2012年9月26日(水)にSuara初のベストアルバム『The Best ~タイアップコレクション~』がリリースされる。こちらは2005年のデビュー以来、数多くのアニメ・ゲームソングを歌ってきたSuaraのタイアップ曲を余すところ無く収録。
また初回限定盤は、Pureバージョンをはじめとするアレンジ楽曲収録のSA-CDを同梱した豪華盤となっている。『The Best ~タイアップコレクション~』の発売を間近に控えたSuaraに、デビューしてからこれまでの活動を振り返ってみて感じたことや、自身の音楽活動のルーツなどの話を訊いた。
◆『うたわれるもの』主題歌「夢想歌」は6年経ってもみんなの中で色褪せない曲
──まず、ベストアルバムの制作が決まった時の率直なお気持ちをお聞かせください。
Suaraさん(以下、Suara):以前はベストアルバムを出すことに対し、節目ということでそこで終わってしまうんじゃないかとか、集大成と言うにはまだ自分は成長出来てないのではないかなど、あまりプラスのイメージを持っていませんでした。
ですが今回、ベストアルバムを出そうというお話をいただいた時は、素直にすごく嬉しいなと思いました。とても自然な流れでベストを出すことになり、自分の中のベストアルバムに対する気持ちも変わりましたし、改めてたくさんの作品に関わらせていただいたなということが実感できて嬉しかったです。
──2005年からデビューして7年経ちますが、今回改めてタイアップした楽曲を振り返ってみてどうでしたか?
Suara:全部で28曲!自分でもタイアップの多さにビックリしました。シングルで発売されているものはもちろん、カップリング曲やアルバム曲で後々タイアップが付いたものもあり、全て過去に発表はしているんですが、アルバムとしてもいい作品になったなぁって思います。
これだけいろんなジャンルの曲を歌わせてもらってきたことが、Suaraの個性を作ってくれたんだなと改めて感じました。1曲1曲に対する曲ができた経緯やレコーディング時のエピソードなどは今回のCDのブックレットに詳しく書きましたので、是非それを読みながら聴いていただけたら嬉しいなと思います。
──ではタイアップした中で特に思い入れ深かった作品は何でしたか?
Suara:やはり私にとって『うたわれるもの』が大きな作品でした。デビューしてすぐに出会った作品ですが、国内外問わずファンの方の反応を見ていると『うたわれるもの』から入ってくださった方がとても多いです。
『うたわれるもの』のオープニングテーマとして「夢想歌」を歌ってから6年経ちましたが、今でもみんなの中で色褪せない曲になっているのかなと思います。歌詞のフレーズにも「色褪せない落書きで」とありますが、本当にその通りの曲で、私自身もいつも新鮮な気持ちで歌っています。
──最初に「夢想歌」をもらった時の印象はいかがでしたか?
Suara:曲のイメージは私にとってはポップに感じました。それまでヘヴィバラードを歌ってきたので、この先ずっとそういう世界観を歌っていくのかなと思っていたところにこういうポップな曲が来たので歌えるかなという気持ちもありました。
でも和風っぽいオリエンタルな雰囲気に、私の元々持っている歌謡曲っぽい歌いまわしがすごく嵌ったので、これはちゃんと自分の歌にできるんじゃないかなと思いました。
──『うたわれるもの』の作品自体はどうでしたか?
Suara:これはアニメ化される前に原作のPCゲームでとても人気のあった作品ということをスタッフから聞いていたんです。
ライナーノーツにも書いていることなのですが、その時によく覚えているのがプロデューサーから「この作品の歌を歌うと知名度が一気に上がるぞ」って言われたんです(笑)。
ですので、すごくプレッシャーを感じつつも、責任を持って作品の主題歌を歌わせていただこうと思いました。
◆小山剛志、柚木涼香は『うたわれるもの』のキャストの中で特に仲の良い二人
──インターネットラジオステーション<音泉>のベストアルバム特番で、『うたわれるもの』のキャストである小山剛志さん、柚木涼香さんがゲストで登場されていますね。
Suara:お二人とは『うたわれるもの』の作品を通して知り合い、それ以降プライベートでも仲良くさせていただいております。今回、私のベストアルバム特番ということで、この7年間の私の活動を語る上で『うたわれるもの』という作品は欠かせませんし、特にこのお二人には協力していただきたいなと思いました。快く引き受けてくださって嬉しかったです。
そしてこの二人に参加していただくということで、当時は『うたわれるもの』のラジオが作品の枠を越えてすごく流行りましたので、是非その頃のファンの方に思い出していただけたら嬉しいなという気持ちもありました。
──柚木さんとはイベントなどでもご一緒されていますが、何か影響を受けたことなどありましたか?
