本広克行が手掛ける初のTVアニメシリーズ「PSYCHO-PASS サイコパス」アフレコインタビュー!

By, 2012年10月11日



フジテレビ“ノイタミナ”他にて10月11日より放送が予定されている新作アニメーション『PSYCHO-PASS サイコパス』。

『踊る大捜査線』リーズで警察機構のリアリズムを追求し続けてきた本広克行を総監督に迎え、『劇場版BLOOD-C The Last Dark』で、圧倒的な映像美と迫力あるアクションを描いた塩谷直義が監督。
『魔法少女まどか☆マギカ』をはじめ、数々のアニメーションやゲームにおいて、重厚且つ緻密なSFアクションを描写してきた虚淵玄(ニトロプラス)がシリーズ構成・脚本を担当。
さらに、人気漫画作家の天野明がハードな世界観と物語とは対極ながらも魅力溢れるキャラクター達を描き出し、『機動警察パトレイバー2 the Movie』や『攻殻機動隊シリーズ』などアニメーションの舞台で確固たるSF警察のジャンルを築き上げてきたProduction I.Gがアニメーション制作を担当するなど、業界屈指のクリエイティブが結集して描く、近未来警察機構の物語。

豪華声優陣の参加も決定しており、公安局の新米“監視官”「常守 朱(つねもり あかね)」役に花澤香菜さん、捜査へ高い執念を見せる“執行官”「狡噛慎也(こうがみ しんや)」役を関 智一さんが担当。
さらに公安局に所属する5人のメンバーで、常守朱の先輩となる頭脳明晰でクールな“監視官”「宜野座伸元(ぎのざ のぶちか)」役に野島健児さん、狡噛慎也と同じく“執行官”である3人、「縢 秀星(かがり しゅうせい)」役に石田彰さん、「六合塚弥生(くにづか やよい)役に伊藤静さん、「征陸智己(まさおか ともみ)」役に有本鉄隆さん、“分析官”の「唐之杜志恩(からのもり しおん)」役に沢城みゆきさん、そして数々の未解決事件の鍵を握る謎の人物「槙島 聖護(まきしま しょうご)」役に櫻井孝宏さんが決定しており、人気・実力ある声優陣が集結!
そんな期待作のアフレコ現場にお邪魔して主要キャスト陣に作品の魅力を伺ってきました!

―演じるキャラクターについて役どころを教えてください。

狡噛慎也(こうがみ しんや)役・関智一さん(以下、関):一口に言うのは難しいのですが、簡単に言うと刑事です(笑)。警察機構の中で現場で犯人を捕まえる実動部隊の“執行官”と、キャリアのエリート組で“執行官”を監視・指揮する“監視官”の大きくふたつに分かれているんですが、僕の演じる狡噛はその実動部隊の“執行官”の一人です。何かありそうなキャラクターなのですが、今はまだ言えません……(笑)。

常守 朱(つねもり あかね)役・花澤香菜さん(以下、花澤):朱はとても頭が良くて、色んな就職の選択肢があったんですがその中で警察機構を選び、キャリア組として配属されるキャラクターです。よく分からない人たちと一緒に行動していくことに、最初はとても動揺しまくっている女の子です。

宜野座伸元(ぎのざ のぶちか)役・野島健児さん(以下、野島):宜野座は“監視官”という、実動部隊の上の立場から全体を見て指示を出したり、事件の報告をしたりする立場の人間です。冷静でクールな印象ですが、何か裏があるんじゃないかなと僕は勝手に思っています(笑)。

縢 秀星(かがり しゅうせい)役・石田 彰さん(以下、石田):縢も警察機構の中の、“執行官”側の人間です。クールなキャラクターが多いのですが、その中でひとりチャラい感じのするキャラクターです(笑)。ひとりだけ全体の空気から浮いている感じがするのが、彼の見所かなと思っています。

六合塚弥生(くにづか やよい)役・伊藤静さん(以下、伊藤):六合塚も、“執行官”のひとりで、「我関せず」のイメージのキャラクターです。あんまり他のキャラクターと話をしているシーンはないんですが、浮いている縢にたまに冷静にツッコミを入れていたりして、意外と優しい人なんじゃないかなとも思っています。基本的には任務遂行に一直線なキャラクターです。

征陸智己(まさおか ともみ)役・有本鉄隆さん(以下、有本):征陸はこのメンバーの中で一番の年長者だし、刑事(デカ)としての経験も一番長いキャラクターです。自分では「こいつらよりも一番俺が優秀だ」と思っていると思うんですが、前面にしゃしゃり出るんではなく、「後ろは俺に任せろ」っていう感じで演じていこうと思っています。

