ツアーファイナルもエンジン全開!! 『緒方恵美LIVE TOUR “Rebuild ’12″』レポート

By, 2012年4月23日



声優/アーティストとして、常にシーンをリードし続ける緒方恵美が、ニューアルバム『Rebuild』を引っさげたツアー『 緒方恵美LIVE TOUR “Rebuild ’12” 』を開催!大阪、東京での2公演を行い、魅惑のクールヴォイスで多くのファンに感動と興奮を与えてくれた。今回は、東京/渋谷eggmanで行われたツアーファイナルの様子をお届けしたい。

4月7日(土)、16時。ライブのスタート時刻を迎えた渋谷eggmanには、手に取って分かるほどの興奮がうごめいていた。ライトが消え、場内にはオルゴール調のオープニングトラックが流れる。フロアがいまかいまかと待ち受ける中、いよいよ緒方恵美がステージに登場!!開始早々から「silent decide」や「Eros」、「ショッケン・乱・YO! 」と言ったギリギリのロックナンバーや「Nobody’s perfect!」と言った疾走感溢れるアッパーチューンで飛ばしていき、オーディエンスの興奮を際限なく煽る。


クール&ミステリアスなステージングで一瞬のうちにファンの心を奪ってしまった緒方だが、MCのパートでは至極フレンドリー。フロアとコミュニケーションを取りながら、一つ一つの言葉を丁寧に述べて行く。
「今日は、ここにいる皆さんと、ここだけの時間を過ごしたいと思ってる。何でも、好きにやんなさい!」
と緒方本人からオーディエンスにお許しが出たところで、懐かしめの曲が並ぶセクションへ。イントロから大歓声が上がった「タイム・リープ」(Rock Ballad ver.)や声優になる前から大切に歌って来たと言う「純情波乗少年」、ファンをうっとりと陶酔させた「believe me」と歌い上げ、フロアを“緒方ワールド”へとぐいぐい引き込んで行く。


そしてここから、ライブは中盤戦に。ヘヴィなサウンドをバックに情感たっぷりに歌い上げた「鏡の国のアリス 」、爆発的なエネルギーとともに駆け抜けファンを熱狂させた「悪魔のkiss」、緒方が「健全な野菜の歌です!」と語りつつも歌詞の中にエロス?!なギミックが仕掛けられた新曲「キッチンロ☆ワイヤル」、壮大なバラードチューンを伸びやかに歌い上げた「送辞」、晴れやかなミドルチューンでフロアに温かな空気感を生み出した「丘へ行こう」とバラエティ豊かなラインナップを披露し、オーディエンスをめくるめく感動に誘ってくれた。

「じゃあ、最後のブロック、行くよ。大きな声で歌って!」
そんな一声でスタートしたのは、疾走感溢れるパンクチューン「Byo-doでいきましょう ‘09」。サビではオーディエンスとの大合唱が沸き起こり、フロアとステージが一体となってまさに“ここだけの瞬間”を心から楽しんでいる様子だった。続いて、緒方も腕を振り上げ、髪を振り乱しながらエネルギッシュに歌い上げたアッパーなロックナンバー「Can’t go back my mission」、爆音で轟くハードなバックサウンドとアグレッシヴな歌声が体を火照らせる「survival of the fittest」と激しめの楽曲を放ち、勢い良く駆け抜けていく。


そしてラストは、ニューアルバム『Rebuild』の1曲目に収録されている「再生-rebuild-」をパフォーム。ライブの締めくくりに、緒方本人が「はじまりの曲」と表する楽曲を配置するセットリストも心憎い。常にシーンをリードする強さ、ファンの心を奪うタフネス、そして全身を震わせるダイナミックかつ美しい歌声と、彼女の魅力がすべて凝縮された珠玉のラストナンバーで、オーディエンスの心を奪って行ったのだった。

ライブは終了したが、フロアの熱気は収まらない。アンコールを求めるファンの熱意が届き、緒方が再びステージに姿を現す。
アンコール1曲目には、ピアノのサウンドがそっと心に訴えかけるバラードナンバー「約束するよ」を熱唱。会場が感動的な雰囲気に包まれたところで、少し長めブレイクへ突入する。

「今まで色々とやってきたけど、私は器用に何かをやることってできないんだよ。じゃあ何ができるか、って考えた時に、今この瞬間にしかできないことを、精一杯やっていきたいって思ったんだ。」
ゆっくりと、自らを振り返りながら、言葉を並べて行く。
「今回のアルバムでは、何かつまづいても、その後絶対にやっていけるから、ってことを伝えて行きたいと思ってる。私がそうだったから。」
と、アルバムのコンセプトを改めてファンに伝えたところで、嬉しいサプライズが。

「みんな、次のライブも来てね。バースデーライブ、やるから!!」

ここで会場のボルテージが一気に急上昇。そんなパワーを受けて、アンコールの続きへと突入する。ステージと会場の掛け合いがエネルギッシュに響き渡った「Never land! 」、オーディエンスと共にタオルを降り回しながら熱唱した「freedom」、そしてファンの手拍子に包まれる中で歌い上げた「Gathering Coal」と4曲を披露し、ライブは幕を閉じたのだった。

約3時間、全24曲を披露し、ファンの求めるすべてを余すところなく出し切ってくれた緒方恵美。彼女のようなアーティストがいる限り、アニソンシーンはいつまでも進化し続け、また新たな感動を我々に与え続けてくれるに違いない。そんなことを確信させる、希望に満ち溢れたライブとなった。

<セットリスト>
01.silent decide
02.Eros
03.ショッケン・乱・YO!
04.Nobody’s Perfect!
05.ハッピーの誕生
06.split the wind
07.タイム・リープ(Rock Ballad ver.)
08.純情波乗少年
09.believe me
10.鏡の国のアリス
11.悪魔のkiss
12.My Dream=My Will
13.キッチン☆ロワイヤル
14.送辞
15.丘へ行こう
16.wataridoriみたいに
17.Byo-doでいきましょう’09
18.can’t go back my mission
19.survival of the fittest
20.再生-rebuild-

【アンコール】
01.約束するよ
02.Neverland!
03.freedom
04.Gethering Coal

<Text/杉山玲菜>

●緒方恵美 オフィシャルサイト
http://www.emou.net/
●オフィシャルブログ
http://emou.seesaa.net/