Suara:柚木さんは2006年の初ワンマンライブに出ていただいたりと、その頃からずっとお世話になっています。
柚木さんは『うたわれるもの』のエルルゥとして「夢想歌」をカバーしてくださっていますので、実際そういう歌を聴くと私にはない歌の表現などをたくさん持ってらっしゃるので、やっぱり役者さんが歌われる歌というのは違うなというのは感じました。
語りかけるような感じがすごく歌に出ていて、そこはとても勉強になりました。
◆自分の個性を出すよりも、いかに作品の世界観に自分を近づけられるか
──『うたわれるもの』以降でSuaraさん自身のターニングポイントとなった楽曲・作品はありますか?
Suara:ターニングポイントを聞かれると迷ってしまいますが、歌い方のアプローチは毎回チャレンジしています。私は歌を歌う上で自分の個性を出そうとはしていません。
まずはその歌やタイアップしている作品の世界観をきちんと活かさないといけないと思うので、そういった意味ではその都度レコーディングではプロデューサーさんやディレクターさんからアドバイスをいただいております。
例えば、以前の私は悲しい歌であれば自分が悲しい気持ちになって歌えば伝わるものかと思っていたのですが、そういう気持ちのアプローチだけでは伝わらない部分というものを「キミガタメ」で知りました。そこで教えてもらったことは、自分の感情を無にして無表情で歌うことで楽曲が持つ物悲しさを表現できるということでした。実際に客観的に自分の歌を聴いても変わったなと思いました。そのようなことは毎回たくさんあります。
プロデューサーさんからのオーダーにどう応えていくか。作品のイメージにどのように自分を近づけていくかというところでいつも試行錯誤しています。
ちなみに曲調で言えば「Free and Dream」は初めてのロックチューンでしたので、今までのみなさんがSuaraに抱いているイメージを良い意味で崩さなきゃいけないというところで苦労しました。
◆海外のファンはバラードでも盛り上がるくらいリアクションが大きい
──近年では海外でも精力的にライブ活動をされていますが、日本のファンの方との違いを感じることはありましたか?
Suara:本当にアニソンファンには国境がないんです。言葉や文化の違いを越えて作品を通し一つになるというのを感じます。またSuaraのライブの盛り上がりは、日本より盛り上がっている気がします。日本でのSuaraライブではサイリウムを振る方が少ないんです。特に禁止しているわけではないのですが(笑)。
──ファンの方の間ではサイリウムを振らないでじっくり聴こうという感じなのでしょうか?
Suara:多分そういうことなんだと思います。でも海外だとバラードの時とかでもなぜか盛り上がるんです。なんか身体全体で喜びを表現してくれたりとリアクションが大きいです。その辺りは文化の違いかもしれません。
◆初のアニサマで立つことになった武道館の光景は忘れられない
──この7年間活動してきて忘れられない出来事がありましたら教えてください。
Suara:初めてアニサマに出演した時はすごく楽しくて印象に残っています。武道館という会場は私にとって夢の舞台でしたので、あの雰囲気は忘れられないです。アニメロサマーライブというものがあるというのをデビューした直後に知って、アニソンアーティストにとってもアニソンファンにとっても紅白のような存在だと聞き、やはりまずはそこを目指したいなと思いました。
『うたわれるもの』がヒットして2007年に初めて呼んでいただき、「夢想歌」「キミガタメ」を歌わせていただいて、そこで私もアニソン歌手の仲間入りを果たせたんだなと思いました。今でも「アニサマで聴いてファンになりました」という方は多いですし、海外でも日本のアニソンを知る情報源としてアニサマはすごく大きいみたいなので、そこに参加することができたことは嬉しかったです。
豪華なアーティストさんたちと一緒に肩を並べて最後のテーマソングを歌ったあの瞬間など本当に興奮しました。
◆アニソンに関わるようになったきっかけは素敵な偶然から
──ちなみに、そもそもアニソンに関わるきっかけは何だったのでしょうか?