唐之杜志恩(からのもり しおん)役・沢城みゆきさん(以下、沢城):志恩は、ひとり皆さんと立ち位置の違う、“分析官”という立場のキャラクターです。色んなことをあれこれ調べろと言われても、そんなに嫌な顔をすることなく対応して情報提供しています。一見気怠そうに見えるのですが、意外と文句も言わず働いています(笑)。誰の味方でもなく、誰の敵でもない印象ですが、これから他の人との関係性が見えてくる中で、印象が変わることもある人なのかなと思って演じています。

槙島聖護(まきしま しょうご)役・櫻井孝宏さん(以下、櫻井):槙島は狡噛との因縁を匂わす、謎の人物です(笑)。

―印象に残ったシーンやセリフを教えてください。

:全体的な世界観が近未来なので、その設定として、犯罪を犯す可能性のある人を“犯罪係数”という数値で計測して取り締まるという、それが大前提の世界観なので、それ自体がすごく印象に残っていますね。おちおち生きていけないなって…(笑)。息苦しい世の中なんじゃないかなと思ってます。

花澤:最初は殺伐としたグループの中に入れられて動揺しているところから始まるんですが、彼女のプライベートの話になっていくと、明るくて友達の中にいるといじられキャラで、見ている方の身近に感じられるキャラだと思ったので、友達と絡んでいるシーンですね。

野島:僕は“執行官”と“監視官”が持っている“ドミネーター”という特殊な拳銃がとても気になっています。人に向けると、その人の持っている“犯罪係数”が数値化して出てくるんですが、その武器の形として格好良いというのと、実際にものすごい破壊力があるので、すごい怖ろしさもあるので、それを扱う人たちの心情というのはどういうものなんだろうというのもあって、すごく印象深いですね。

石田:物語のスタートが、公安局のプロ集団の中に新人の朱が入ってくるというところからで、そういうプロの職人たちが右も左も分からない新人を直ぐには受け入れられないという中、ひとり割と気軽に「ようこそ♪」っていう感じでいる縢ですが、そんな彼でも思うところはあるというシーンが描かれていまして、その豹変の仕方というか、彼も軽く振る舞っている裏には何かあるんだなというのが垣間見えて、印象的でした。

伊藤:“ドミネーター”の執行方法が驚くような執行の仕方なので、何度見てもドキドキします(笑)。六合塚個人としては、意外な人との深めの絡みが描かれていたりして、今後気になるところではありますね。

有本:第1話の、征陸のセリフで「紹介が遅れたな、あの唐変木は狡噛 慎也だ」というセリフがあるんですが、そのセリフの中に、朱の緊張感を解そうとする征陸の人間性や優しさがあるなと感じましたね。そういう言葉遣いを大切にしたいと思っていますね。

沢城:志恩は2話目からの登場になるんですが、最初の登場の仕方を衝撃的に描いていて、そこが見所かなと思いますね。いきなりストッキングを履くところから始まるという……(笑)。意外と見逃しがちな細かい部分に、後々大事になってくるような人間関係が描かれていたり、ちょっとした伏線も入っているので、お見逃しなく。

櫻井:特定の台詞というよりは、彼の言動や行動から「この人はとてつもない力を持っているんだな」と想像させられてしまう、その存在感が印象的です。

―ご自分は“執行官” “監視官”どちらの立場だと思いますか?

:僕は絶対潜在犯だと思います(笑)。そういう意味ではみんな潜在犯なんじゃないですかね……(笑)。

花澤:私は人前に出ると冷静ではいられなくなるタイプなので、“執行官”タイプだと思います。

野島:普段家でぼーっとしている時には何も考えていないので“監視官”でいられると思うんですが、外に出ると色んなことを考え始めてしまうので、潜在犯だと思いますね。

石田:僕は限りなく真っ白ですね(笑)。犯罪の匂いを感じさせない、クリアだと思います(笑)。だから監視官です。

伊藤:私はよこしまだと思います。間違いないです(笑)。

有本:僕は確実に潜在犯だと思います。今ゴルフをやっているんですが、いつも負けていて、勝ってる奴に憎しみを感じているので(笑)。

沢城:私は一般人だと思います。そんな大きなエネルギーは自分にはない気がするので……(笑)。

櫻井:見るからに“執行官”です(笑)。

―では最後に、本作の魅力とメッセージをお願いします。

:近未来的な世界観の中に、ちょっと昭和の匂いのする、昔ながらの刑事ドラマのような、刑事たちの人間関係と言うか、ミスマッチ感がこの作品を作る上での狙いなので、そこは是非見ていただけると嬉しいです。

