新人からベテランまで豪華声優陣が、喜びと感謝の言葉を笑顔で一言 『第七回 声優アワード授賞式』

By, 2013年3月12日



その年度に『最も印象に残る』声優や作品を対象に、その業績をたたえる『声優アワード』の授賞式が2013年3月2日(土)、東京・文化放送メディアプラスホールにて開催された。

今年で7回目となる今回の『声優アワード』は、2011年の12月1日から2012年11月30日までの間に放送・上映・発売された作品が対象。全15部門が表彰され、一般からの各種投票は昨年よりも大幅にアップして5万5千通にも上った。
多くの取材陣も集結し華々しくおこなわれた授賞式には、この期間中に最も活躍し、人気・実力ともに兼ね備えた声優と、長年に渡って活躍し続けているベテラン俳優がずらりと列席。
今回は一般投票による各賞および選考委員会で顕彰された特別賞を受賞した方々の喜びの言葉を登壇順に紹介していきたい。

授賞式は文化放送アナウンサーである長谷川太さん、石田絵里奈さんの開催挨拶でスタート。まず最初に新人男優賞・新人女優賞、パーソナリティ賞、歌唱賞の順で各賞受賞者が登壇。途中、プレゼンターである肝付兼太さんからトロフィーをもらった新人男優賞受賞の山本和臣さんが感激で言葉を詰まらせたりといった一幕もあった。

○新人女優賞・新人男優賞
原則として声優デビュー5年以内で、新人賞をとるにふさわしい、特に目立った活躍をされた声優

石原夏織さん
「2013年はたくさんのキャラクターと作品に出会うことができてそれだけですごく幸せだったんですけど、このような素敵な賞をいただけて、言葉にならない嬉しさを胸に秘めています。
今後も今まで演じてきたキャラクターや作品をもっともっと大切にしていき、また新しいキャラクターや作品と出会えるように頑張っていきたいと思います」

大久保瑠美さん
「こんな素敵な賞をいただけたのはいつも支えて下さったファンの方や一緒にお仕事をしてくださったキャストのみなさん、スタッフのみなさんのおかげだと思っています。
これからこの賞に恥じないように一生懸命頑張りますのでよろしくお願いします」

島﨑信長さん
「この新人賞は決して僕一人でいただいたものじゃなくて、僕が関わらせていただいた全ての作品たちと、そしてお世話になったみなさまと一緒にいただいた賞だと思っています。
だからなおさらこの賞をいただけたことが嬉しくて光栄です。僕はこの声優という仕事が大好きです。このお仕事をさせていただけて本当に幸せで仕方がありません。この恩に報いるためにも今後ともより一層、よりよい作品のために全力を尽くしてまいります」

山本和臣さん
「新人のうちに役をいただけること、そしてこういった新人賞をいただけるということは、目にとめてくださる方や応援してくださる方、共演者のみなさん、作品制作のみなさんのおかげだと思って本当に感謝しています。
これからも作品を盛り上げていけるような、みなさんに楽しんでいただけるような役者になれるよう頑張ります」

○パーソナリティ賞
声優自らの名前もしくは演じている役名でラジオ・webラジオ、TV、その他の番組でパーソナリティとして活躍された声優

岩田光央さん
「振り返ってみると最初にパーソナリティとして仕事をさせていただいたのは20代前半の時で、初めての生放送で提供クレジットを言えず、非常に落ち込んだことを今でも憶えています。
そこから14年以上もラジオに携わらせていただけたのは、支えてくださったリスナーさんのおかげだと思います。僕は「パーソナリティは決して嘘をつかない、そして自分の言葉に責任を持つ」という信条をもってラジオを続けてきました。これからも自分の言葉に責任をもちながら、リスナーの方々に楽しんでもらえるラジオを作っていきたいと思います」

○歌唱賞
声優自らの名前もしくは演じている役名で歌唱を発表された声優

後ろから這いより隊G
(ニャル子/阿澄佳奈、クー子/松来未祐、暮井珠緒/大坪由佳)

阿澄佳奈さん
「キャラクターソングとして歌わせていただいたんですが、たくさんの方に広まって愛していただいて楽しんでいただけて、声優として歌でみなさんに楽しんでいただけることを嬉しく思います」

松来未祐さん
「キャラクターとして歌った主題歌がこういった賞をいただけるということは、私が演じるクー子と、そして『ニャル子さん』という作品と一緒にいただいた賞だなと思ってとっても嬉しいです」

大坪由佳さん
「この曲は私にいろんなものを与えてくれた歌でして、人生の中でとてもかけがえのない大切な曲となりました。これからも感謝の気持ちを込めて歌っていきたいと思います」