Suara:これは本当に偶然なんです。デビューまでバンドを組んだりとかアマチュアで音楽活動をしていたんですが、たまたまスカウトしてくれたスタッフがアクアプラスというゲーム制作会社の方だったということがきっかけで。本当に素敵な偶然でした。
──それまでアニソン業界のことは知っていましたか?
Suara:全然知らなかったです。もちろん小さい頃からアニメを見ていたし、物心ついた頃からアニソンは歌っていましたが、歌手になりたいという自分の夢の中でアニソン歌手になるとは思っていなかったです。だから、ゲームに主題歌がついていることとかも自分が歌うようになって初めて知りました(笑)。
◆Suaraの音楽活動のルーツはB’zにあり!?
──では、Suaraさんが音楽の世界に入ろうと思ったのはいつ頃でしたか?
Suara:小さい時から歌が大好きで、テレビで音楽番組を見たりしては私もこういう風に歌いたいなってずっと思っていました。その頃から自己流で練習などもしましたね。
ただ、歌手になりたいと思いながらも、きちんとした歌の勉強は受けたことがありませんでした。特に歌の学校に行くこともなく、大学も外大という全然音楽と関係ないところに進みましたし、でもそれは歌を歌う上で色々な経験をしていた方がいいだろうなと思って決めた進路でした。
──なるほど。ちなみに影響を受けたミュージシャンはいますか?
Suara:B’zです。ボーカリストを目指していたので特に稲葉さんが大好きでした。「稲葉さんになりたい!」って思っていました。私とは楽曲の曲調が全然違いますが、身体全体からパワーを放ち、声を響かせてたくさんの人を感動させたい、心を震わせられるようなボーカリストになりたいと思ったのは稲葉さんの影響ですね。稲葉さんはボーカリストとして憧れです。
◆歌に対するポリシーをジャケットでも表現
──ところで今回のアルバムのジャケットについて、コンセプトや撮影時のエピソードを教えてください。
Suara:今回はとてもシンプルな感じのジャケットにしました。Suaraのテーマカラーはグリーンということもあり、衣装もグリーンをベースにグラデーションの入った衣装を着ています。
今までのシングルもそれぞれの作品の世界観を引き立たせるということでジャケットは作り込みませんでしたので、そんなSuaraのイメージを総合させたような雰囲気でナチュラルにまとめました。この7年間、ファンの方々を始めとするたくさんの人に支えられてSuaraになったなというのを改めてジャケットを見て感じます。
自分の個性を出そうというよりかは、それぞれの曲の良さを引き出そうというところで歌ってきたので、そういった歌に対するポリシーが今回のベスト盤のジャケットでも表せているんじゃないかなと思います。
──このアルバムの発売を記念してのライブツアーも開催されます。
Suara:タイトルは「道しるべ」です。これはSuaraとしてたどってきた道のりをファンのみなさんと一緒に振り返ると共に、またこれからも色々な場所に歌いに行って自分の足跡を残していきたいなという思いを込めました。
できる限りたくさんの場所に行きたいなと思い、今回は最多7ヶ所での公演となります。広島と名古屋は会場の関係でアコースティック編成になりますが、基本はバンドライブです。できる限り多くの方を満足させられるように頑張りたいなと思います。
──最後に、改めて今回のアルバムの意気込みを踏まえ、読者の方へメッセージをお願いします。
Suara:今回のベストアルバムはタイアップコレクションということで、デビュー以来、最新曲まで全タイアップ1曲もこぼすことなく収録したアルバムになります。Suaraの名刺とも言えるアルバムができたなと思いますので、「夢想歌」しか知らないという方も、是非聴いていただいてSuaraの他の曲を堪能してみてください。そしてライブにも来ていただければ嬉しいです。
またベストということで集大成ではありますが、私自身まだまだ歌いたいと思っている曲がたくさんありますので、今後のSuaraにも期待して欲しいです。これからも応援のほどよろしくお願いします。
<Text/ねりな・Photo/ダンディ佐伯>
【CD概要】
『The Best ~タイアップコレクション~』
発売日:2012年9月26日(水)
【初回限定盤】
KIGA-90014~15
税込3,800円
【通常盤】
品番:KIGA-14~15
税込3,200円
●Suara公式サイト:
http://fixrecords.com/suara/
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