【プレゼントあり】電波が拡散していくような広がるイメージからアンテナガールは生まれた!そんなアンテナガールの意外な素顔も! 空中分解 feat.アンテナガール『ルミナスター』インタビュー

By, 2012年7月18日



2008年にインディーズデビューを果たし、ファッションショーとのコラボイベントなどで知名度を上げつつ、ライブ活動を行なってきた空中分解。POCOのソロユニットになってからは、初音ミクなどに楽曲を歌わせ、「デザインフェスタ」「DENPA!!!」「AMP」「名古屋OZON」など数多くのエレクトロ、アニソン系イベントに精力的に出演している。そして2012年7月18日(水)には「空中分解 feat.アンテナガール」名義でメジャーデビューアルバム『ルミナスター』をリリース。渋谷街頭ビジョンをジャックしてのプロモーションは話題を呼んだ。

『ルミナスター』の発売を記念し、サウンドプロデューサーのPOCOにインタビューを実施。アルバム発売までの経緯や、ボカロとの出会い、アルバム収録曲について、それからアンテナガールの意外な正体など、色々とお話を伺った。

◆アンテナガールに歌ってもらうことにより、出したかったイメージ通りの作品になった

──まずは、『ルミナスター』発売の率直な感想をお願いします。

POCO:僕が2008年にインディーデビューを果たして以来の曲を集めたベスト盤的なスタンスのものでして、アンテナガールという歌い手に歌ってもらったことでポップさが増したと思います。出したかったイメージ通りに出せた作品になったなという気持ちでいます。

──今回アンテナガールに曲を歌ってもらったということですが、そもそもご自身で歌おうとは思わなかったのでしょうか?

POCO:僕がインディーで色々活動してきて思ったことは、一人になってどういうスタンスで活動していこうかなと思った時に、僕の一番の武器は曲が作れるというところなので、それを売りにしたいなと思ったんです。ですので、僕自身が歌わなくても、曲提供として作品が残ってくれたらいいなという思いの方が強かったんですね。
もちろん、僕が歌えたらいいなというのはありますけど、もっと世に広まってくれるすべがあるならば、初音ミクでもアイドルでもなんでもいいんです。

◆「メルト」に衝撃を受け、ボカロの世界にハマった

──今、初音ミクという言葉が出ましたが、ずっとインディーズで活動してきたPOCOさんが、ボカロに出会ったきっかけは何だったのでしょうか?

POCO:supercellの「メルト」だったと思います。ニコニコ動画で「こんな良い曲があるのか!」と衝撃を受けました。
歌詞もいい、PVもいい、曲もいいといったあそこまで洗練された曲って中々作れないです。ですので、こんな世界があるんだと知った時に、もうドーンとハマり込みました。僕の中ではニコニコ動画の核が、オルタナ系ロックテイストのDECO*27さんと、八王子くんやkzさんみたいなエレクトロなテイストがあって、僕はどちらも好きなんです。ニコニコ動画で流行る曲が自分のストライクゾーンだったので、どんどん知っていけたなというのはありますね。

──ずっとメジャーやインディーズで音楽活動されてきた方にとって、ニコニコ動画の世界に入っていくのって中々抵抗があったのではないかなと思ったのですが。

POCO:そうですね。そこで変な曲ばっかりだったら「なんだよこんな世界」ってなっていたかもしれませんけど、みんな評価しているじゃないですか。それぐらいすごかったですね、彼らの楽曲たちは。

──では、「メルト」から入っていって様々なボカロPとも知り合っていったという感じですか?

POCO:その当時、ちょうどツイッターも普及してきた頃で、ボカロPさんたちも割とツイッターをやっていたので、そこで好きなボカロPさんをフォローしていって、情報を仕入れていきました。
そうしてわかったのは、やはりみんな狙って作っているんだなと。イントロが短かったり、ビートが早かったり、歌詞が詰まっていたり、なきサビが必ず入ってたりとか、ニコニコ動画ユーザーがコメントしやすかったり、盛り上がりやすい展開を作っているのは、同じ作り手としてすごく感じました。そういうのは当時とても新鮮でしたね。

──今回のアルバムには八王子Pさんが参加されています。八王子Pさんともそういった感じで知り合っていったのでしょうか?

POCO:初めて彼の作品が上がった時に、めちゃくちゃカッコいい人が出てきたなと思いました。速攻でツイッターをフォローし、メッセージのやり取りをしました。そしたら八王子くんも空中分解を知っててくれてたんです。そこで「一回コラボしないか」と僕からラブレターを出して付き合いが始まりました。ですので、割と長い付き合いになりますね。八王子くんからはボカロの話も色々と教わりました。

◆ボカロPとしてではなく、あくまで空中分解のPOCOとしてニコニコ動画で活動

──POCOさん自身もニコニコ動画のアーティストから影響を受けたりしましたか?

