊介の側にいることが多い。そして柿原演じる晴は、明るく天真爛漫で好奇心旺盛だが、何か抱えている節もあり、一癖も二癖もありそうなキャラクター。

それぞれのキャラクターについてそんな簡潔な紹介が行われた後は、密室を脱出すべく6人が行動を起こし、問題へと挑戦していくことで物語が進んでいく。
最初はどこかギスギスしていた6人だったが、限られた時間の中で難問を解いていく内に徐々にその距離を縮めていく。伊介と設楽が側にいる理由、真昼のもう一つの顔である真夜の出現、そしてキーキャラクターでもある鳰の正体など、さまざまなエピソードによって近づいていく6人。
最後の答えを埋めた6人が、全員そろって密室を脱出する際には特攻で火薬が使用され、派手な脱出劇を演出した。

そんな大団円で終わったかに思われた物語はしかし、冒頭にカイバによって告げられた「始まりのゼロへと向かうカウントダウン」という言葉の真の意味が現われたラストを迎える。ミョウジョウ学園の黒組に所属する生徒は暗殺者のみという原作通りの設定は、本編への期待を高める幕引きとなっていた。

公演が終了すると、「余興の感想を聞かせて」とカイバに促され、各キャストが公演の感想を語った。
初参加の小西は、「来年もあったら飛んでみたい」とさまざまな仕掛けの凝らされたステージへの感想を。浪川は前日の置鮎と比べ、小西の登場シーンでの距離が近かったと会場を笑わせ、柿原は一から作り上げたステージへの感慨を。木村は公演によってキャストが替わっているということの興味深さを。今年は“Kiramune”メンバーとして参加することになった吉野は、キャスト・アンサンブル・ダンサー、そしてスタッフと作りあげた今回のステージが“Kiramune”の作る朗読劇のひとつの形だと語り、そして最後にこの日の昼公演を客席で観たという神谷からは、3公演を支えたダンサーやアンサンブルメンバーたちへの賛辞と、今後の“Kiramune”への抱負が語られ、今年のリーディングライブは幕を閉じた。

音楽レーベルでありながらボイスアクターの新たな表現の可能性を追求する“Kiramune”が、これからどんなステージを我々に見せてくれるのか。ボイスアクターたちのもつ可能性が何を作り上げるのか。“Kiramune”の今後から、ますます目が離せなくなる公演だった。

<Text/内田 希>

●イベントオフィシャルHP
http://kiramune.jp/event/reading2/