『ダンタリアンの書架』トークイベントレポート

By for girls, 2011年7月14日


左から上村 泰監督、小野大輔さん、沢城みゆきさん、武田康廣プロデューサー

ダンタリアンの書架 先行上映&トークイベント
2011年6月29日(水) 【東京】新宿明治安田生命ホール

2011年6月29日、『ダンタリアンの書架』先行上映&トークイベントが行われました。

ホワイエでは、アニメ内でも衣装デザインをしている、「BABY, THE STARS SHINE BRIGHT」「ALICE and the PIRATES」が制作したダリアンとヒューイの衣装がお出迎え。ホールに流れる『ダンタリアンの書架』OPテーマの、透明感があってキレイなのに、どこか切なさのあるイギリス民謡的なメロディと相まって、ゴシックな雰囲気を出していました。

トークイベントでは、ゲストとしてダリアン役の沢城みゆきさん、ヒューイ役の小野大輔さん、上村泰監督、武田康廣プロデューサーが出演。ゲストがステージに現れるたび大きな拍手が上がっていた会場は、武田プロデューサーが姿を見せた途端、なぜか拍手が爆笑に。
涼しげなマキシワンピースの沢城さんと、黒をメインにしてシックな小野さん、上村監督に続いて、武田プロデューサーだけは暑さをものともしないスコットランド民族衣装という、一度見たら目が離せない装いで登場しました。

武田プロデューサーの衣装は、元は忘年会の為に用意したもので、全部自分用に採寸してスコットランドに発注したフルオーダー品とのこと。
「スコットランドが大好きで、いつか“キルトを着ると”(笑)」とキルトへの武田プロデューサーの熱い思いを聞き、何故今日この衣装で出演したのかわかってすっきりしたところで、トークコーナーのスタートです。

 

■『ダンタリアンの書架』をアニメ化するに当たっての狙いは?

実際にイギリス取材へ行ったり、イギリスのことを研究してこの作品に臨んでいる上村監督。アニメ化することで描きたいことについては、「ヨーロッパのお伽話にある血なまぐささや、不思議なことは起こるけれど、静けさの中にある物語性という、すごく曖昧なものを表現しようと模索している」と語りました。

■原作とアニメの違いや共通点、アニメとしての見どころは?

アフレコ現場ではいつも「幻書が長いので、何とか短くなりませんか?」と監督に言っては却下されているとエピソードを披露して、会場の笑いを誘う小野さん。そんな苦労をしつつも、小野さんは見どころとして「幻書を読むシーンでは、テキストが音になっていくことに、声に乗せる意味がある」と、幻書のシーンを上げました。
沢城さんが「原作小説は、キャラクターたちの行動の意味に読者が想像の翼を広げる余地があるんです。読む側が行間を想像してあげることで、作品自体の精神性を深いところまで触れることができる作品だと思いました。アニメでは、その精神性自体は変わらないんですが、アニメの動きや音楽や声によって、視聴者の五感に伝わりやすくなっているのが、小説とアニメの違いだと思います。」と真剣に語ると、会場だけでなくステージ上の出演者も感心していました。

ダリアン役はオーディションの時に上村監督の熱望で決まったとのこと。その理由を沢城さんが尋ねると、監督からは「ダリアンは暴言を吐いたりお口が悪いので……」と予想外の返事の切り出し。それでも上村監督が話すキャスティングの決め手となった部分、「そんなダリアンも、沢城さんが演じると、どこか品が残る」には一同納得でした。

武田プロデューサーは、まず舞台設定について、原作では王都と表現されていて具体的な書かれ方をしていない舞台を、アニメならではのリアリティを出すために原作の三雲岳斗先生と相談してヴィクトリア朝をベースにした、前世紀初頭のイギリスに設定したと説明しました。それから取材をし、当時のマナーや爵位によって違う呼び方などを調べて世界観を作り上げたと語る武田プロデューサー。「衣装、招待状、すべて本当にあったものを極力調べてやっているから、そのリアルさが物語を描く上でバックボーンになっている」と作品のリアリティに、舞台を決めたことや取材したことが活きている自信を見せました。

 

■第1話の感想、会場へのメッセージ

沢城さんが語る第1話のポイントは、ダリアンとヒューイの距離感でした。「私が、いかに普段の小野さんとの関係を断ち切れたかがポイントです(笑)。お芝居してると、呼吸のゆったりしたのが似ちゃうんですよ。(出会ったばかりの)二人はちぐはぐに掛け違ってなきゃいけないんだけど、1話の出会ったばかりのシーンで、『老夫婦か!』という感じになっちゃって、これはまずいぞと。とにかく1話では初対面感を大事にしたので、いかに出会ってないように演じられたかというのがポイントです」。

作品の役柄では初対面でも、現実には息の合った沢城さんと小野さん。小野さんが「監督も思っていただいたように、僕も、ダリアンは沢城しかいないって思います。辛辣な言葉が空気のように感じられて、もうこれがないと生きていけないと思えるようなナイスクオリティ」と言った途端、沢城さんから「ぶっとばしますよ(笑)」と突っ込みも。

小野さんは「見どころは書架の鍵を開けるシーン。そこのキーワードになるセリフに、僕は本当に震えがきました。ああこれこそ『ダンタリアンの書架』だと思っていただける瞬間なので、ぜひ楽しみにして下さい」、武田プロデューサーは「リアルな世界観と、それが物語とか、二人の演技にどう影響したのかというところを見て下さい」とそれぞれ見どころを語りました。

上村監督が、「ダリアンは沢城さんしかないと思ったんですが、ヒューイも小野さんじゃないとだめです!」と断言すると、沢城さんも「今回初めて、小野さんて本当にいい声だなって思ったんです。特に女子はその部分も、楽しみにしててくださいね。とても素敵だから」とオススメポイントを追加。
たくさんの笑いと拍手でトークコーナーは終了しました。

取材を重ねて作り上げられたリアルな作品の世界観に、監督が「この人たちでなければ」と断言する出演声優。そんな『ダンタリアンの書架』は、もうすぐTV放送開始です。

<text/添田由美>

<TV放送スケジュール>

テレビ東京 7月15日より毎週金曜深夜1時23分~
テレビ大阪 7月19日より毎週火曜深夜1時30分~
テレビ愛知 7月18日より毎週月曜深夜1時30分~
テレビせとうち 7月20日より毎週水曜深夜1時18分~
TVQ九州放送 7月20日より毎週水曜深夜1時43分~
※放送日時は予告なく変更となる場合がございます。

<アニメ情報>

原作:三雲岳斗(角川スニーカー文庫/角川書店 刊)
キャラクター原案:Gユウスケ(グリーンウッド)
監督:上村泰
キャラクターデザイン:木野下澄江
衣装デザイン:
BABY, THE STARS SHINE BRIGHT
/ALICE and the PIRATES
美術監督:山賀博之
色彩設計:高星晴美/竹澤 聡
撮影監督:赤松康裕
編集:田村ゆり
音響監督:岩浪美和
音楽:辻 陽
アニメーション制作:GAINAX
製作:ダンタリアンの書架製作委員会

キャスト:
ダリアン役 沢城みゆき
ヒューイ役 小野大輔

『ダンタリアンの書架』アニメ公式サイト http://dantalian.tv/

(C)2011 三雲岳斗・Gユウスケ・角川書店/ダンタリアンの書架製作委員会