POCO:正直そこまで影響を受けてないです。僕も何曲か初音ミクバージョンで動画を上げたんですけど、人が歌える曲というのが僕の中で前提としてあるので、歌えない感じの曲は作りたい気持ちはなかったです。
初音ミクで軽く聴きやすい歌いやすい曲を書きたいなと。だから上げている時点で、何百万再生みたいな大ヒットはいかないだろうなという気持ちもありました。もちろんたくさんの人に聴いて欲しいですが、僕もリスナーとしてそれはわかりますから。でもそこに重点を置くよりは、初音ミクもやってますし、普段の活動もやってますくらいの気持ちでいこうと決めてました。

やっぱり初音ミクだけやっても、純粋なボカロPにはかないませんので。今でこそメジャーやインディーの人がニコニコ動画に入ってくることは普通になりましたが、当時はユーザーから毛嫌いされていた面もありました。例えば僕が空中分解と名乗らずに上げていたらまた違っていたとは思うんです。
でも、それは僕がやりたかったことではなかったので、あくまでそういった場所で空中分解として評価されてなんぼだと思っていましたので、敢えて名乗ってやっていました。

──では、最初の頃は色々と反発みたいなものはあったのでしょうか?

POCO:ありましたね。やっぱり今までの空中分解ファンというのは、男性ボーカルだというイメージが強かったので、なんでそんなことするんだと。お前が歌えよくらいな(笑)。
ですので、そこでファン層がガラっと変わったのは確かです。初音ミクやアニソン系のイベントにも出ていったので、そういうことでもファン層は変わっていきました。

◆アンテナガールの正体は実の妹さん!

──今回、アンテナガールをボーカルに迎えてということですが、そもそもアンテナガールとはどういったキャラクターなのでしょうか?また、アンテナガールとはそもそも何者ですか?

POCO:今回のイラストレーターがベロニカさんという方なんですが、その方のイラストを全面的に出していきたいというのがありまして、顔出し無しでやらせていただきました。これは本当にイメージにはまったなと僕も思っています。
そしてアンテナガールはそもそも曲を作った時に、ファンの子がイラストを持ち寄ってくれて勝手に派生するような広がりが持てる曲でしたので、これ面白いなと思ったんです。こちらからこういうものだと提示するよりかは、想像できる世界で見せていった方が楽しくなるだろうなというのもあり、こういうイラストベースのPVとか、ジャケットになりました。実際は僕の妹が歌っているんです。

──え、妹さんですか?

POCO:はい、実の妹です。商業的な妹ではなくて(一同笑)。なんでその子に歌ってもらったかというと、この曲を作った時に、めちゃくちゃ気に入ったみたいなんですよ。

◆アンテナガールはシンデレラガール!?妹さん、まさかのCDデビュー

──この曲を作ったのはいつぐらいだったんでしょう?

POCO:2009年くらいです。初音ミク上げる前にライブで歌い始めたんですけど妹が「この曲すごい良いじゃん。私アンテナガールになりたい!」って言い出したんです。ですから「いいよ、アンテナガールになればいいじゃん」って言って、そんなに好きならデモ録りしてみるかということになり、アンテナガールバージョンのデモを作ったんです。
それをレコード会社でプレゼンしていったところ、このボーカルがいいということになりましたので、デモをそのままCDにしたような感じです。

──妹さんは元々ボーカリストだったんですか?

POCO:今回、初めてレコーディングしたようなもんです。

──ではレコーディングでの苦労とかありましたか?

POCO:やはり緊張をほぐすところが最初は難しかったですが、レコーディング自体はスムーズに進んだので、それは解消できたかなと思います。
もちろん慣れてないところはあったとは思うんですが、僕自身歌い手なので、息遣いとかブレス入れるポイント、どのようなトーンで歌うかなどは細かく指示出来たので、自分も歌を歌っていて良かったなと思いましたね。

──兄妹だから息が合うというのはありましたか?

POCO:声質が似ているのはあるかもしれません。ですので、まったく違ったイメージにならず、ちゃんとイメージ通りになったのは助かりました。今回はサウンドプロデュースに徹しましたけど、次回作の機会があれば、二人でハモったりすると面白いかもしれませんね。

◆誰もが歌えて乗れるようなキャッチーで広がりをみせる「アンテナガール」

──それでは、「アンテナガール」の楽曲自体はどのようなものになっていますか?

POCO:先ほど少しお話したのですが、電波拡散じゃないですが、この曲がリスナーさんから広まっていくような曲にしたいなという気持ちがありました。ですので「アンテナ」という言葉をポンとのっけたんです。
実際、楽曲自体もDJさんとかに使ってもらいやすいようなトラックを心がけましたし、あとは女の子にちゃんと好きと言ってもらえるような言葉も散りばめました。空中分解のファンは女性がすごく多いので、かわいい曲が好きな子が集まってくれているんです。曲の構成自体もシングルカット的な、一小節も無駄がないくらいの気持ちで作りました。みんなが歌えて、乗れるテクノというようなキャッチーな曲です。

──PVもとてもかわいらしいですよね。

POCO:ありがとうございます。ものすごいクオリティの高いものになっています。PVは東京都内をアンテナ一色にしようというのがコンセプトにあります。7月12日から16日の間は渋谷街頭ビジョンで流れましたので、ここまで広がってくれると作り手としてはこれとない喜びです。

◆「ルミナスター」はアンテナガールが一番映えた曲でありアルバムの核となる曲

──では続いて表題曲「ルミナスター」についてもお聞かせ願えますか?