花澤:謎の多い、濃いキャラクターたちがたくさん出て来て、この人たちが何を思っているのかが徐々に明かされていくので、そこを楽しみに見ていただけたら嬉しいです。

野島:未来のお話ということで、とてもスタイリッシュに描かれているんですが、人間達がとても人間くさくて、とてもキャラクターの濃い描かれ方が個性的なので、今後彼らがどう変わっていくのか、密になって行く人間関係がとても楽しみなので、皆さんも是非期待して見てください。

石田:このお話の基本設定にある「すべての人間をデータで管理している」という世界が、そんなに絵空事に感じなくなってきたなと。僕らが子供の頃とはだいぶ時代が変わってきていて、未来のことを描いているんですが、あながち嘘じゃないというか、ある程度の現実感を持って感じられるようになってきたなと思いながら近未来の話に接しています。
皆さんも管理社会で起こる犯罪、それを防ぐ警察機構の活躍に対して、思うところはたくさんあると思います。ぼんやりとした現実感を持って楽しんでいただけたらと思います。

伊藤:近未来と言いながら、今に通じるところをすごく感じるシーンが多くて、昔思い描いていた未来に近くなっているのを感じさせてくれるなと思うんです。ソーシャルネットワークや、現実なのか虚構の世界なのか、曖昧なところで今って色々進んでいるなと思うんですが、そういうものへの危険性とかも感じられる作品だと思うので、なんとなくそんなものも感じながら見ていただけると面白かったり、危機感を持ったりできていいんじゃないかなと思います。

有本:大体みんなしゃべられちゃったよね(笑)。ホログラムやヴァーチャルが身近な世界に住んでいても、人間はそんなに脆くはないぞというのを感じられる作品だと思いますね。征陸的には、今目を逸らしていることに向き合わなきゃならない時って必ず出てくる気がするので、その時の人間関係に注意して見ていただけたらと思います。

沢城:個人的には征陸さんが、粋なおじさまで、毎週征陸さんの言動に自分を省みたりしていて、……私は征陸さんが好きです!(笑)。

櫻井:窮屈で居心地の悪い世界にあって、狡噛たちは歪ながらも関係性を築き上げていきます。今後どういう目的を持って物語を歩んでいくのか明かされてませんが、面白い作品になることは間違いないです。ぜひ、見てください。

<Text/内田 希>

【アニメ概要】
『PSYCHO-PASS サイコパス』
2012年10月11日よりフジテレビ“ノイタミナ”他 にて毎週木曜24:45~放送予定

(関西テレビ・東海テレビ他各局でも放送予定)

<STAFF>
総監督:本広克行
監督:塩谷直義
ストーリー原案:虚淵玄(ニトロプラス)
脚本:虚淵玄(ニトロプラス)・深見真・高羽彩
キャラクター原案:天野明
キャラクターデザイン・総作画監督:浅野恭司
色彩設計:上野詠美子
美術監督:衛藤功二
3D監督:佐藤敦
撮影監督:荒井栄児
編集:村上義典
音楽:菅野祐吾
音響監督:岩浪美和

オープニング・テーマ:凛として時雨『abnormalize』
(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
エンディング・テーマ:EGOIST『名前のない怪物』
アニメーション制作:Production I.G

<CAST>
狡噛 慎也:関智一
常守 朱:花澤香菜
宜野座 伸元:野島健児
征陸 智己:有本欽隆
縢 秀星:石田彰
六合塚 弥生:伊藤静
唐之杜 志恩:沢城みゆき
槙島 聖護:櫻井孝宏 
ほか

<STORY>
人間の心理状態や性格的傾向を、計測し数値化できるようになった未来世界。犯罪に関する数値も“犯罪係数”として計測され、犯罪者はその数値によって裁かれる。治安維持にあたる刑事たちは常に、犯人を捕まえる実動部隊となる“執行官”と、執行官を監視・指揮する“監視官”のチームで活動する。
自らが高い犯罪指数を持ち、犯罪の根源に迫ることのできる捜査官こそが優秀な“執行官”となりうる。それゆえに、犯罪者になりかねない危険も孕む“執行官”は、その捜査活動を冷静な判断力をもつエリートである“監視官”に監視されている。
公安局刑事課一係のメンバーはそれぞれの想いを胸に、正義の在処を常に突きつけられながら任務を遂行していかなければならない。
彼らが立ち向かうものの先にあるのは──

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