「第5回ノベルジャパン大賞 授賞式」に能登麻美子も登壇

By, 2011年7月11日



HJ文庫創刊5周年記念パーティー 第5回ノベルジャパン大賞 授賞式
2011年7月1日 【東京】京王プラザホテル 南館5Fエミネンスホール

2011年7月1日に、「HJ文庫創刊5周年記念パーティー」と「第5回ノベルジャパン大賞授賞式」が、京王プラザホテルで行われました。

現在300タイトルを超えるHJ文庫。会場にはこれまでHJ文庫から刊行された全タイトルが並べられ、その冊数の多さは、5年という期間の長さを感じさせます。

開会の挨拶は、株式会社ホビージャパン 常務取締役 編集制作局 局長 星野孝太氏。
「第5回ノベルジャパン大賞授賞式」では、プレゼンテーターとして、ホビージャパン初のアニメ化作品である『クイーンズブレイド』から、武者巫女トモエ役の能登麻美子さんが登場しました。
応募総数437作品の中から選ばれた、第5回ノベルジャパン大賞の受賞作の発表。そして登壇した受賞者に能登さんから賞状と賞金目録が渡されると、会場からは大きな拍手が上がりました。

【受賞作品と評価点】

☆銀賞  『白銀竜王のクレイドル』/ツガワトモタカ
評価点:
正統派ファンタジー作品でありながら、随所に独自の世界観が散りばめられ、個々のキャラクターが活き活きと描写されている
 
☆銀賞  『僕の妹は漢字が読める』/かじいたかし
評価点:
設定とタイトルのインパクトもさることながら、読みやすい文章、会話のテンポのよさ、ギャグの質の高さといったセンスの良さ
 
☆金賞  『僕はやっぱり気づかない』/望 公太
評価点:
主人公が鈍感であることを利用した、ヒロインたちとの掛け合いの面白さ、見事なプロット、一人称小説であることを巧みに操っていた
 
☆大賞  『オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス>』/鷹山誠一
評価点:
サイエンティフィックな学園ラブコメとして、高いポテンシャルを持った作品で、わかりやすいストーリー、テンポの良さ、読者を一気に引き込む筆力の高さ

HJ文庫 編集部 編集長 宇田川芳彦氏の講評は、「例年よりも多い応募数、審査が紛糾できるほどクオリティの高い作品が揃って大変嬉しい。その中で今回の大賞作品は、総合力が高かった。他の3作品も個性的なものが揃っていて、今後これまでのラインナップと共にHJ文庫を盛り上げて行って欲しい。」と、受賞作や今後のHJ文庫への期待を込めたものでした。

【受賞者コメント】(一部抜粋)

ツガワトモタカ氏
中学生の頃から「絶対ラノベ作家になるんだ」と言い続けて早10年。やっとラノベ作家として第一歩を踏み出すことができ、これで友人たちに顔向けができる。まだまだ拙い作品しか書けないけれど、時代を超えて残っていくような作品を出したい。

かじいたかし氏
銀賞という栄誉ある賞をいただいたこと、心より御礼申し上げます。ホビージャパンさんとの出会いは中学生の頃に購読していた『RPGマガジン』で、そのホビージャパン社からデビューさせていただくことになり、運命的なものを感じています。今後ともHJ文庫に貢献できるよう頑張っていきますので、よろしくお願い致します。

望 公太氏
受賞の知らせを聞いたのは、リクルートスーツを着て就職活動を頑張っていた時でした。受賞してラノベ作家になるということになり、兼業になるのか専業になるのかとても悩んだのですが、GA文庫様からも受賞の電話をいただいたので、「専業になろう!」と思いました。ラノベ業界に貢献していきたいと思っています。

鷹山誠一氏
ラノベが子供の頃から大好きで、このような栄誉ある賞をいただけて嬉しく思っています。受賞作のアイディアは、自分の中ではとても自信のあるものでしたが、取っつき難いものだったので、それをわかりやすくするのに苦労しました。ここがまだスタート地点だということは重々承知しています。これからどんどん精進して参りますので、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します。

受賞者4名それぞれが緊張しながらも、受賞の喜び、ライトノベル作家を目指した理由、これから作家として生きていく未来を語りながら、真っ直ぐに来場者を見つめる姿が印象的でした。

トークショーでは、プレゼンテーターの能登麻美子さんが再度登場。
『クイーンズブレイド』の収録現場について「女性が多く、和気藹々として楽しかった。」と語り、ライトノベル作家として第一歩を踏み出した受賞者たちへは、「わからないことの連続で大きな失敗をしたこともあったけれど、壁にぶつかって落ち込んでも、そこから前を向く力が生まれた。受賞者にもそれをバネにして次に繋げて欲しいと思います。」と激励を贈りました。

パーティーでは「ノベルジャパン大賞」が来年から「HJ文庫大賞」に名称を変更することも発表されました。
「第5回ノベルジャパン大賞」受賞者がこれからどんな作品を創っていくのかと共に、次回の「第6回HJ文庫大賞」はどんな作品が受賞するのか、期待が高まります。

<text/添田由美>

【第5回ノベルジャパン大賞 受賞4作品】

大賞: 『オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス>』/鷹山誠一
高校入学直後にオレが一目惚れした黒髪の少女――観田明日香先輩は、『絶対不可避の不吉を告げる魔女』として全校から恐れられる存在だった。自分が視た悪夢が100%現実化してしまう先輩の悩みを知ったオレは、従姉で生徒会長のサヤ姉の制止を振り切り、先輩の未来を変えるべく行動を開始! だが数々の偶然がそれを阻んできて……どうなるオレと先輩の運命!?
■特設サイト http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/paradox/
■イラスト:伍長
■定価:650円(税込)  ■発行日:2011年7月1日
 
金賞: 『僕はやっぱり気づかない』/望 公太
ひたすら平凡を愛する少年、籠島諦は今日も変わらず平凡を謳歌していた。彼には世界の平和を守る超能力者も、未来の電脳戦士も、ファンタジー世界の魔法少女も必要ないのだった。鈍感をこじらせ過ぎた少年と3人のヒロインが織り成す超鈍感覚ラブコメディ。
■イラスト:タカツキイチ
■定価:650円(税込)  ■発行日2011年8月1日(予定)
 
銀賞: 『僕の妹は漢字が読める』/かじいたかし
『きらりん!おぱんちゅおそらいろ』それは日本文学を代表する作家オオダイラ・ガイの最新作だ。彼の小説に感動した高校生イモセ・ギンは、ツンデレ気味だけど本当は兄思いのクロハ、クールでちょっと毒舌系の幼女ミルというふたりの可愛い妹と連れだってオオダイラのもとを訪れる。しかし、そこでギンや妹たちは謎の現象に巻き込まれてしまい――。
■特設サイト http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/kanji/
■イラスト:皆村春樹
■定価:650円(税込)  ■発行日2011年7月1日
 
銀賞: 『白銀竜王のクレイドル』/ツガワトモタカ
フィーリア――そこは竜と人間が共存する世界。そんな世界で数百人しかいない魔術師の少年イルミは、竜に襲われていた長剣使いの美少女キャロライナを助け、その縁で彼女と彼女に懐いた竜の子供と同居をすることに! かくして弄ると面白可愛いキャロライナと急速に距離を縮めていくイルミだが、その背後には世界の災厄たる魔術師が迫っていた!!
■イラスト:ぽんじりつ
■定価:650円(税込)  ■発行日2011年8月1日(予定)

ホビージャパン公式サイト http://www.hobbyjapan.co.jp/
HJ文庫公式サイト http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/