POCO:これはイメージ先行で、「ルミナスター」というタイトルが先にありました。この言葉は、以前、ファンの方に空中分解のイメージを書いて下さいというアンケートを取った時に、「キラキラ輝くルミナスターみたい」というものがあったんです。
それを見て「ルミナスター」ってめちゃくちゃ綺麗な言葉だなと思いまして。その時は造語だと思ったんですが、後々それは『クリィミーマミ』で登場する言葉ということを知りました。とにかくこの言葉をいつか使いたいなと思っていて、そのアンケートをずっとデスクに貼ってました。
次のアルバムを出すならこの言葉しかないと。そして実際に歌詞やメロディを組み立てていったのは、アルバム発売が決まってからでした。

──ずっと温めてきた曲なんですね。

POCO:そうなりますね。光る感じを見せれる曲にしたいなというイメージはずっとありました。「ルミナスター」はこのアルバムの中で、アンテナガールが一番映えた曲だなと感じています。かわいさやカッコいい感じが綺麗にハマったなと思います。

──今回のアルバムは全体的にキラキラしたイメージがありますよね。その辺りのこだわりとかあるのでしょうか?

POCO:なんなんでしょうね(笑)。昔から綺麗な曲は好きなんですよ。だから、もしかしたら根幹に綺麗な世界観を出したいというのはあるかもしれません。後々、歌詞を見て思ったのですが、「きらめく」という言葉を一番使っているんですよ。多分、きらめきたいという願望が詰まっているんだと思います。

──ちなみに「ルミナスター」をアルバムの3曲目に持ってきた意図は?

POCO:曲を作っていた段階でこの曲がアルバムの核になる曲だと思ったんです。ですのでアルバムを最初から聴いていった時に、「アンテナガール」は入りの曲。その次の「ぴったんこ」で中々良いんじゃないかと思わせて、ダメ押しの「ルミナスター」という流れにしました。
試聴機で最後まで聴く人はあまりいらっしゃいませんので、最初の3曲で勝負という形にしたんです。

◆元気を出すならこの曲!震災の復興ソングとしてニコニコ動画で盛り上がったはっぱ隊の「YATTA!」をカバー

──今回のアルバムでは、はっぱ隊の「YATTA!」のカバーが入ってますよね。キラキラした雰囲気の中で、すごく意外な組み合わせだなと思ったのですが、聴いてみるとやはりキラキラしている。そもそもどうしてこの曲をカバーしようと思ったんですか?

POCO:この曲はニコニコ動画で震災の復興ソングとしてすごく流行ったんです。もともとカバーを一曲やりたいという気持ちがあって、色々と候補は上がったんですが、元気をだすならやはりこの曲だろうと思いまして。僕は『笑う犬の冒険』が好きでしたし、ナンチャンの神ボイスはリアルタイムで聴いてましたし、この曲の良さを知ってましたのでやらせてもらいました。裸にはなってませんが(笑)、アンテナガールが自由に歌えるようなイメージで作りました。
語り口調を入れてみたりと、ある意味新しい挑戦をした曲でもあります。もっとカバーはやりたいですね。やはり作り手がどういう意識で作ったのかわかるので、カバーをやると勉強になりますから。

──今後、空中分解が考えている展開などありましたらお聞かせください。

POCO:このアンテナガールプロジェクトを成功に収めて、2枚目を出したいなという気持ちはありますが、女性ボーカルプロデュースは他の案件でも進められたらいいなと思っています。歌いやすい、みんなが覚えやすいメロディを書けるというのが自分の売りだと思っていますので、曲提供出来るメロディメーカーとして頑張っていきたいです。
目標は林田健司さんですね。スタッフさんは苦い顔するかもしれませんが、木村カエラちゃんに歌って欲しいとか、小林幸子さんに歌って欲しいとかあります。

──木村カエラさんから小林幸子さんとは、かなり幅がありますね!

POCO:日本コロムビアさんだからこそですが(笑)。無理は承知ですよ。でも夢としてはそこまでいきたいってのはあります。

──最後に改めて、今回のアルバムを待っている方へ一言お願いします。

POCO:今まで空中分解を知ってくれていた人の何十倍という人が、今回の「ルミナスター」を機に知ってもらえると思うので、これを名刺代わりにして、是非2枚目も出せるように頑張りたいなと思っています。
また僕は、イベントとかで声をかけたりかけられたりすることが多いですし、ツイッターでもフェイスブックでも気軽に声をかけていただければと思います。そうやって空中分解のファミリーが増えていけばいいなと思っています。温かいエレクトロサウンドを目指していますので、これからも空中分解をよろしゅーまぃ☆

<Text/ねりな>

【CD概要】

ルミナスター
2012年7月18日(水)発売

品番:COCP-37521
¥2,300(税込)

●空中分解公式サイト:
http://www.denparec.net/ku-tyu-bunkai/
●日本コロムビア 空中分解 feat.アンテナガール公式サイト
http://columbia.jp/artist-info/kutyubunkai/COCP-37521.html

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