続いて選考委員会によって顕彰される特別賞などを表彰。こちらは長年にわたり多くのジャンルで貢献されたり、声優という職業を各メディアを通じて多く広めた功労のあった方々に贈られる、人気・実力を兼ね備えたベテラン声優らが次々と登壇。

シナジー賞でステージに登った大平透さんや岡本茉利さんが思い出深いキャラクターの決めゼリフを演じてくれたほか、特別功労賞を受賞した故青野武さんのご家族が故人の思い出などを語ってくれた。

○キッズファミリー賞
子供たちの視点で選ばれた声優

田中真弓さん
「(本人欠席のため青二プロダクション・池田克明氏がコメントを代読)。子供たちに選んでいただいた賞だとききました。本当に嬉しいです。本当に本当に幸せ者です。ありがとうござました」

○シナジー賞
作品として声優の魅力を最大限に発揮した作品

タツノコプロ創立50周年

大平透さん
「私たちはずっとタツノコプロを愛してきました。このシナジー賞を心から吉田竜夫先生に捧げたいと思います。これからタツノコのハートを、マインドを表していく作品を作っていってもらいたいと思っています」

森 功至さん
「僕はタツノコ作品の『マッハGoGoGo』でアニメの主役デビューしました。僕とタツノコプロと同じような年数を積み重ねてきています。この賞の受賞を天国の吉田竜夫も『よかったね、ありがとう』と言ってくれている……のかな(笑)。ありがとうございました」

岡本茉利さん
「私は中学校3年生(の時にオーディション)を受けさせてもらって、高校に通いながらスタジオ通いさせていただいたことを思い出します。大先輩に囲まれ、素晴らしいスタッフに育てていただいて、私の今があるのかなと感謝しています」

小原乃梨子さん
「タツノコというのは本当に不思議な集団で、魔法のようなプロダクションだと思います。そこで生み出される作品が世界中のみんなに愛されてずっと続いていくのは本当に素敵なことだと思います」

○富山敬賞
声優という職業を各メディアを通じて多く広めた男性声優

三ツ矢雄二さん
「なによりも富山敬さんという僕の大好きだった先輩の名前の付いた賞をもらえたことを心より嬉しく思っています。
僕がTVに出演したことで、声優という仕事があるんだよということを認識していただけたらよかったと思うし、演技をするって面白いんだということを分かっていただけたのなら嬉しいです。
この賞の名前に恥じないようにこれからも頑張って、少しでも富山敬さんに近づけるように努力していきたいと思います」

○高橋和枝賞
声優という職業を各メディアを通じて多く広めた女性声優

緒方恵美さん
「私は今に続くグラビアと芝居と歌とラジオ、この4つだけで仕事をするファースト世代だと思います。当時の声優の王道とは違う自分のあり方を声優といっていいのかという戸惑いを最初は憶えていましたが、これが自分のポジションだと思いつとめてきました。
でも今日、この賞をいただいて、初めて私自身を声優といっていいんだなと思っています。今、私はとても幸せに仕事ができていますし、これから先も今までとまったく変わらず、現場のみんなとお客さんたちとみんなで笑って楽しかったねといえるような、そんな作品や曲やトークを続けていきたいと思います」

○特別功労賞
故人の中で、長年に渡り外画も含め多くのジャンルに貢献した声優

青野武さん
「(夫人が登壇しコメント)私はあんまり好きな声じゃなかったんですが(笑)、でも今ではそれが懐かしくて、聴きたくてしょうがなかったりします。この賞は向こうに行く時に私がおみやげとして持っていきたいと思います(笑)。本当にどうもありがとうございました」

○功労賞
長年に渡り外画も含め多くのジャンルに貢献した声優

近石真介さん
「『良かったな』と、この賞をいただいてつくづく思いました。たいしたことをやってきたわけじゃないんです。
いろんなことをやってバタバタと生きていただけなんですが、その中で少しでも私が役に立ったならいいなと思っています」

野沢雅子さん
「新人賞をいただいた方が涙を流されたのを見て、いくつになっても初々しさを失ってはいけないなと思ったりもしたんですが、今回は長い年月にわたってやってきたことでいただいた大きな賞となります。
ちょっと戸惑いはありますがありがたくいただきまして、また新たに肩の力を抜いて、長くながくいこうと思っております」

授賞式後半は、一般投票による各賞および選考委員会で顕彰された助演男優賞・助演女優賞を表彰。
さらに昨年に続いて最多得票賞を受賞した神谷浩史さんも、感謝と喜びコメントを語ってくれた。

○助演男優賞。助演女優賞
その年発表された作品の中で助演として活躍された声優。

大原さやかさん
「2012年は私にとって特別な出会いに溢れた年となりました。その一年をこういった素晴らしい賞で評価していただけて、本当に幸せな気持ちでいっぱいです。私は今年でデビュー15年を迎えますが、諸先輩方のお話を聞いているとまだまだだなという気持ちです。これからも25年目、35年目、50年目と長くいい作品づくりに関わらせていただけたらと思っています」

戸松 遥さん
「16才の時に声のお仕事を始めまして、19才の時に、第3回声優アワードにて新人女優賞をいただき、そして今回助演女優賞という素晴らしい賞をいただいて、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。
この4年間は私にとって環境的にも心境的にもものすごく変化がありましたし、たくさんの経験が今の私を構築していて、役に繋がっていると思っています。みなさまが必要としてくれる限り私は一生役者でいたいと思っているので、これからも今まで以上に頑張っていきたいと思います」

小野友樹さん
「僕は、10代の頃はサッカー選手を目指していましたが、足をケガして自分を見失いつつある時に出会えたのが声の世界でした。
新しく打ち込む何かが見つかっただけでも幸せだったのですが、このような素敵な賞をいただけたことをとても嬉しく思います。
これからもこの声の世界の素晴らしさを、少しでも多くのみなさんに知ってもらえるように一生懸命声優として生きていきたいと思います」

諏訪部順一さん
「脱サラしてこの道に進んだ僕ですが、親からは『情けない』と泣かれました。負けてたまるかと頑張ってきて、こういう素敵な賞をいただいたと報告をしたところ、『ああ、よかったじゃん』と言われました。そこは泣くところじゃないのかと(笑)。
なので、この先は親をボロッボロになるぐらいに泣かせる素敵な芝居ができる役者として頑張っていけるように、より一層精進していきたいと思います」

○最多得票賞
一般投票で最も多く票を集めた声優

神谷浩史さん
「このような素敵な賞をいただけることを本当に嬉しく思っております。これもひとえに作品に恵まれ、そしてその作品を愛してくださるファンのみなさんのおかげだと思っております。
これからも(島﨑)信長くんのように爽やかに、(田中)真弓さんのように底抜けに明るく、そして野沢(雅子)さんのようにパワフルに、として青野(武)さんのように誠実で尊敬されみんなから愛される、そんな声優を目指して頑張っていきたいと思います」

ラストは主演男優賞の梶裕貴さんと、歌唱賞に続いて主演女優賞も受賞した阿澄佳奈さんがそれぞれ登壇。声優アワード実行委員長・久保雅一氏からトロフィーが授与されると、タキシード姿の梶さんは笑顔いっぱいに、華やかな着物姿の阿澄さんは少し戸惑いながらも嬉しそうに、それぞれ受賞の喜びを語ってくれた。

○主演男優賞・主演女優賞
その年発表された作品の中で主演として活躍した声優

阿澄佳奈さん
「周りが目指すものが決まっていってる中でも、自分は好きなものはアニメぐらいだしと思って、どう生きていくかって悩んでいた時もあったんです。
でもアニメが好き、声優さんが好き、ラジオが好きっていう想いから『これだけは譲れない!』という一心で頑張ってきました。いまだに、悩んだり、迷ったり、ウジウジしながらではありますけれども、本当に一つ譲れないものをもって、頑張ってきて、良かったなと思います。お仕事をやらせていただいて『夢がかなった!』って瞬間は、まだまだ実感できすにいます。
まだまだ未熟だからだと思うんですが、やればやるほど、もっとやりたいことや、まだまだできないこと、そういうものがどんどん見つかっていくお仕事ですので、これからも声優として、一つ一つ手にしたいと思っています。これからも頑張ります! 声優のお仕事が大好きです。本当にありがとうございました」

梶裕貴さん
「昨年はホントに多くの、そして素敵な役を演じさせていただく機会が多い年でした。声優として初めて仕事をしてから、今年で丁度10年目になりますが、ほんの数年前まで、ご飯を食べるのもいっぱいいっぱいで、お芝居になかなか集中できない時代があったので、まさかこの主演男優賞をいただけるようになるとは、自分でもビックリしています。
自分が今まで演じてきた多くのキャラクターたちに共通点があります。それは1人じゃ何もできないけれども、周りには素敵な人たちがたくさんいて、その人たちと触れ合うことで、自分でも信じられないような力を得ていく。それは、僕自身にも言えることなんだなと思いました。
僕も自分1人じゃ本当に何もできない人間です。なかなか自分に自信がもてないような人間です。だけど僕にも、本当に素敵な人たちが周りにたくさんいるんだ、そういうことをこの賞をいただいて、改めて気づくことができました。僕は今後も魂を込めて、一生懸命、一生懸命頑張っていきたいと思います」

<Text・Photo/川畑 剛>

●声優アワード公式サイト
http://seiyuawards.jp/